田中旅日記 どさんこーれ札幌 その3

2月25日から27日まで、札幌/北海道MICEコンテンツマートを取材いたしました。

前回は開幕前夜ウェルカムパーティと、テレビ塔のライトアップと観光気分でしたが
今週はイベント当日のもようをレポートします。

まずはオープニングセレモニーで上田文雄札幌市長が挨拶。
「日本を含め10か国と地域からのMICE関係者と多くの札幌市民が交流を深める機会をもちましたことを大変光栄に思います。札幌は人口190万超の日本第5の都市でありながら、年間約6メートルの降雪がある都会と自然が共存している都市。新鮮な食と多様な観光スポットをもち、国内では、もっとも魅力的な都市に選ばれている街なのです。

2010年には札幌MICE総合戦略を策定しました。MICE振興を街づくりの重要な施策。民間とともにMICE推進しております。このイベントでは、札幌の北海道の魅力的なコンテンツを一同に展示することで、MICE開催地としてのさまざまな提案を行ない、MICEビジネスの拡大を目指したい。また、タイ国政府観光局(TCEB)と韓国・大田市マーケティング公社とMICE推進に関する覚書を締結するなど、アジアにおけるネットワークの構築、強化を図りたい」と述べた。
来賓の観光庁次長の志村格(しむら・ただし)氏は、

「この数年でMICEの意義が少しずつですが理解してもらえるようになった。1つは高い経済効果。MICEで日本に来た方は観光客より多くのお金を消費します。それからビジネス・ナレッジの集積による産業・ビジネス機会の増加3番目は都市の競争力。都市のランキングを測る際には、国際会議の開催件数はとても重要な要素になっている。

80年代までは『アジアで会議をやるとしたら日本』という状況でしたが、90年代はアジア開催の5割が日本、近年では2割ぐらいとなっています。会議場の稼動率が70% と高い所もありますが、韓国・シンガポールで1万人規模の会議場が開業しているなかで、取りこぼしている案件も多いのではないか。

行政としても、前回の安倍政権時に国際会議件数5割増という目標を立て、昨年の観光立国推進協議会でも5割増とし、それは達成した。そうした小さな成功はあるが、そのなかに落とし穴があるのではないか。大きな会場がなく日本では大型会議が開けない状況。国別マーケティングをビジットジャパンでは国ごとに。MICEは多くの国の人があつまる、多様性の対応ができるか、なども課題となってくる。さらに、人材の問題、国際会議の成功にあたってボランティア 学生の参加、地域との協力、参加がかかせない。そういった状況で日本は現在楽観できる状況ではない。

札幌がMICE総合戦略を策定したのと、同年、 国も2010年にジャパンMICEイヤーとして事業を行なった活動。これまで十分な支援をしたとはいえなかもしれないが、今年からアンバサダープログラムや専門家を呼ぶなど、MICE振興に意欲の高い都市を積極的に支援をしていく報告にある。

今回、札幌国際プラザがタイと韓国とMOUを締結したほか、多くのアセアンの方がMICEコンテンツマートで札幌を訪れている。そういった方々の意見がこれからのMICE推進に大きな参考になる。ゲストの方には北海道の魅力を感じて欲しい」と挨拶した。

オープニングセレモニーを終えたあと、札幌国際プラザがタイ国政府コンベンション&エグジビションビューロー(TCEB)、および、韓国大田マーケティング公社(DIME)とMOU締結。調印式を行なった。
TCEBとは「MICE振興に関する協力協定書」を締結。タイと札幌間でのMICE分野の協力を促進するための協力体制構築について同意した。

DIMEは 大田コンベンションビューローからの組織変更にともなって新たに「MICE発展のための覚書」を締結した。

 

 

次号は、観光庁の志村氏、TCEBのトンチャイ・スリダマ氏、DIMEのチェ・フン氏によるスペシャルトークセッションのようすなどをご報告します。
まだまだ続きます。(田中:2013年2月26日取材)

 

田中旅日記 どさんこーれ札幌

その1:札幌に内外のMICE関係者集結 ~札幌/北海道MICEコンテンツマート~編

その2:札幌市主催の歓迎パーティ編