連載:経営視点から見る展示会活用法
第2回
目標設定~マーケティング施策の中の展示会~
柴崎 智弘氏(船井総合研究所)
みなさん、こんにちは。
船井総研の柴崎です。
前回のコラムから、沢山の反響を頂きました。
ありがとうございます。
さて今回は「目標設定~マーケティング施策の中の展示会~」というテーマでお話したいと思います。
みなさんは、展示会に出る目的、目標をどのように設定しておりますでしょうか?
私がよく聞くのは、下記のような目標設定です。
1. チラシの配布数(認知)
2. アンケート回収数
3. 商談数
4. ブース内での当日受注数
5. ブース内セミナーへの誘導数
この5つの目標が多いようです。
しかし、この目標設定している会社で、成功していると実感している会社は少ないと思います。
なぜでしょうか?
それは、展示会の成果を実感できないからです。
もっというと、費用対効果もしくはそれ以上の効果を出すための目標設定になっていないからです。
船井総研では、展示会は、マーケティング、すなわち『集客』の一つの手段だと捉えています。
そして、この展示会をきっかけに一年間、もしくは半年間の営業のネタをつくるのです。
もしくは、ハウスリストを増強させるのです。
展示会、特に「・・エキスポ」といった大きな展示会になると、出展費用だけでも、数十万円かかります。
装飾費用も合わせると、最低でも100万円以上はかかるでしょう。
そのコストを最大限、成果に直結させるためのアクション、目標項目。
そうしたことを前提に考えると、私たちが提唱する目標設定は以下の2点です。
1. 名刺交換数
2. 当日アポ取得数
私たちは、徹底的に、この2つの目標にこだわります。
今後、この2つの項目に対して最大限のパフォーマンスをするための、アクションをお伝えしていきます。
ところで、なぜ「名刺交換数」と、「当日アポ数」が大事なのか。
冒頭にも申しあげたように、私たちは展示会を商談会ではなく、マーケティング、すなわち集客の手段として捉えています。それであれば、徹底的に集客しよう!ということです。
その集客した数をどこではかるか、といったら、名刺交換数です。
名刺情報はハウスリストになりますし、今後の見込み客になるので、非常に価値の高いものになります。
業界によっては、来場者が名刺を持っていない、という方もいるでしょう。
そういう場合は
1.会社名 2.担当者名 3.電話番号 4.e-mailアドレス(可能であれば)
以上4点を教えてもらい、これをカウントします。
もちろん、情報を書いてもらう仕掛けをしなくてはいけません。
ただ誘導して、手書きで情報を書いてくれることは、ほぼ皆無です。
そして、もう一つ。
展示会のコストを最大限Payするアクションであり、目標が「当日アポ」です。
ほとんどの会社が、これを意識しません。
初めからから無理だと思っています。
しかし、そんなことはまったくありません。
大事なのは、目標設定をし、意識し、徹底的にアクションに移すことです。
展示会→名刺交換→興味喚起→アポ取得→デモ→クロージング
理想は、この流れです!
このステップの「アポ取得」までをブースのなかで行なってしまうのです。
色んな商材がありますので、一概にはいえませんが、BtoBの商材であったら、衝動的に買うことはほとんどないでしょう。
(一部、バイヤーが来て、注文書をその場で書いてしまう、商談会のような展示会もありますが)
BtoB向けの展示会においては、展示会場で情報を収集して、会社にその情報を一旦持ち帰って検討して、それから商談して発注する、という流れが殆どの会社に言えることでしょう。
であれば、そのなかで最も効果的な数字、それは、展示会をきっかけに、何件アポが取れるか、ということです。
しかし、後日のアポ取得は大変です。
ブースで興味喚起してから、離れれば離れるほど、アポ取得率も下がります。
であれば、ブースで盛り上がっているときに、その場で取ってしまう。
そして、売上に直結させる。
こういう目標を事前の打合せのなかで、しっかりと設定しておくと、展示会で大きな成果をあげることができます。
スコープがずれている、すなわち目標の設定が間違っていると、展示会での成果が感じることができません。
というよりも、成果が出ません。
ぜひ、この目標設定の考え方を参考にしてください。
そして、掲げた目標を達成していきましょう!
その目標を達成する手法を、今後お伝えしていきます。次回もよろしくお願い致します。
今回も最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。
第3回では、「コミュニケーションの重要性~成功している会社のルールとは?~」についてお伝えしたいと思います。
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Profile
柴崎 智弘
船井総合研究所
大學卒業後、大手金融機関にて営業を担当。
2006年より、インサイドセールスの部署の立ち上げに参画。
上場企業や中小企業を常時600社担当し、会わずしてキーマンとの関係構築をし、案件を引き出すという、法人営業、特に金融サービスとしては新しい試みを担当。
2011年10月船井総合研究所に入社。
IT企業ビジネスコンサルティングチームにて、展示会で集客した後の、電話営業でクロージングさせる営業の仕組みを得意とする。
特に、展示会のオペレーションには、成果に直結すると定評があり、展示会をテーマに、約30社のコンサルティングの実績がある。