イベントを成功に導く4つのC
企業イベントと一口にいっても、社内のオフサイトミーティングや顧客向けのコンファレンス、個別面談、国際会議のレセプション、CSR関連のイベント、ゴルフをはじめとするスポーツイベントなどさまざまなタイプのものがあります。規模も、10数人のものから大きいものであれば数百人以上のものまで、年間約60~70件のイベントを私たち専任プランナー3人で手がけています。
私はイベントを成功に導くには4つのCが必要だと考えています。
まずCommunication(コミュニケーション力)です。上質なサービスであれば常に同じもので良いということではなく、主催者と参加者のニーズによってカスタマイズしなければなりません。毎日、朝昼晩とフルコースを出せばいいと考えているようでは失格です。
相手のニーズを聞き出したり、それを関係者に伝えたりするコミュニケーション力がこの仕事には不可欠。プランナーは主催者とサプライヤーを結ぶリエゾン(連絡係)であり、いかに主催者のニーズをサプライヤーにわかりやすく伝えるかが重要な役割であると言えます。
次はCollaboration(協働)です。私はスタッフに「わかる人に聞けばいい」と常に教えています。プランナーがすべてをやるわけではありません。ホテルや企画・運営などイベントに関わるプロたちの力をいかに引き出すかがプランナーの能力なのです。
そしてCreativity(創造性)も欠かせません。たとえどんなに素晴らしい宴会場でも、演出がなければただの箱です。肝心なのはハードではなくてソフト。参加者の、「次はもっといいものを」に応えるには創造性が必要なのです。
最後のC、創造性を補ってくれるのが、Connection(横のつながり)です。外資系金融・証券会社のプランナーを集めたESIT(Event Specialist in Tokyo)という会を開いていますが、どの会場が良かったとか、レセプションに使える場所など、同じ職種の繋がりが、困ったときのヒントになります。
ホテルマンには人間力を求める
プランナーが開催地を決めるポイントは、主に①アクセス、②受入体勢、③街の魅力、④独創的な演出、⑤コストですが、①以外はホテルの担当営業マンが鍵を握っています。プランナーに提案するプロポーザルが書類選考、サイトビジットが面接のようなものです。
プロポーザルで大切なのは、必要な情報が盛り込まれていること、見やすいこと、ユーザーフレンドリーな提案、フレキシブルな契約内容です。また、ちょっとしたコツといい
ますか、提案書の内容がそのまま社内プレゼンに転用できることも、プランナーの心を動かすポイントになります。
プランナーが求めるのは参加者に感動してもらうことです。期待値に達したサービスを受けると参加者は満足し、それを超えるホスピタリティがあれば感動してくれます。
ホスピタリティは最終的には人間力が勝負。アイデアのために常にアンテナを張る努力、経験にもとづいた説得力ある言葉、社内営業力、情熱、周到な準備、前向きな姿勢、プロフェッショナリズムがあり、パートナーとして信頼できる人となら、良いイベントをつくれると思います。