連載:経営視点から見る展示会活用法
第3回
コミュニケーションの重要性~成功している会社のルールとは?~
柴崎 智弘氏(船井総合研究所)
こんにちは。
いつもありがとうございます。船井総研の柴崎です。
今回は「コミュニケーションの重要性 成功している会社のルールとは」というタイトルでお伝えいたします。
第一回の記事で、「事前ミーティングの重要性」について書きました。
http://www.eventbiz.net/?p=18687
これも一つのコミュニケーションの重要性をお伝えしたわけですが、今回は展示会当日のコミュニケーションの重要性、そしてコミュニケーションの方法、ルールについてお伝えします。
展示会当日で、一番やってはいけないのは、「気付いたら、ブースに人がいない」、「知らなかった」、「聞いていない」、「次回に向けて修正しよう」という状況です。
そんなこと!?って思うかもしれませんが、これはよくある失敗事例です。
また、コミュニケーション不足で起こりうる事例としては、大事なお客さま、見込みのお客さまが来場された時に、誰もいないということで、逃してしまう、という事例です。
これは本当に大きい!
では、こういう失敗事例をどうしたらいいのか!
ポイントは3つあります。
1. 連絡ノート
2. インカムの活用
3. 朝礼と終礼の徹底
まずは「連絡ノート」ですが
これは特に、来場予定の見込み客や、来場した時に、接客できずに改めて来る、ということがあったときに、伝達・コミュニケーションが上手くいかず、逃してしまうということがよくあるんです。
これは非常にもったいないことです。
一番良いのは、口頭コミュニケーションで上手くいけば一番良いですが、人数が多かったり、準備でバタバタしていると、それもむずかしい状況があります。
それを補填するのが、「連絡ノート」です。
「連絡ノート」はブースに置いておいて、必ず全員、1時間に1回は見る、というようなルールを設定することが重要です。
これが1つ目のルール。
2つ目のルールは、道具を使ったルール化です。
具体的には、インカムを使って、強制的にコミュニケーションをつくれるようにします。
展示会の種類にもよりますが、全員持つ必要はありません。
各ポジションの代表の方、リーダーの方がインカムをつけていただいて、常にブース・会場の動きを共有していただきたいのです。
東京ビックサイトや幕張メッセ、インテックス大阪のような会場で、10コマ以上の大きなブースで出展する際であれば、受付スタッフと、セミナースタッフ、デモ責任者の方がインカムを付けて、重要顧客の来場や、事前にテレマ誘導していたお客さま、自社スタッフにご指名のあるお客さまがあった時など、またはチラシが足りなくなりそうな時や、トラブルが起きそうなときに、事前にインカムで瞬時に連絡することで、トラブルを最小にし、満足度を高めることができます。
先日、岡崎のご支援先様での「IT経営フォーラム」というセミナーと展示会を1社が主催で行なうイベントでは、20台のインカムを利用し、会場全体のスタッフを一つにまとめ上げました。
常に何かあったら、実行委員長とインカムで相談し、その相談内容を全員が聞いているので、すべてのポジションでの状況を全員が分っている。そうすると、不思議と時間が経つにつれて、どんどん社内が一体化していくのです。
インカムの効果です。
結果、素晴らしいイベントになっただけでなく、社内の一体感が飛躍的に進みました。ぜひ行なっていただきたいです。非常に大事で、効果的なルールだと思います。
そして最後3つ目のルールは、朝礼・終礼です。
これは重要です。しかし、意外とやられていない企業さんが多いです。朝礼で行なう内容は、色々とあると思いますが、最低限この3つで結構です。
1.前日の注意点・反省点のリマインド
2.前日の数字のリマインド
→目標との差異の確認
→目標との差異を埋めるアクションについて
3.本日の目標
そこに、昨日からの申し送り等を行なって、本日来場される重要顧客等を再確認する。
最後は、べたですが、大きな声の掛け声「本日もよろしくお願い致します!」でスタートさせる。
これで一体感が全然違います。
そして終礼では、1日の数字の確認と、一日の気付きを出し合います。
その気付きを明日の朝、また確認し合います。
朝まで気付きのシェアをしないと忘れてしまいます。
リーダーがこの気付きをしっかりとメモをして、朝礼でリマインドします。
これをルール化します。
以上大きく3点のルールで、展示会・イベント当日のコミュニケーションを充実させてください!
先程、岡崎の会社様の例を出しましたが、この「コミュニケーション」こそが、成功している会社のルールです。
このコミュニケーションを、「後で」するとかではなく、「随時」行なうこと、「随時」コミュニケーションとれるようルール化していくこと。
これが、成功するための重要なポイントであり、大事なルールです。
多くの企業さまと仕事をしていると、コミュニケーションが大事とは思っているが、どうコミュニケーションをとったら良いか分らない、という話を良く聞きます。
ですので、ここでは、具体的なコミュニケーション方法と、内容をお伝えしたつもりです。
是非実践していただき、展示会・イベントの成功だけでなく、このイベントを通じて、会社の一体化を強化していっていただきたいと思います。
今回も最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございました。
第4回では、「ブース設計~成功するブース装飾のポイントとは?~」についてお伝えしたいと思います。
連載:経営視点から見る展示会活用法(全10回)バックナンバー
Profile
柴崎 智弘
船井総合研究所
大學卒業後、大手金融機関にて営業を担当。
2006年より、インサイドセールスの部署の立ち上げに参画。
上場企業や中小企業を常時600社担当し、会わずしてキーマンとの関係構築をし、案件を引き出すという、法人営業、特に金融サービスとしては新しい試みを担当。
2011年10月船井総合研究所に入社。
IT企業ビジネスコンサルティングチームにて、展示会で集客した後の、電話営業でクロージングさせる営業の仕組みを得意とする。
特に、展示会のオペレーションには、成果に直結すると定評があり、展示会をテーマに、約30社のコンサルティングの実績がある。