連載:経営視点から見る展示会活用法
第4回
ブース設計~成功するブース装飾のポイントとは?~
柴崎 智弘氏(船井総合研究所)
みなさん、こんにちは。船井総合研究所の柴崎です。
経営視点から見る展示会活用法、連載4回目の今回は、「ブース設計」についてお伝えしたいと思います。
最初に結論から申しあげると、ブース設計で絶対抑えていただきたい点は以下の3点です。
1.ソリューション・解決後の状態を表現する!
2.何を展示しているか、しっかりとわかるようにする!
3.誘導のオペレーションを意識した設計にする!
まず、『1.ソリューション・解決後の状態を表現する!』に関してですが、展示会で実際に多く見られるのは、ブースに大きく社名を掲げている看板です。
これは、上場企業もしくは大企業、また既ブランディング化されて、世の中に周知されている企業は、良いと思います。
展示会に来場されている方は、目的が明確で、お目当ての企業のブースを探している人と、特に明確な目的はなく、何か情報を得ようと思って来場されている人の、主に2種類に分かれます。
そしてそのおおよその割合は、4:6。つまり6割の方が、何か情報を得ようと思ってきているというのが現実です。
特に、中小企業において、間違えてしまう典型的なパターンとして、世の中的には、無名なのにも関わらず、社名を前面に押し出した看板を作ってしまうこと。これではもったいないです。
ですから、しっかりと前面の看板には、自社のソリューションがかなえることができる、またはお客様の解決した状態を言葉で前面にアピールしましょう。
次ぎに、『2.何を展示しているか、しっかりとわかるようにする!』です。
これも失敗事例と、成功事例で大きく分かれるところです。
特に大きな展示会ですと、数百の出展ブースに対して、来場者が許された時間内でブースを見るとしたら、1ブース数十秒です。
しかし、実際にはすべてのブースを見ることはできないので、歩きながら瞬時に判断をしていきます。
その際に、「このブースはいったい何を展示しているんだろう?」と、少しでも疑問がわいてしまうようなブースに、人は集まりません。
その解決になるキーワードが、「デカキャッチ」です。
非常識なくらい大きいサイズの文字のことを、船井総研では「デカキャッチ」と呼んでいます。
自社が行なうことができる解決状態を端的に、デカキャッチで表します。
そして、中の展示パネルについても同様です。これも小さすぎる文字のものはNGです。中に入らなければ見えないというのは、あまりにも不親切です。
外からある程度、このパネルには何が表示されているかわかるようにしたいところです。
そのためには、最低でもA1のパネル。できれば、A0サイズのパネルを使ってください!
キーワードは、「デカキャッチ」です!
最後に、『3.』ですが、誘導を意識したブースにするということです。
オペレーションについては、次回詳しくお伝えしますが、誘導する際に、ノベルティでは、ブースを見てもらって、気付いてもらって、ブースに入ってもらいたいと思っています。
ですので、上記2つのポイントを抑えていただければ十分です。
しかし、大事なのは、ブース単体で考えるのではなく、オペレーションを現場しのぎではなく、事前に設計した上で、その上でブースのデザインを考える。
この発想が大事です。
以上のことを踏まえて、是非これからのブース設計に活かしてください。
第5回では、「オペレーション~成功するオペレーションと、失敗するオペレーション~」についてお伝えしたいと思います。
連載:経営視点から見る展示会活用法(全10回)バックナンバー
第3回:コミュニケーションの重要性~成功している会社のルールとは?~
Profile
柴崎 智弘
船井総合研究所
大學卒業後、大手金融機関にて営業を担当。
2006年より、インサイドセールスの部署の立ち上げに参画。
上場企業や中小企業を常時600社担当し、会わずしてキーマンとの関係構築をし、案件を引き出すという、法人営業、特に金融サービスとしては新しい試みを担当。
2011年10月船井総合研究所に入社。
IT企業ビジネスコンサルティングチームにて、展示会で集客した後の、電話営業でクロージングさせる営業の仕組みを得意とする。
特に、展示会のオペレーションには、成果に直結すると定評があり、展示会をテーマに、約30社のコンサルティングの実績がある。