【連載】経営視点から見る展示会活用法 第5回 オペレーション~成功するオペレーションと、失敗するオペレーション~

連載:経営視点から見る展示会活用法

第5回
オペレーション~成功するオペレーションと、失敗するオペレーション~

柴崎 智弘氏(船井総合研究所)

みなさん
こんにちは。船井総合研究所の柴崎です。

経営視点からみる展示会の活用、連載5回目の今回は、展示会場での「オペレーション」 についてお伝えしたいと思います。

前回の「ブース設計」では、オペレーションを意識したブース設計をして欲しい、とお伝えしました。次回の、「呼び込みの方法」のところでもブース内オペレーションについては詳しくお伝えしたいと思いますが、まずは、オペレーションを計画する上で「失敗するパターン」からご紹介したいと思います。

ズバリ、失敗するパターンは、これだけです!

ブース内で説明をする人と、ブース内に呼び込む人が一緒になってしまっているというパターン。

しかし、残念ながらこのパターンがほとんどです。

なぜこのパターンが悪いのでしょうか?

それは、自分が説明しやすい人にしか声をかけない。
声をかける人を選り好みしてしまう、という傾向があるからです。
そして、疲れてくると、デモをするのにも疲れてきますから、呼び込みをしなくなります。

また、評価が曖昧にできるため、結果的に名刺の数も、デモの数も、当日アポの数も、期待した数まで伸びません。

全体の数字を追いかけて、毎日集計しますが、一元化になってしまっていますから、どこが悪いのか、まったく分りません。

ではどうしたら、良いのか?

その答えは・・・完全なる分業制です!

役割り、評価を細分化することです。

何をどう分業するのかというと、通行人をブースのなかに入れる役割と、ブースのなかでデモ担当する役割の人と、完全に分けるのです。

そして、それぞれの担当にしっかりと目標数字を課せます。

たとえば、呼び込み担当の人には、勿論、ブース内に呼び込んだ人数です。
カウンターを持ってもらい、1人(1組)入れたら、1カウントします。

そして、ブース内でデモを専門で担当する人は、2つの役割があると思っています。

1つは、名刺交換数
2つ目は、当日アポの数です。

こうすることで、何が良いかというと、まず、呼び込み担当は、ガツガツ呼び込んできます。なんせ、これが彼ら、彼女らの評価される成果ですから、必死です。

どんな人だろうが、呼び込みます。

ブース内に、デモを担当できる人が足りない場合は、それを効率的に回せる方法を自分達で考えます。

もしくは、1件あたりのデモを短くして欲しい!などといった、改善点が出てきます。

これが、展示会全体を良くし、ボトムアップ、底上げにつながります。

そして、デモ担当は、入ってきたお客さまにすべて対応しますから、役割を一元化していたときには取りこぼしていた見込み客にもプレゼンすることができ、より多くの潜在客を掘り起こすことができます。

そして、目標が「当日アポ」の取得ですから、力の入ったプレゼンをするだけでなく、見込み客かどうかの選別まで行なえます。

これが非常に大きいのです。

これで、見込み客が一気に増加し、ハウスリストを厚くし、営業の種を沢山獲得し、そして、案件に最も近い、当日アポを取ることができます。

オペレーションのポイントは、とにもかくにも、この「分業制」です。

これまで、展示会担当に、呼び込みも、デモもすべて任せていた会社さんは、役割を細分化して、その細かい役割ごとに担当を設定して、その細かい役割ごとに評価する数字を設定して欲しいと思います。

そして、毎日、どこの数字が良かったのか、どこの数字が悪かったのか、振り返っていただきたいと思います。

そうすることで、明日は、呼び込みをもっと力を入れたほうがいいのか、次回は、もっとデモの人数やPCを増やした方がいいのか、どこが足りなかったのか、PDCAを組むことができます。

展示会も、Webと同じように、明確に改善点を見つけることができ、進化させることができます。

ぜひ取り組んでください!

そして、次回は、この呼び込みの方法と、ノベルティについてお伝えしたいと思います。

ではまた次回!

第6回では、「効果的なノベルティを考える~お金をかければ良いというものではない!~」についてお伝えしたいと思います。

 

連載:経営視点から見る展示会活用法(全10回)バックナンバー

第1回:事前ミーティング~成功の鍵は社内の一体感~

第2回:目標設定~マーケティング施策の中の展示会~

第3回:コミュニケーションの重要性~成功している会社のルールとは?~

第4回:ブース設計~成功するブース装飾のポイントとは?~


Profile

 

 

柴崎 智弘

船井総合研究所

 

大學卒業後、大手金融機関にて営業を担当。
2006年より、インサイドセールスの部署の立ち上げに参画。
上場企業や中小企業を常時600社担当し、会わずしてキーマンとの関係構築をし、案件を引き出すという、法人営業、特に金融サービスとしては新しい試みを担当。
2011年10月船井総合研究所に入社。
IT企業ビジネスコンサルティングチームにて、展示会で集客した後の、電話営業でクロージングさせる営業の仕組みを得意とする。
特に、展示会のオペレーションには、成果に直結すると定評があり、展示会をテーマに、約30社のコンサルティングの実績がある。