【連載】経営視点から見る展示会活用法 第6回 ブース内へ呼び込む方法と効果的なノベルティとは?

連載:経営視点から見る展示会活用法

第6回
ブース内へ呼び込む方法と効果的なノベルティとは?
~お金をかければ良いというものではない!~

柴崎 智弘氏(船井総合研究所)

みなさん
こんにちは。船井総合研究所の柴崎です。

経営視点からみる展示会の活用をみて、前回は、呼び込みとブース内説明の担当を分業して行なってください!ということをお伝えさせていただきました。

6回目の今回は、具体的にどうやって呼び込むのか?
その際、ノベルティは、必要なのか?ということについてお伝えしたいと思います。

まず答えから申しあげます。
ノベルティは、情報提供型の小冊子が一番良いです!

理由は3つあります。

1. 見込み度の高いお客様と出会うことができる

2. 余計なコストがかからない

3. 展示会以外でも、Webでの無料プレゼントとしても有効的に使える

まず2.「余計なコストがかからない」は、その言葉通りだと思います。

では、1.ですが、自社の提案商材と関係ないノベルティを用意しても、面白半分で貰いに来る人や、モノだけ欲しい人が寄ってきます。

そして、3.「展示会以外でも、Webでの無料プレゼントとしても有効的に使える」ですが
これも非常に経済的で、効率的な活用です。

おもちゃのようなノベルティを作ってしまうと、展示会が終わってしまったら、使い道がなかなかないだけでなく、保管する場所もとられてしまいます。

それよりも、情報提供型の冊子を作っておけば、ホームページのダウンロードコンテンツにしておくことでき、HPからの集客にも役立ちます。

そして、最も重要な理由は1.「見込み度の高いお客様と出会うことができる」です。

たとえば「○○解決方法教えます!」といったタイトルで、自社の見込み客が抱えているお悩みに少しでも役立つ情報を盛り込んだ冊子を作ったとしたら、展示会に来ている人々は、ノベルティを探しにきているのではなく、情報を探しに来ているわけですから、歩いているときに、自分が探している情報、マッチした情報がもらえる!とわかった時点で、喜んでブースの中に入ろうとします。

この来場者心理を利用して、ブース内誘導をします。

さらに具体的にいうと「AIJの法則」を活用します。

AIJの法則とは、船井総研の社員が、「この順番で声をかけると誘導の成功率が高い!」
と編み出したフレームワークです。

まず、「A」ですが、これは、アテンションの「A」です。
実際には、挨拶をして、まず通行者の方の注意をひきます。

次に「I」。これは、インタレスティング。興味をひくという意味ですが、ここで、小冊子をお配りしています!と通行者の方が興味をもつキーワードを出します。
ここで、自社の名前を言ったり、商品説明をしたりすることはは論外です。ありえません!

最後に「J」ですが、これはジャッジ。つまり、ブースに入るか入らないか、また、この人は自社の見込み客かどうか、ここで判断します。

そして、これを実行するポイントは、歩きながら行うことにあります。

よくある失敗事例としては、ノベルティをもって、立ち止まった状態で
「●●配っていま~す」とか「こちら●●で~す」と声をかけているブースを見ますが、それでは自社の本当の見込み客は呼び込めません。

どうしたらいいのかというと、多少通行者と平行して歩きながら、A→I→J…
つまり「あいさつ」→「小冊子」→「ブースを見せる」を行ないます。

前回、前々回に、どういうブースを作ったら良いかというお話しはさせていただきましたので、こちらをご覧いただければと思うのですが、あいさつで注意をひけて、小冊子に興味をもってもらえて、ブースを見てもらったら、かならずブースに入るかどうかの判断ができます。

なぜならば、私が支援するブースには、自社の社名、商品名はほとんどありません。

あるのは、そのサービスがかなえることができる、課題解決後の状態、かなえられた状態、嬉しい状態が、デカキャッチで書かれているのです!

そして、見込みになりうる方であれば、このブースを見たら、大概呼び込めます!

ここでは、見込み客かそうでない客かを「Judge」しているといってもいいのです。

いかがでしょうか?

ノベルティの代わりに用意すべきもの!
そして、小冊子をもって実際に呼び込むアクション!
おわかりいただけたでしょうか?

前々回のブース設計、前回のオペレーション、そして今回の呼び込みのノウハウがあれば、これまでとはかなり違った結果になるはずです。

私のコンサル後支援先で、私が支援する前の、2年前は、150枚くらいの名刺取得数だった会社さんが、このブース設計とオペレーションを素直に実行した結果、同じ展示会で、同じ会場なのに、なんと620枚の名刺取得数に跳ね上がりました。

その他、前回比で、約2倍以上に伸びる企業さんは、複数ございます。

展示会も、Webと同じように、明確に改善点を見つけることができ、進化させることができます。

今までのやり方、これを毎年やって、それなりの成果しか出ていない皆さん!

ぜひ取り組んでください!

そして、今度大量の見込み案件を創出するのは、あなたです!!

次回からは、いよいよ展示会の後に行なうこと。実際に成果につながっている会社は何をしているか、というところについてお伝えします。

 

連載:経営視点から見る展示会活用法(全10回)バックナンバー

第1回:事前ミーティング~成功の鍵は社内の一体感~

第2回:目標設定~マーケティング施策の中の展示会~

第3回:コミュニケーションの重要性~成功している会社のルールとは?~

第4回:ブース設計~成功するブース装飾のポイントとは?~

第5回:第5回 オペレーション~成功するオペレーションと、失敗するオペレーション~

 


Profile

 

柴崎 智弘

船井総合研究所

 

大學卒業後、大手金融機関にて営業を担当。
2006年より、インサイドセールスの部署の立ち上げに参画。
上場企業や中小企業を常時600社担当し、会わずしてキーマンとの関係構築をし、案件を引き出すという、法人営業、特に金融サービスとしては新しい試みを担当。
2011年10月船井総合研究所に入社。
IT企業ビジネスコンサルティングチームにて、展示会で集客した後の、電話営業でクロージングさせる営業の仕組みを得意とする。
特に、展示会のオペレーションには、成果に直結すると定評があり、展示会をテーマに、約30社のコンサルティングの実績がある。