【連載】経営視点から見る展示会活用法 第8回 アフターフォロー ~マーケティングからセールスへ その2~

連載:経営視点から見る展示会活用法

第8回
アフターフォロー ~マーケティングからセールスへ その2~

柴崎 智弘氏(船井総合研究所)

みなさん
こんにちは。船井総合研究所の柴崎です。

前回の連載第7回では、展示会の後は、スピードが大事である、ということで、展示会のブースの中で顧客の層別を行ない、その日のうちに、スピーディーに御礼メールをお送りすることが重要である、とお伝えしました。

実際に、成約・売上につなげるためには、この後が、さらに重要になってきます。

それは、御礼メールを送信した先に、顧客の層別にそって、すぐさまにアポイントメントを取得することです。

アポを取る優先順位とスケジュールは以下の通りです。

顧客ランクA:展示会終了後、3日以内に必ずアポ取得、1か月以内に全社訪問完了

顧客ランクB:展示会終了後、1週間以内にすべてに架電、2週間以内にすべてアポ取得、3か月以内に全社訪問

これを必ず行ないます。

これをやらなければ、いくら時間と手間をかけて展示会に出展しても、お金をかけて装飾して、集客しても、まったく意味がありません!

それを行なうために、ここからは、マーケではなく、営業マンが絶対守らなければいけないことがあります。

それは、事前に、展示会の後、最低3日間は、日程をあけておく!
ということです。

日常の営業活動の延長で、展示会に臨んでしまうと、展示会の後も、普通に先約のアポが入っており、まったく身動きが取れません。
これが成果がでない、失敗する大きな原因です。

ですから、必ず展示会後、少なくとも3日間。
できたら、1週間は、予定を空けておく、ということが重要です。

この下準備ができていれば、展示会のブースの中で、その日のうちにアポも取れるのです。

そして、展示会後の訪問が、営業担当者がどうしてもいけないときには、誰かマーケの担当者でもいいから訪問して欲しいのです。

その時に何を話して良いのか迷わずに訪問できるよう、ヒアリング項目を以下に示します。

1.展示会来場の御礼

2.展示会での感想(何が良かったか?他のブースでいいものがあったか?)

3.予算:この案件について、社内で予算を設定しているのか?

4.権限:お会いしている人はどういう立場なのか?
情報収集の担当なのか?決定する人は別にいるのか?
決定する人が別にいるのであれば、その人に会うことはできないか?

5.ニーズ:この商品・サービスを検討しようと思ったきっかけとなるニーズ・課題は何か?

6.時期:この商品・サービスは仮に導入するとしたらいつか?、それはなぜか?

7.競合:本件で競合はいるか?、どこの・何を検討しているのか?

以上の内容を聞くだけであれば、他の担当者でも問題ありません。

エース級の人が多忙で行けない場合には、とにかく一刻も早く、こちらの質問内容をもって誰かが訪問し、案件化させてください!

これが、展示会における営業のもっとも大事なことだと思っています。

ここから成約させるスキルは、またそれぞれの営業についての教科書が出ているかと思いますので、参考にしていただければと思います。

ちなみに、上記に展示会当日に、ブース内でアポを取る、というお話をさせていただきましたが、これが一番ベストです。

そのために、日程も空けて出展ブースに立ち、営業に挑みたいところです。

さらに、当日アポを取りやすくするのが、ブース内の動画配信です。

ブース内では、色々なコンテンツがあります。

1.実演・デモ

2.ミニセミナー・ミニ講演

3.動画配信

私が一番オススメするのは、最後の動画放映です。

では一体どのような内容の動画を流したら良いのかというと…

顧客事例のインタビューです。

内容の前にまず、なぜ動画を放映するのかというと、ブースの中で、人が目を引くのは

1.大きいもの
2.光るもの
3.動くもの

なのです。
動画は、光るものであり、動くものです。

非常に目を引き、ブース内誘導にも効果的ですし、また、顧客事例インタビューを見ていただくことで、来場者は、あなたの会社の名前を知らなくても、安心してくれます。そうすることで、警戒心を解いて、アポが取りやすくなります。

ブース内セミナーも良いのですが、セミナーですと、手間と準備が大変かなと思います。

もし、手間と準備が大丈夫であれば、セミナーも有効です。

その際は、見込み客を、展示会のセミナーに誘導して、その場で再度デモをして、クロージング!という機会にしてしまうことが多いですね。

一方で、新規先に対しては、顧客事例のインタビューを動画にして、永遠と流している方が、効率的で、効果的であると言うことができます。

私が考える一番の理想的は、

誘導→名刺交換→ヒアリング→軽くデモ→動画を見せる→その場でアポ取得

という流れです。

以上、展示会のブースにおいて、誘導するために、必要なこと・コンテンツ、そして誘導してから営業につなげるための実践内容をお伝えしてきました。

なるべく、理論よりも現場に則した考え方をお伝えしたつもりでしたが、いかがでしたでしょうか?

具体的にどう考え、何を実行したら良いか? 理解いただけたでしょうか?

もし、何かご不明な点等あれば、facebookも「柴崎智弘」でもご相談を承りますので、お気軽にご連絡ください。

皆さまがこれから出展される展示会で大きな成功をおさめられますことを心からお祈り申しあげます。

では、また次回!

連載:経営視点から見る展示会活用法(全10回)バックナンバー

第1回:事前ミーティング~成功の鍵は社内の一体感~

第2回:目標設定~マーケティング施策の中の展示会~

第3回:コミュニケーションの重要性~成功している会社のルールとは?~

第4回:ブース設計~成功するブース装飾のポイントとは?~

第5回:第5回 オペレーション~成功するオペレーションと、失敗するオペレーション~

第6回:ブース内へ呼び込む方法と効果的なノベルティとは?~お金をかければ良いというものではない!~

第7回:アフターフォロー ~マーケティングからセールスへ その1~

 


Profile

 

 

 

柴崎 智弘

船井総合研究所

 

大學卒業後、大手金融機関にて営業を担当。
2006年より、インサイドセールスの部署の立ち上げに参画。
上場企業や中小企業を常時600社担当し、会わずしてキーマンとの関係構築をし、案件を引き出すという、法人営業、特に金融サービスとしては新しい試みを担当。
2011年10月船井総合研究所に入社。
IT企業ビジネスコンサルティングチームにて、展示会で集客した後の、電話営業でクロージングさせる営業の仕組みを得意とする。
特に、展示会のオペレーションには、成果に直結すると定評があり、展示会をテーマに、約30社のコンサルティングの実績がある。

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