仲間の輪がどんどん広がっていく
―イベント事業のやりがいや難しさについてお聞かせください。また、楽しかったり充実している瞬間はどのような時ですか
山本 イベント業界の楽しさは、人との出会いの機会が多いことだと感じています。ここ数カ月を振り返るだけでも、大勢の方と知り合うことができました。出会った瞬間は分からなくても、そこから新しい仕事につながっていたり、地域同士を結び付けたりと、私の行動次第でいろいろな可能性をつないでいけるというのは、とてもやりがいのある仕事だと思います。自分でイベントを動かしているので全体のタイムスケジュールを調整したり、逆算してリハーサルなどを組まなければいけないのは大変ですが、苦労して作り上げたイベントを楽しんでくれているみんなの顔を見たり、時には自分も参加してしまって思いっきり楽しんでいます。
池澤 自分が手がけたイベントが全国テレビで生放送されたり、翌日の新聞の1面に出たりとスケールの大きさを味わえるのはこの業界ならではの特権だと思っています。また、イベントを通じて顧客や来場者との一体感を感じることも大きな魅力です。やるからには常にしっかりしたものを作りたいと思っていて、新人の頃はその思いの大きさに振り回され、空回りしてしまうこともありました。良いものを作ることはもちろん大切ですが、会場条件や制作物管理・安全性の確保をはじめ、多くの要因をクリアしてイベントをつくり上げていくといった状況の中で、顧客のニーズに応え「イベント全体を上手にコーディネートしていく」ということが重要、と最近になって思えるようになりました。イベントは天候などその時の環境によって大きく姿を変えるので、まったく同じイベントというものは2つと存在せず、マニュアルをその都度変更するなど臨機応変な対応が求められる点で非常にシビアではありますが、その分苦楽を共にした仲間との絆は強く、仲間の輪がどんどん広がっていくのが楽しみだったりします。特にイベント業界は業務領域が広範であることから、特定の業種にとらわれず仕事ができることも魅力的です。
水嶋 正直に言うと、性格的にやりがいや楽しさより力不足ゆえの後悔が先に立ってしまいがちです。常に狙っているのは100点なのですが、それが顧客にとっても100点になるというのは凄く難しい。絶対的な数値や評価が見えにくいのも一因かもしれません。逆に顧客から良かったと褒められても、自分が満足できていないということも多々あります。毎回毎回反省して、次はより良いものを作ろうと切磋琢磨しています。あえてやりがいを挙げるとしたら、その悔しい思いをバネに成長できているという実感でしょうか。
また、楽しさとは少し違うかもしれませんが、イベントを通じてさまざまな会社の方と仕事をして「この人すげぇ!」と刺激を与えてくれる人と出会う確立は高いと感じます。イベントと一括りに言っても幅広い業界で、さまざまな経験を積んでいたりする人が社内でも大勢いて、なおかつ個性が強くキャラも濃いので、いやがおうにも刺激を与えられます。私の場合は真っ向勝負しても勝てないと思っているので、メディアという自分の強みを活かして先輩たちがやってこなかった別のもので勝負しようと考えています。
田中 顧客から場所と内容をいただいた際、現場に見合った人数やスタッフを手配できるかどうかは経験に左右されます。顧客が真に希望していたスタッフを手配できたと感じた瞬間に、やりがいや充実を感じます。難しい点は、近年の人手不足で思うようにスタッフを手配できないケースがあることです。イベントは大抵、GWや夏休み、年末年始など年間行事とスケジュールが重なるので、特に全国的な現場をご依頼頂く際、地方の人手が足りていなくていつも苦労しています。ここ数年、私が入社してからは常にアルバイトスタッフ確保に奔走しているのが現状です。