大友氏にとって想定外だった出来事は3つ。
まず、子供が待機児童となってしまったこと。区の待機児童専用グループ保育施設に入ってどうにか復帰するが、延長保育ができない、給食がない、通常よりも迎えの時間が早いなど制限は多かった。
また、今までの仕事のスタイルを変えることも容易ではなく、在宅勤務も思うようにいかなかった。
さらに、ひとたび子供が病気をすれば仕事の時間は減り、予定通り進まなくなってしまう。
大友氏のなかにある「仕事も育児も自分がやりたい」という強い思いが空回ってしまった結果だった。
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そんな悩みを抱えながらもなんとか仕事をこなし、数カ月が過ぎた。
あるとき、子連れで神戸まで出張しなければならなくなってしまう。それも1日や2日ではない。チームと調整し、夫や実家の母親の助力を得て、なんとか仕事を滞りなくこなそうとするも、出発日に子供が発熱してしまうという予想外のトラブルに見舞われる。現場入りは1日遅れとなった。
同僚や家族、周囲へ負担をかけてしまったことを悔いる大友氏。胸に「今までの働き方では無理だ。働き方を変える必要がある」という思いが飛来する。