――国際競争力強化に向けての取り組みについて教えください
井上 今までも国際会議などMICE誘致の取り組みをしてきましたが、他国も精力的に取り組んでおり相対的にみると日本の競争力が低下しています。関係者が連携を深め、ともに取り組む仲間を増やし、MICE関連の競争力を付けることが必要です。早期に戦略的なアクションを取ることが必要であり、そのために国際競争力強化委員会で先日、中間とりまとめをしました。
この中間とりまとめでは、まずは、国際会議だけでなくMICE全体のマーケットサイズを確認し、将来的な目標を作るという目指すべき姿を明確にすることです。
二つ目に都市力強化のためグローバルMICE都市や各自治体、ビューロー、政府機関が集まる対策本部を10月に設置します。関係者が集まりグッドプラクティスの共有や課題について検討し、切磋琢磨する場を作ることで都市力強化につなげていきます。
三つ目はTEAM JAPANで総力を挙げた誘致体制を整えることです。国際競争力を上げるため、国内外で活躍している産官学の方々を取り込み、大きな流れにしていきたいと考えています。国としては、MICE推進を政府全体で取り組む課題とし、観光庁だけでなく外務省や文部科学省、経済産業省、厚生労働省など関係省庁が連携して具体的アクションを進めるべく、7月21日に「関係府省MICE支援アクションプラン中間とりまとめ」をまとめました。この行政の連携とともに、海外との接点の多い経団連や商工会議所など産業界の方々とも連携して取り組んでいきます。
四つ目は人材育成に関することです。研修プログラムやセミナーなど、組織や団体それぞれで取り組んでいるのですが、内容が重複していたりタイミングが同じだったりという現状があるので、MICE業界としてどういった人材が必要か、またそれぞれの役割分担について議論できる場を10月に立ち上げる予定です。
以上の4つに関して具体的なアクションを誰がいつまでに何をする、というとりまとめができましたので、これから始動していきます。
――各国の誘致競争が激しくなっているとのことですが、最近の傾向についてはいかがですか
武内 国際競争で言うと、以前はヨーロッパやアメリカと競合することが多かったように感じますが、最近はアジアエリアでの競合が激しく、その点ではハードルが上がっていると思います。……
☞この続きは当社既刊誌「EventBiz vol.8 スポーツとイベントこれからのカタチ」に収録しています。
書籍についての詳細はこちらのリンクからご覧ください。
(http://www.eventbiz.net/?p=53774)