【座談会】イベントを成功へ導く調整役は今日も走る ~日本映像機材レンタル協会(JVRA)#2

――仕事のやりがいや魅力、また大変なことはなんですか

永井 私たちの業界の最終目標はイベントの成功だと思うのですが、その成功の裏には私の仕事のような、あまり表立つことのない細かい仕事がたくさんあるんです。その小さな仕事が役に立っていると改めて認識できる瞬間にやりがいを感じます。テレビやコンサート映像を眺めながら、ふと「自分でやった作業がイベントで役に立っているんだな」と思えるときもありますね。

 最近はパズルを解くような感覚で仕事をしています。例えば、とある機材を40個探して欲しいと頼まれたことがありました。自社のものでは到底足りませんでしたので、同じ機材を所持している他社の助けを借り、なんとか揃えることができたときなどは、やはり達成感がありました。このように大きな壁を乗り越えた経験は、同じような問題があったときに落ち着いて対応できるようになるなど、自分の力となっていきます。私の仕事は、機材の借用が業務の大部分となっていますが、なるべく借りる機材の数を減らせるよう取りはからうことも、自分の重要な仕事だと考えています。
それから、機材が故障しているのか、それとも正常なのか判別がつかない状態になっていることがあります。これは修理担当者とシフト担当者、共通の悩みの種でもあるのですが、最近はこのようなケースは減ってきました。昔よりはシフト担当者と倉庫の担当者の距離が縮まったことが改善に繋がったと考えており、コミュニケーションの大切さも実感しています。

内山 現場の仕事をやっていた頃は、達成感ややりがいといったものを感じることが多かったです。ひとつの案件が終了するごとに区切りがつきますから、ある意味では分かりやすいですよね。しかし今の部署での仕事は、以前に比べると区切りが曖昧で、終わりが明確ではありません。
パズルという例えが徐さんから出ましたが、私たちの管理する人の動きや車の流れもまさにパズル状態です。どうやったら少ない人数や台数で現場を動かせるか、日々頭を悩ませています。
また、管理職として部下を持つようになってからは、今までの経験や積み重ねから生まれた考え方や信念といったものを、下の人が受け継いで仕事をしてくれることがやりがいのひとつになっています。

宮下 私の仕事は、これからレンタルに出す機材の状態チェックなどが多く、実際に現場でチェックを行った機材がどのように使われるかをあまり知らないことがあります。基本的な必要最低限のチェックを怠ることはありませんが、もっと機材を知ることでメンテナンス方法の幅も広がると感じています。
最近では人が足りないときなど、ヘルプで現場に入ることがあるのですが、実際の機材の使われ方を直接学ぶことができます。通常の業務とこうした現場での体験を通して知識量が増えていきますので、大きなやりがいであり、魅力でもあると思います。

佐藤 入社して20年ほどになりますが、現場をやめてからのやりがいというのは難しいもので、次から次へとやってくる仕事を、ずっと捌いているようなイメージです。達成感はあまり感じたことがありません(笑)。
極論をいえば、私たちの仕事はもっと多くの営業の方がいればその方達で補えてしまうことができる仕事だと思っています。それでも私たちは、穴が空いてしまったところを埋める仲介のプロだと自負しています。しかし、そのポジションに決して胡坐をかいているわけではなく、今後も現場と営業のいい潤滑油として最大限機能していきたいですね。

――仕事の際の必需品がありましたら教えてください

永井 薄暗い倉庫内での作業が多いので、ヘッドライトですね。作業効率化にもなりますし、機材の移動が難しい状態ですと作業場所を変えられませんので、ライトで照らしながら細かいメンテナンスなどを行います。

仕事02

NEXT >> 社内の他セクションとの関わり方

  


◆JVRA座談会アーカイブス

第1回 ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト
第2回 ~プロが語る仕事の舞台ウラ
第3回 観客を魅了するステージ演出の舞台ウラ
第4回 日本全国で活躍するJVR協会の仲間たち
第5回 イベント・ステージ業界で活躍する女性たちの仕事
【2016年】海外展示会(ISE・InfoComm)視察ツアー報告会2016
第6回 映像演出の世界で輝く女性たち~女性が活躍できる場を目指して
【2017年】海外展示会(ISE・InfoComm)視察ツアー報告会2017