ホーム ブログ ページ 26

万国博覧会・国際博覧会を知ろう① 寄稿・桜井 悌司(元ジェトロ監事・展示事業部長)

2020年初めに、本紙で「国際博覧会とMICE・展示会業界にとってのビジネス・チャンス」というタイトルで執筆した。その中で国際博覧会に係る様々なテーマにつきざっと紹介した。昨今マスコミでは、「大阪・関西万国博覧会」の準備の遅れが頻繁に報道されている。開幕日まで600日を切ったこともあり、改めて国際博覧会について紹介し、読者の理解に供することができればと考えた。なお本稿の内容は、すべて筆者個人の意見である。


◆万国博覧会・国際博覧会の簡単な歴史
万国博覧会・国際博覧会の由来は、展示会見本市と同様、人類の交易が行われた古代の「市」に始まると言われているが、国家行事として、体系的に開催されるようになったのは、18
51年の「第1回ロンドン万国博覧会」が最初である。その後、国威発揚と産業振興のために、フランス、オーストリア、米国等に広まった。ロンドン万博以降、1900年までに、パリで5回、ロンドンで2回、ダブリン、ウィーン、アントワープ、エジンバラ、バルセロナ、グラスゴー、ブラッセル等の欧州、ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ等米国、シドニーやメルボルンの豪州で開催された。フランスが最も熱心に万博を推進したことが理解できよう。

では、万国博覧会・国際博覧会は人類にとって何をもたらしたのであろうか? 主要な展示品・モニュメントを紹介してみよう。その時代の最新技術や製品を展示紹介することによって、産業革命を推進し、人類の生活の向上に貢献し、産業・技術開発の発展、観光の振興等に大きな役割を果たしてきたことが理解できる。
産業面のみならず、庶民生活の観点からみても、デパートやショー・ウインドーなども万博・国際博が生み出したものである。国際博覧会の役割も時代とともに変化してきたが、徐々に博覧会のテーマが重視されるようになった。初めてテーマを設定したのは、1933年のシカゴ万国博覧会で、「進歩の一世紀」であった。未来志向に転換したのは、1939年のニューヨーク万国博覧会で、そのテーマは、「明日の世界」であった。それ以降、未来に関するテーマが多くなった。

日本が、万博に初めて参加したのは、1867年の第2回パリ万博であった。徳川幕府と薩摩藩、鍋島藩が日本を代表する地位を争いながら出展した。NHKの大河ドラマでも取り上げられた。日本が初めて公式に参加したのは、1873年のウィーン万博で、日本の選りすぐりの工芸品、絵画等が出展され、ヨーロッパにジャポニズムを普及させたことは良く知られている。その当時、日本の優れた工芸品などを多く展示した。博覧会で展示された彫刻、陶磁器等の展示品のいくつかは上野の東京国立博物館に行けば、見ることができる。

20世紀に入ってからも、2021年のドバイ万国博覧会までに大小含めて62の国際博覧会が世界の広範囲な国々で開催されている。(平野暁臣氏著「万博の歴史」参照のこと)20世紀以降の国際博覧会開催地には、開催国・開催都市の広がりが見られる。例えば、アジアでは、韓国が2回(大田、麗水)、中国が1回(上海)開催したし、最近ではカザフスタンのアスタナ国際博覧会、アラブ首長国連邦のドバイ万博に見られるように新興国でも開催されるようになっている。
日本は、1970年日本万国博覧会(大阪万博)を皮切りに、1975年沖縄国際海洋博覧会、1985年国際科学技術博覧会(筑波)、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)と4回の開催実績がある博覧会大国である。今度の大阪・関西万博は5回目の挑戦である。

(2ページ目へ続く)

2005年日本国際博覧会(愛・地球博)
2005年日本国際博覧会(愛・地球博)

JR東日本グループが推進する「TAKANAWA GATEWAY CITY」(SCビジネスフェア2024)

JR東日本グループは1月24日から26日までの3日間、パシフィコ横浜で開催された「SCビジネスフェア2024」(主催:日本ショッピングセンター協会)に、2025年3月にまちびらき予定の「TAKANAWA GATEWAY CITY」の200分の1模型を展示した。

TAKANAWA GATEWAY CITYは同グループが推進する品川開発プロジェクトにより整備される新しい街。共創パートナーはKDDI。街のデータ基盤を整備することで多様なデータを掛け合わせ新たなサービスが生まれる「100年先の心豊かなくらしのための実験場」を目指す。

「複合棟I」は地上30階地・下3階でホテル・オフィス・商業・コンベンション・カンファレンス機能を備えた「サウス」と、地上29階・地下3階でルーフトップレストラン・オフィス・商業・ビジネス・支援施設機能を備えた「ノース」で構築される。

また、地上31階・地下5階でオフィス・商業・支援施設(医療施設やフィットネスなど)の機能を備えた「複合棟Ⅱ」、地上6階・地下3階で展示場・ホール機能を備えた「文化創造棟」、地上44階・地下2階で約840戸の住宅とインターナショナルスクールなどが入居する「住宅棟」も整備する。

 

【新施設】2月に温泉とグルメの商業施設「豊洲 千客万来」がオープン

2月1日、豊洲市場の場外に「豊洲 千客万来」がオープンする。

温浴棟「東京豊洲 万葉俱楽部」とグルメやショッピングを楽しめる食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」とから成る商業施設だ。

プロデュースは全国に総合温浴施設を展開する万葉倶楽部株式会社。

 

【大阪・関西万博】2025年に駅伝を開催

2025年3月16日(日)に、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の機運醸成を目的として、「大阪・関西万博開催記念 EXPO EKIDEN 2025」(以下:EXPO EKIDEN)を開催することが決定した。

1970年大阪万博の開催地である万博記念公園から2025年の大阪・関西万博会場となる夢洲周辺までの2つの万博会場をつなぐコースを予定している。

一般市民ランナーは募集しない。

▽大会概要
大会名称:大阪・関西万博開催記念 EXPO EKIDEN 2025
主  催:朝日放送グループホールディングス株式会社(大阪市 代表取締役社長 沖中 進)
共  催:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、大阪府、大阪市、吹田市、豊中市、朝日新聞社
主  管:公益財団法人 大阪陸上競技協会
日  時:2025年3月16日(日)〔雨天決行〕※全国ネットで中継予定
コース案:万博記念公園をスタート、大阪府市内を通り、夢洲(大阪・関西万博会場地)周辺をフィニッシュとするコース(詳細は調整中)
参加チーム:実業団・大学各チームから合計20チーム程度 ※調整中

ドリームフーズがFC第一期を募集する「近江ちゃんぽん亭」

飲食店経営のドリームフーズは1月18日から20日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「第4回 FRAX TOKYO」(主催:RX Japan)に「近江ちゃんぽん亭」を出展し、フランチャイズ第一期を募集した。

独自開発の近江ちゃんぽんをより多くの顧客に高品質で提供し、顧客満足度と共感によるブランド認知度の向上を通じて、業界リーダーになることを目標に掲げる。従来、直営店舗による展開を基本としてきたが、ブランドビジョンの達成をスピードアップするため、全国各地のビジネスパートナーと協業し、近江ちゃんぽん亭の出店を早める事業戦略に打って出た。

ライセンスパートナーシップの主な魅力は①近江ちゃんぽんという同店独自のオンリーワン商品、②直営店舗で培われた効率的で無駄のないオペレーション力、③食品会社をバックボーンとする食材供給体制。2023年度第3四半期までには前年比120%と好調な業績。2023年4月からはお笑い芸人ダイアンをアンバサダーに迎えるなど多様なプロモーションも実施しており、SNSでの投稿も大幅に増加するなど、全国的な認知度も高まっている。

AGCのディスプレイ一体型ミラー「Mirroria」(第3回化粧品マーケティングEXPO)

大手ガラスメーカーのAGCは2024年1月17日から19日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「第3回化粧品マーケティングEXPO」にディスプレイ一体型ミラー「Mirroria(ミラリア)」を出展した。

世界トップレベルの「ガラス技術」と「デジタル」の力を融合し、化粧品関連をはじめとした店舗のDX化やCX向上に貢献する。高い反射性を表示視認性を両立しており、鏡の美しさを保ちながら明るく鮮明な映像を表現可能。従来のディスプレイでは実現できない新たな映像体験を提案する。

特徴として①通常のミラーと同様の鏡像品質、②明るい鏡像の背景に重なる視認性の高い表示、③幅広いサイズラインアップといった3点が挙げられる。

ウェブカメラやセンサーなども搭載可能で、鏡面型ARによる情報サービスや、店舗カウンター、化粧室、フィットネススタジオなどでのニーズを想定している。

【レポート】“リアリティ”に触れる「HAKUTEN OPEN STUDIO 2023」

展示会やイベントの企画・デザイン・制作を行う博展は2023年12月13日から16日までの4日間、2020年7月1日にオープンした東京・江東区辰巳の新制作スタジオHAKUTEN T-BASEで、同社の2023年の実績や普段は表にでない実験などを披露する「HAKUTEN OPEN STUDIO 2023」を開催した。その模様をレポートする。

HAKUTEN OPEN STUDIO 2023

 

オープニングセッション

2022年に続き2回目となる今年の展示テーマは“リアリティ”。初日のオープニングセッションには同社でプランナーを務める真崎大輔氏とクリエイティブディレクターを務める中里洋介氏が登壇した。

真崎大輔氏(左)と中里洋介氏(右)

中里氏はリアリティというテーマに対し「コロナ禍ではテクノロジーの進化によって遠くの人とつながることが可能になった。それによってリアルとバーチャルの境目はより少なくなったが、重要なのは自分が現実味を感じられるかどうかだ。僕らは体験を創るのが仕事だが、リアルな空間というより、リアリティのある体験を創るのが大事だと思う」と語った。

真崎氏は「リアルが物理的な現実であるのに対し、リアリティはもっと感覚的で、経験によって生みされるものだ」として、例えバーチャルであってもリアリティのある体験を生み出すことは可能だと話した。

なお、トークセッションのステージは会場中央に位置しており、そこには展示シンボルが設置されていた。キャンプファイヤーのポピュラーな組み方である「井桁型(いげたがた)」を彷彿とさせるシンボルはAIの考えたデザインを基に、博展がブラッシュアップし組み立てたものだ。

 

展示

展示エリアは4つに区切られており、入口の「2023年のポートフォリオ」から反時計回りで「テクノロジーとリアリティ」、「ローカリティとリアリティ」、「サステナビリティとリアリティ」と続いた。

「2023年のポートフォリオ」エリアでひと際目を引いたのが、銀座資生堂パーラー本店のクリスマスショーウィンドウで使用された和傘モチーフだ。リサーチにおいて竹骨と飾り糸に着目し、本来傘の内側にあり使用者にしか見えないそれらをあえて露出。それにより、そこに在る美の探究、新たな美の定義に取り組む資生堂の企業姿勢を表現した。

和傘モチーフ

「テクノロジーとリアリティ」エリアではテクノロジーを用いたさまざまな実験的な試みが紹介されていた。「新触感提示のトライアル」では、下から手を差し込める複数の箱を用意。人が未知の触感に出会った時の反応を検証した。「ステッピング・コミュニケーション」では、演奏を通じモーターと観測者がコミュニケーションを図り、友達になれるかというユニークな試みを行った。ほかにもGoogleカレンダーの予定を音として抽出しハーモニーを生み出すデバイスや、水が物体に落ちた時に生じる周波数の比較検証、テクノロジーを用いた和紙の可能性追求、AIを活用した野菜人間への変身体験などを展示した。

新触感提示のトライアル
ステッピング・コミュニケーション
水が物体に落ちた時に生じる周波数の比較検証

「ローカリティとリアリティ」エリアでは、博展がかえつ有明中・高等学校とともに神輿を作ることで有明・東雲地域に新たな文化を生み出すプロジェクトや、辰巳地域のフィールドワークからアイデンティティを発掘する「辰巳・歩考学会」プロジェクト、東京建物が閉店した新潟三越跡地を拠点に、人と人が出会い前向きに古町を作るためのプロジェクト「み〜つ」などの取組みについて展示した。

かえつ有明中・高等学校と作った神輿
「辰巳・歩考学会」プロジェクト
プロジェクト「み〜つ」

「サステナビリティとリアリティ」エリアで衝撃的だったのが、ロフトワーク MTRL(マテリアル)との共同プロジェクト「くらり座」。まだ素材として活用されていないものにフォーカスするといった内容だが、その第一弾として選ばれたのは何と人毛だ。「ゴミ」や「汚い」といったイメージを持つこの素材を活用すべく、脱色・染色してみたり、樹脂により硬化してみたりとさまざまな手法が試されていた。また、展示会で多用されているシステム部材を創造的な方法で活用することを目指す「オクタ魔改造」コーナーでは、オクタノルムを使った椅子や机などが展示されていた。

人毛を脱色・染色したもの
人毛を樹脂で硬化させたもの
オクタノルムを使った椅子と机

 

イベントを終えて

一通りの展示を回り会場を後にしようとした帰り際、お土産に芋けんぴをいただいた。こちらはイベントで使わなくなったものを配布することでフードロス削減に努めているとのことで、こんなところでも博展のSDGsに対する意識の高さを感じることができた。

芋けんぴをお土産に配ることでフードロスを削減

今回のHAKUTEN OPEN STUDIOの展示は、すでに世の中で事業化されているものもあれば、まだ実験段階で事業化の目途が立っていないものまで多種多様で、非常に好奇心を刺激される内容だった。

時に「えっ!噓でしょ!?」と言いたくなるような突飛な発想が10年、20年、あるいはさらに先の未来ではスタンダードなものになっていることもあるのかもしれない。そんなワクワク感と可能性を感じさせるイベントだったと思う。

JCDのウェルビーイング展、44社40小間規模で初開催

JTBグループで様々なコミュニケーションサービスを提供するJTBコミュニケーションデザイン(JCD)と加工技術研究会は、2024年1月31日から2月2日までの3日間、東京ビッグサイトで「WELL-BEING TECHNOLOGY(略称:ウェルテック)」を初開催する。

同展はひとに寄り添う製品・サービスの総合展示会。「ウェルビーイングにおける環境づくり」にフォーカスし、素材から空間デザイン、センシング技術、ロボティクスなど、幅広い業種の事業開発・製品開発・デザインに携わる方のコラボレーションやコミュニケーションの機会を創出する。

初回は44社・団体、40小間の規模で開催し、視覚・触覚・嗅覚など五感センシングに関する出展製品・サービスを扱う出展者が会場に集結。“みて、さわって、体感”できる展示エリア「ウェルビーイング・ラボ」では、生成AIを駆使したサービスやブレインテックとして知られる脳科学のセンシングデバイス、そして持続的ウェルビーイングをテーマとするハッカソンなどの最新情報が一堂に集まる。

基調講演では大阪大学の関谷毅氏、マツダの久保賢太氏がフレキシブルエレクトロニクスや自動車業界におけるウェルビーイング視点の開発と最新動向について講演。ウェルビーイング研究の第一人者、慶應技術大学大学院の前野隆司氏は、ウェルビーイングを陽に考慮した製品やサービスの設計法について、人々を幸せにする家、地域作り、AI、教育などの具体的なデザイン事例と合わせて講演する。

2月1日は16時より会場内にて業界関係者によるネットワーキングパーティーを実施。業界を牽引する研究者やウェルビーイングな製品・サービス開発に取り組む企業・団体との、新たなビジネスチャンスやコラボレーションの可能性が広がる場として、異業種・異職種間の交流を促進する。

会場ではウェルビーイングな展示会を目指し、商業施設・学校・オフィスの空間づくりをサポートするSEMBA協力のもと、廃材を活用した机や椅子をウェルテックステージや休憩スペースに設置する。

エンタメ系クリエイターの総合イベント「The CREATORS」秋葉原UDXで開催へ

コンテンツ企画・開発を行うトライデントワークスは2024年4月19日と20日の2日間、秋葉原UDX AKIBA_SQUARE 他で、クリエイター向け総合コミュニティイベント「The CREATORS」を開催する。

“クリエイターと企業が繋がれる場”をコンセプトとした総合コミュニティイベントで、700人以上のクリエイターによる懇親会を行うほか、クリエイター向けセミナーやクリエイターコミュニティのブースなど、多彩な企画を実施する。

企業にアピールをしたいイラストレーターのための「イラスト展示会」や、出版社への漫画持ち込みを目指す漫画家向けの「出張編集部」など、クリエイターと企業が繋がるためのコンテンツを用意。また、参加者同士がカジュアルに交流可能な「来場者交流ラウンジ」も設置し、クリエイティブな輪を広げるチャンスを提供する。

MICE関連4団体、スポーツ合同交流を開催へ

日本コンベンション協会(JCMA)は2024年2月14日、日本イベント産業振興協会(JACE)、日本展示会協会、MPI Japan Chapterと共同でスポーツを通じた合同交流会を開催する。

MICE産業4団体の合同交流会は今回が初となる。「HADO ARENA お台場店」で、ARなどの最先端テクノロジー×スポーツの「テクノスポーツ」大会を実施。各団体から3人1組の30チームが出場する。「スポーツ大会」を楽しみながら交流することでネットワーキングを促進し、MICE産業全体の連携を深め、さらなる社会への発信力強化と産業の認知度向上を目指す。

4団体が連携する目的は、MICE関連でより一層の情報共有、協力、交流を促進すること。そして、インバウンドの復活とともに本格的な回復をみせているMICEをさらに盛り上げ、産業全体で社会への発信力を強化すること。

また、若者層がスポーツを通じて楽しみながら、業界の他の企業や団体の同世代と交流できるネットワーキングの場を提供することで、MICEの仕事の魅力や将来の可能性を新たに発見、または再認識する機会を生み出す。