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「第914号 見本市展示会通信」発行しました

展示会やMICEなどに関する最新ニュースを伝えるタブロイド判の業界紙「第914号 見本市展示会通信」を発行しました。

主な記事
・一面のニュース:2024年展示会開催動向 新規より既存展回復に注力、日本展示会協会新会長にイノベントの堀氏を選任 ほか
・沖縄が展示会等の開催支援を強化
・2024年の展示会動向
・2024年の主な新規展示会
・注目の出展製品・サービス

発行について:第914号 2024年(令和6年)1月15日

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【レポート】東京ドームが「enXross AWARD/EXHIBITION」初開催

東京ドームは2023年12月19日にブロックチェーンをテーマにしたビジネスイベント「enXross AWARD/EXHIBITION(エンクロス・アワード/エキシビション)」を東京ドームホテルで初開催した。

同イベントは大学・高専に所属する学生をはじめ、スタートアップ企業に所属する社会人・経営者を中心にアイデアを募集し、国内外の最先端の知識と才能を集結させ、エンターテインメントの未来を切り開くプロジェクトの創出、そして参加者の起業家精神の支援・育成を目的としたもの。

当日はブロックチェーンやWeb3.0といった技術や、それに伴うエンターテインメントの発展に興味を持つ多くのビジネス客が参加しイベントを盛り上げた。なお、イベントの最後には第2回を2024年に開催予定であることも発表された。

オープニング

オープニングでは東京ドーム会長CEOの北原義一氏が主催者を代表して挨拶。「私は独占や過占から幸せな社会は築けないと確信している。今の現代社会は極端な経済格差を生んでおり、Web2.0が独占モノポリーゲームを誘発したと言っても過言ではない。そのアンチテーゼとして生まれたのがWeb3.0ではないだろうか」と語り、これからの時代はWeb3.0に基づいた超民主的な意思決定メカニズムが求められるとした。

また、「その超民主的な意思決定のメカニズムに最もフィットするのが、東京ドームが生業としているエンターテインメントだ。東京ドームシティを一つの経済圏として捉え、クリプトエコノミー(トークンエコノミー)へと変えてみたい」と発言。さらに「私たちは東京ドームシティを訪れる年間4000万人のお客様に笑顔や感動の涙を提供し続けてきたが、これからは地球人口の80億人を対象に東京ドームのあらゆるエンターテインメントサービスを国境を超え提供していきたいと考えている」と語り、それを実現可能にするのがエンターテインメントとWeb3.0の融合によるサービスであると主張した。

特別講演

続いて、デジタルガレージ共同創業者 取締役 Chief Architect / 千葉工業大学 学長の伊藤穣一氏による特別講演が行われた。

伊藤氏は「技術は技術、クリエイティブはクリエイティブと切り離すのではなく、クリエイティブな人が直接技術を使わないと、世の中が技術によってどう変わるのか中々分からない」と前置きした上で、「ブロックチェーンが凄いのは誰が誰に貸したとか、約束したとかを、スマートコントラクトで誰でも見れるものとして書ける点だ。ただ、スマートコントラクトを書くのは意外に難しく、バグのリスクもある。そこでAIが活躍するのだが、最近流行の大規模言語モデルだと嘘をついたり、メモリーが少なかったりとコントロールが難しい。そこで不確実性コンピューティングによる、もう少し構造的なAIを使うと、良いコンビネーションが生まれる」と語った。

また、「今はスマートコントラクトにバグがあっても直せないが、不確実性コンピューティングであれば流れを汲んだリスクマネジメントが可能だ。プログラムによって不安定なものを安定させれば、今の株式のような信用性や透明性のある社会基盤を作れるだろう」と述べた。

さらに、「AIに人間の価値観は理解できないので、人間が良い社会の方向に導くことが重要だ。技術とは自分たちにジェットパックを付けるようなもので、良い方向を向いていればますます加速する。ビジネスモデルによっては短期的かつ競争的な面を後押ししてしまうシステムもできてしまいかねないので、かつて日本に根付いていた“”わび” “さび”のような文化を世界に根付かせていくことが求められる」と主張した。

enXross AWARD

当日はメインステージでビジネスアイデアコンテストの最終プレゼンテーションが行われ、ファイナリスト6組が登壇した。8分間の持ち時間と4分間の質疑応答による12分という限られた時間の中で、それぞれが創意工夫を凝らしたプレゼンを行った。その一部を紹介する。

最優秀賞(賞金500万円)/ INFORICH賞 / WORK STYLING賞
【待ち時間が価値になるweb3時代の整理券 「machiwabi(マチワビ)」】
MeTown  田中一弘氏

大規模イベントでの待ち時間を価値に変える整理券システム。イベント申し込み後にNFT化された整理券を手に入れ、当日まで限定ファンコミュニティで「マチワビトークン」を獲得できるクエストに参加できる。当日は待ち時間中にもトークンが蓄積し、クイズなどで退屈も解消する。帰り道で電車を待つ間、それまに貯めたトークンでNFTのデジタル記念品をゲットするといった仕組み。ファン同士の交流の場に加え、ランキング戦も実装したいと語った。

優秀賞(賞金300万円)
【OraCulus – ELEVATING PHYSICAL EXPERIENCE THROUGH DIGITAL INNOVATION -】
NFT GO  Dan Zajac氏

東京ドームのユーザー体験向上させることを目的とした、軽量なオンチェーン報酬プログラムとNFTエクスペリエンスマーケットプレイスの導入を提案。東京ドームに来た人がイベントや商業施設の利用などを通じて東京ドームコイン($DOME)を獲得。$DOMEはVIP体験やチケットの早期アクセス、家族予約の割引、または東京ドームのマスコットNFTのアップグレードに使用でき、家族やグループ、スポーツやアートイベントのファンなど多様な層をターゲットにしている。これにより再訪問のきっかけを提供する。

東京ドーム特別賞
【Passport Protocol】
0xPass  Santhoshkrishnachaitanya Chelikavada氏

Passport Protocolは分散型のマルチパーティ計算(MPC)に基づくキー管理ネットワーク。従来のMPC方式と異なり、キーシェアをネットワークのノード間でのみ分割するため、ユーザーはシードフレーズやリカバリーシェアの扱いについて心配する必要がなく、開発者は認証やリカバリールールを自由に設定できる。東京ドームはPassportを利用し、ウォレットの取り扱いが不慣れな顧客や来場者のためにウォレットを提供し、ブロックチェーンアプリケーションとのシームレスな経験を提供することで顧客維持を促進できる。

enXross EXHIBITION

AWARDや行われているステージ後方では、パートナーや出展企業による展示が行われた。

ソフトバンクは法人向けメタバースサービス「ZEPETO(ゼペット)」を出展。「ワールド」と呼ばれるメタバース空間でユーザ同士の交流ができたり、アバターのカスタマイズ、写真や動画投稿等ができるSNSとなっており、若年層が多く交流するプラットフォーム上で、自社の世界観のワールドやアイテムに触れてもらうことで認知拡大やブランドのエンゲージメント拡大に繋げることができる。ZEPETO内でキャンペーンやイベントを実施することも可能なため、集客マーケティングにも活用されている。

パナソニックグループは様々なタッチポイント上で上質な体験価値の創出をサポートする「次世代観光体験空間創出・観光DXソリューション」を出展。照明・映像・音声で空間の魅力を演出する「YOI-en」や、アバターによるAI対話とオペレーターによるリモート対話のハイブリッドサービスで接客・受付業務の改善や施設のインバウンド対応をサポートする「TAZUNE」、チケッティングシステムと連動した「顔認証入場」などを紹介した。

竹中工務店はデジタルツインによる複合災害シミュレーション「maXim(マキシム)」を展示。建物のBIMデータを活用し、各災害事象の解析結果を3次元モデル内に時間経過に沿って統合化。それをドーム型スクリーンやVRゴーグル等のVRデバイスで可視化するもの。ブースでは工学的検証による浸水シミュレーションをパソコンモニターに表示した。

Blue Labとみずほ銀行はVTuberをAI化することで、ファンがいつでも推し活を実現できるサービス「Fab Star(ファブスター)」を展示。推しのVTuber AIとの日常的な会話を通じつながりを深め、VTuberの魅力をより多角的に体験できる「リアルタイム推し活」、推しVTuber AIが持つ知識や趣味を反映したオススメ情報に合わせて知識や体験を共有し、VTuberを身近に感じられる「推しの知識に基づくオススメ情報提供」などを備えている。テナントでサービスを活用することで、利用者が来たくなる店舗づくりをサポートする。

「体験」テーマにアシストスーツのイベント開催 アシストスーツ EXPO in NAGOYA 2024

アシストスーツ協会は、2月8日から9日の2日間、「アシストスーツ EXPO in NAGOYA 2024」を愛知・Terminal 964 Studio & Gallery Nagoya Sakaeで開催する。協会に加盟する企業によるアシストスーツを比較・体験できるイベントだ。
同協会は建築や施工作業で身体にかかる負荷を軽減するアシストスーツ製品の認知度向上と周知を目的に設立。2023年1月に東京、同年9月に大阪で「アシストスーツサミット」の実施や、各地方での出張体験会を展開し、各メーカーとユーザーによるマッチングの場を提供してきた。
ユーザーからの「アシストスーツを直接体験できるイベントを開催してほしい」という声を受け、体験に特化した展示会の初開催に踏み切る。開催地はアシストスーツの利用者が多いことから愛知・名古屋を選んだ。
出展企業は協会加盟のアルケリス、イノフィス、加地、ダイドー、日本シグマックス、ダイヤ工業、倉敷紡績、菊池製作所、Asahichoの9社。

■アシストスーツ EXPO in NAGOYA 2024
会  期:2月8日(木)11:00~17:00
2月9日(金)10:00~17:00
会  場:Terminal 964 Studio & Gallery Nagoya Sakae
入場条件:事前申込み不要/入退出自由、参加費無料
主  催:アシストスーツ協会

「TKP新横浜カンファレンスセンター」2024年3月1日オープン

ティーケーピーは、2024年3月1日に「TKP新横浜カンファレンスセンター」をオープンする。

新横浜駅近接の「相鉄新横浜ビル」(富士火災横浜ビル)5階に位置し、総契約面積は798㎡で全5室のホール・会議室を備える。TKPグループが運営する新横浜エリアの施設では最大規模となる。

JR東海道新幹線やJR横浜線、横浜市営地下鉄ブルーラインなど全5路線が乗り入れる新横浜駅から徒歩1分の利便性に優れたロケーション。新横浜エリアは、東海道新幹線による日本各地にダイレクトアクセスできる利便性から企業集積が進んでいるほか、横浜アリーナや日産スタジアム、ホテルなどの大型施設が集まる。

同社は2023年の相鉄・東急新横浜線の開業や2030年度開業目標の横浜市営地下鉄ブルーライン延伸計画による交通アクセスの向上によって、オフィス街としてのさらなる発展が予想され、貸会議室需要も今まで以上に高まると見込む。

フロア 会議室名 面積
5階 ホール5A 227㎡
ホール5B 228㎡
カンファレンスルーム5C 133㎡
カンファレンスルーム5D 72㎡
カンファレンスルーム5E 43㎡

ドワンゴ、サブカルコンテンツ制作サービスの提供を開始

ドワンゴは2024年1月9日、サブカルチャーを軸としたコンテンツ(動画・生放送・イベントなど)の企画から制作までワンストップで行い、クライアント企業のマーケティング課題の解決につなげるサービス「Subculture Contents Studio」を開始した。

同社が「ニコニコ」のWebプラットフォーム事業や「ニコニコ超会議」などのイベント事業を通じ、サブカルコンテンツ制作を行ってきたノウハウとクリエイターとのネットワークを活用し、クライアント企業が抱える課題の解決に向けて動画・生放送・イベントなどのコンテンツを企画から制作までワンストップで行う。

制作可能コンテンツはWebCM、生放送・収録番組、楽曲・PV、音声広告素材、イベント(リアル/オンライン)、イラスト、LP/特設サイト、振付など。対象ジャンルはボーカロイド、ゲーム、声優・アーティスト、踊ってみた、コスプレ、VTuberなどとなっている。

制作したコンテンツは、ニコニコのサービス内に限らず、Web CM・ネット番組・イベントなどあらゆるプラットフォームで自由に活用することができる。

コングレが大阪で新たに2つの「コングレスクエア」を開設

コングレは大阪に新たに開設する2つのMICE施設の名称を決定した。

同社はこれまで「ハイクラスな空間と+αのサービスの提供」というコンセプトのもと、東京にMICE施設「コングレスクエア日本橋」「コングレスクエア羽田」を展開してきた。そしてこの度、大阪に2024年春頃「コングレスクエア大阪中之島」を、2025年春頃「コングレスクエア グラングリーン大阪」を開設する運びとなった。

「コングレスクエア大阪中之島」は医療機関と企業、スタートアップ、支援機関等が一つ屋根の下に集積することを特徴とする全国初の未来医療国際拠点「Nakanoshima Qross(中之島クロス)」(運営:未来医療推進機構)の1階に位置し、320㎡のメインホールと150㎡、100㎡のカンファレンスルームを有する。16~26㎡の会議室も5室備えており、未来医療共有の場としてはもちろん、国際会議、ワークショップ、配信イベント、懇親会等、あらゆるシーンに対応する。

「コングレスクエア グラングリーン大阪」は2024年9月に先行まちびらき予定のうめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」に2025年春頃開業予定。南街区パークタワー4階に位置し、約750㎡の大ホール、約450㎡の小ホール、大小12の会議室等を有する。リラックスしたミーティングから、イノベーティブなイベント、人と知が集う国際会議等、うめきた公園や周辺施設と協力・連携しながら、より豊かな「つながり」を育む場所となることを目指す。

同社は今年10周年を迎えた「グランフロント大阪」の「ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター」に加え、「コングレスクエア大阪中之島」、「コングレスクエア グラングリーン大阪」と3つのMICE施設を運営する強みを生かし、今後さらに周辺地域と連携した催事の誘致や企画等に積極的に取り組み、大阪を起点とした情報発信や国際集客・交流の促進を図っていく。

 

[インタビュー]展示会の多様な側面を理解する – シーマ・石丸 隆 氏

本記事は2023年12月15日発行の『見本市展示会通信』912号で掲載した内容の一部をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

 

 出展者や来場者、サービスプロバイダーという異なる視点から展示会を見ることは、展示会の全体像をより深く理解するのに役立つ。それぞれの視点から豊富な経験をもつシーマ・常務取締役の石丸隆氏に話を聞き、展示会出展の成功要因を探る。

●出展者として
――出展者として展示会をどのように活用していますか
 年に5回程度、定期的に出展しており、直近では「第4回大阪・関西万博開催支援EXPO」に出展しました。IP/ITプラットフォーム「KAIROS(ケイロス)」を展示し、使い方や機能の提案を行いました。またLEDディスプレイの展開にも注力しており、毎回の出展では主力製品のアピールの場として活用しています。
 展示会の魅力は、普段の営業活動の中では出会うことが難しい来場者と直接コンタクトが取れること。コロナ禍を経てさらに、Face to Faceである展示会の必要性が再認識されたと考えています。
 また、映像機材を扱う当社としては、来場者に実機やデモを見てもらえるのは意味があり、カタログ以上の情報を知れる場として貴重だと考えています。展示会場で交換する名刺は、非常に価値の高い情報ですが、私たちは名刺交換を目的とするだけでなく、出展後も継続的なコミュニケーションを取るように心がけています。

●映像のプロとして
――映像機材を使った展示でユニークな事例を教えてください
 展示会ではありませんが、以前、京都府宮津市にある元伊勢籠神社で開催された京都府域展開アートプロジェクト「もうひとつの京都 ALTERNATIVE KYOTO」で、インタラクティブインスタレーション作品「CONTROL NO CONTROL」の展示をサポートしました。神社仏閣のそばに一辺4mの立方体LEDキューブを設置するという、非日常的な空間のアート作品です。
――相当大きなサイズです
 動画などをディスプレイの1ドットごとに対応させて表示することを“ドットバイドット”といいますが、アーティスト側からは拡大したり圧縮したりせず、1ドットを解像度ぴったりに合わせることを求められました。そうでないと、アーティストが本来表現したいものが再現できず、作品として完成しないからです。LEDのサイズ感は、現場設置環境と表示解像度を妥協しない組合せによって生まれた結果です。


▲京都府宮津市・天橋立(元伊勢籠神社)で開催されたアートプロジェクト「ALTERNATIVE KYOTO 2022 」でシーマがサポートした作品「CONTROL NO CONTROL」には3.9mmピッチ屋外用LEDディスプレイが使われた。LEDディスプレイの上部にセンサーが設置され、画面に手を近づけることでインタラクティブなコンテンツが体験できる。

――技術や製品の進化についての考えをお聞かせください
 機材の目まぐるしい進化の中で、特筆すべきは軽量化とコンパクト化。軽く小さくなることで、運搬したり設置したりする我々の作業負担が軽減することはもちろんですが、設置できる場所や使い方が増えることで演出の自由度も上がったといえます。例えば、LEDディスプレイは、以前より天井から吊ることも、床に設置することもできましたが、今ではより薄くなり、曲げることもできます。機材そのものの高性能化は今後も進んでいくので、コンテンツの最適な組合せと多様化が期待できます。
 また、その進化に伴って機材オペレーターの一人の対応領域が広がっています。従来は二人必要だった演出が、自動化やプログラムによって一人で実現できるようになったことは、省力化という観点でみると大きな恩恵です。その一方で、オペレーターに求められるスキルは高まっています。機材を使いこなせることも重要ですが、加えてコンテンツデータの扱い方にも配慮が必要になっています。このように、オペレーターの負担が増えている側面もありますし、今はオペレーター不足も喫緊の課題です。我々としてはそれらの課題解決に向けた実現性のある製品を積極的に導入したいと考えています。
――展示会でも映像機材は多く使われています
 来場者に映像を届けるサポートを行う立場として最近思うことは、機材のハイスペック化が展示ブースの意匠を潰していないかということ。昔の映像機材は映像が暗かったり、画面が小さいなどの課題がありましたが、現在はそのようなことはありません。今は逆に明る過ぎることで、来場者を疲れさせたり、本来見せたいはずの出展品が目立ちづらくなるのではないかと懸念しています。実際の現場では、機材スペックの半分の明るさで調整することさえあります。映像は視覚効果なので、押しつけがましさを感じるくらいに表現することもできますが、ブース全体のバランスに配慮して調整できるスキルや判断は必要になってくると考えています。
 私自身が来場者として展示会に行ったときにも感じますが、数分程度の映像を見て「綺麗!だけど疲れた、目が痛かった」と来場者に思わせてしまっては、せっかくの訴求映像も台無しになります。

●来場者として
――バイヤーの立場で海外の展示会にも足を運んでいるようですね
 映像業界の代表的な海外展に「Integrated Systems Europe(ISE)」や「InfoComm(インフォコム)」があります。2024年、日本映像機材レンタル協会(JVRA)という業界団体が主催する視察ツアーに私も同行します。情報収集のみならず、現地で商談や機材購入を行うこともあるため、重要な機会であると位置付けています。
 海外の展示ブース空間には来場者を満足させるホスピタリティの工夫が見受けられます。ゆっくりと商談できるスペースも日本より重要視されています。展示会のブース内で、最終的な受注決裁が行われているのではないでしょうか。
――製品選定のポイントは何でしょうか
 機能面や性能面はもちろんですが、我々の業務にとっては機動性や機材設置のしやすさが大きなポイントです。性能は優れているし、映像は美しいが、非常に重量のある製品は検討しづらい。さらに現実的な問題として、我々は機材のシステム管理やオペレーションなどはバックヤードで行いますが、そのスペースは限られています。そのため、機材設置面での省スペース化につながる製品は選びやすいです。基本的には、機材の軽量・コンパクトという特徴はプラス要素でしかありません。
 さらに付け加えるなら「映像技術の未来」を感じられる製品に対しては心が躍ります。日々、新製品のテクノロジーには驚かされますし、今後も止まることなく進化を続ける分野だと期待しています。

●シーマとして
――シーマや業界の今後の展望をお願いします

 近年、コロナ禍による業界全体の困難を経験しましたが、当社はこれを機に時代の流れに沿って、新しいフェーズへの移行を進めています。MICE関連事業の映像分野における機器レンタルやシステム運用、オペレーション、常設設備の機器提案、設計、施工、保守、販売、さらにコンテンツ制作やシステムプログラム事業と幅広く展開する中で、機材の価格高騰や人件費の上昇、人材不足、働き方の見直しなど、乗り越えるべき課題も多く存在しています。
 しかしながら、映像機材に関連する業界は今後も成長を続けるものと認識しています。これまでの歴史を振り返ってみても衰退期はなかったのではないでしょうか。大型映像はますます多様性を増しており、国内外の通信環境の整備とともに、IP化の潮流が映像業界に新たな可能性をもたらしてくれます。2025年の大阪・関西万博に向けて、大阪に本社を置く当社としましても、しっかりと向き合い取り組んでいきます。今後も「人を育てて、学び、成長する」をスローガンに事業拡大に邁進します。

東京ドームシティ内新劇場「IMM THEATER」オープン こけら落とし主演は明石家さんま

東京ドームシティ内の新劇場「IMM THEATER(アイエムエムシアター)」が2024年1月10日にオープンする。こけら落とし公演はシアターの名付け親でもあるタレント・明石家さんまが主演の「斑鳩の王子(いかるがのみこ)ー戯史 聖徳太子伝ー」。

IMM THEATERは東京ドームと吉本興業ホールディングスが共同で建設し、2022年12月12日に着工、2023年11月に竣工した。705席の座席数を有しており、運営は吉本興業ホールディングスのグループ会社であるLIVE FORWARDが行っている。

2023年2月28日に行われた記者発表会の場で明石家さんまがDM(Don’t Manager=マネージャーではないが舵取りを行う存在)に就任すると発表され、座右の銘である「生きてるだけで丸もうけ」からIMMという名称が付けられた。

今回、明石家さんまがIMM THEATERに込めた思いを表現し、IMMを「愛」「笑」「夢」の3種の漢字でビジュアル化した新たなロゴを作成し、劇場正面入口にモニュメントとして掲示。「愛笑夢笑夢(あいえむえむ)」は今後、「IMM THEATER FANCLUB」名としても使用される。ロゴと同様、奈良・薬師寺の安田暎胤(やすだ・えいいん)長老が揮毫した書に、ジミー大西の絵を融合させた。

開業を記念し、こけら落とし公演期間中には明石家さんまDMの期間限定フォトスポットを東京ドームシティ内に設置する。

【能登半島地震】石川県産業展示館に支援物資集まる

令和6年能登半島地震をうけ、各社による石川県への支援物資の提供が実施されている。

ファミリーマートは、おむすび、パン、水、簡易トイレといった支援物資を提供。

セブン&アイ・ホールディングスは天然水・セブンプレミアム 醤油ヌードル・カレーヌードル・シーフードヌードルといった支援物資を提供。

届け先は石川県産業展示館などとなっている。

県では企業・団体からのまとまった規模の義援物資の提供を受け付けている。

ただし現地への直接の搬入は、交通渋滞等により救命活動等の妨げとなる場合があるため、まずは石川県厚生政策課への連絡を呼び掛けている。

https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kisya/r6/documents/0105_1630_kouseiseisaku.pdf

「第913号 見本市展示会通信」発行しました


 

 

展示会やMICEなどに関する最新ニュースを伝えるタブロイド判の業界紙「第913号 見本市展示会通信」を発行しました。

主な記事
・〈座談会〉「持続可能」を目指す社会にイベントはどう寄り添うか
 /サステナブルイベント協議会
・年頭所感
・〈連載〉「米国流の展示会ビジネス実践法⑩」管埜寛之氏
・〈分析〉2024 年の見本市展示会開催状況

発行について:第913号 2024年(令和6年)1月1日

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