引き続き、10月4日から6日にタイで開催されたアジア最大級のMICE展示商談会IT&CM Asiaのレポートをお送りします。(バンコク大洪水の前の週のできごとです)
初日の午後に行なわれた基調講演では、シンガポールに本拠を置くアジア最大の不動産会社キャピタルランド社で筆頭執行役員(CCO)を務めるジェニー・チュア氏が登壇。MICE業界やホスピタリティ産業で多くの実績を残している同氏が「非常時や危機的状況の中でのリーダーシップ」と題して講演しました。
この方は不動産関係の会社社長と歴任しただけでなく、MICE・法人旅行業界でも有名な方で、シンガポール政府観光局の諮問委員を務めたり、ナショナル・デイ・アワードを3回受賞、観光産業貢献賞など数多くの受賞歴をもつ方です。
ジェニーさんが壇上に登っただけで盛大な拍手。輝かしい経歴への賞賛!、だけではなかったようです。「わたしのこと見えてますか!演台がしゃべってるわけじゃないですよ」という低い身長を活かした挨拶にはじまり、ユーモアとサービス精神にあふれる彼女のスピーチは、30分間の時間があっという間に感じられました。もちろん内容も濃かったですよ(英語なので半分ぐらいは聞き逃していますが)
実は彼女は東日本大震災の際にトランジットで成田空港にいたそうです。そんなご自身の体験などを語り、グローバル企業のリーダーにとって、世界のあちこちで発生している非常事態とは無関係ではいられない。つねに非常事態へ対処法を準備しておかなければならない、と語っていました。
また、SNSなどコミュニケーションツールの重要性とそのリスクマネージメントについて解説。初期のベビーブーマーの自身にとってもITの活用は不可欠なものと、その重要性を語ると同時に、SNSのダークサイドである、ネット犯罪の驚異についても触れました。
観光・MICE産業は危機に強い産業ですので、復興へのけん引役となるべきと、ご自身の考えを述べていました。
パネルディスカッションではグローバル・トラベル・ビジネス・アソシエーション(GBTA)のポール・ティルストーン氏がモデレーターを務め、シマンテック社のコーポレートトラベル担当のクレア・ブレード氏、インパクト展示場のポール・カンジャナパス氏がそれぞれの立場から、非常時への対応について語り合いました。
ネイティブスピーカーのティルストーン氏とブレード氏はもちろん、カンジャナパス氏も英国のヨーロピアンビジネススクールで学士となった方。英語が流ちょうすぎて、、、ほとんどメモとれませんでしたよ。
オープニングセレモニーにはタイ政府からインラック・シナワトラ首相の事務次長を務めるスラチャイ・ペットプラサート氏も駆けつけ、官民一致のMICEサポート体制をアピールした。
さて、このペースではいつ最終回になるのやら。
次回は出展者のプレス・ブリーフィングや、セミナーについてレポートします。(11/1)
3. パネルディスカッションのもよう GBTAのポール・ティルストーン氏(左)インパクト展示場のポール・カンジャナパス氏(中央)、シマンテック社のクレア・ブレード氏(右)
4. 次回から使用される新ロゴと、TCEBアカポル・ソラスチャート氏(左)、タイ航空ブディヒサーン・バラバーン氏(中央)、TTG アジアメディア社ダレン・ウン氏(右)