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Medtec Japan 2023、AI・VR・ウェアラブルなど3エリアを新設し開催 

インフォーマ マーケッツ ジャパンは2023年4月19日から21日までの3日間、東京ビッグサイト東2・3ホールで医療機器展「Medtec Japan」を開催する。

今回で14回目を迎える同展には、医療機器の設計・製造に関わる医療機器業界のサプライヤーと国内外の医療機器メーカーの開発・研究関係者が出展。医療分野への参入を計画している企業・団体に情報収集・商談の機会を提供する。今回は「AI・VR・ウェアラブル」、「医工デザイン」、「受託製造・受託開発」の3エリアを新設しての展開となる。

コロナ禍で開催された昨年は292社・団体が出展、業界関係者を中心に1万1000人以上が来場した。今年は昨年を上回る規模での開催を見込む。医療用エレクトロニクス技術、介護ロボット、医療ICTなど国の成長戦略の1つとして次世代ヘルスケアへの期待が高まっており、今回から経済産業省の後援も決定した。

主なプログラムとしては国内外医療機器規制、医療DX、医療機器業界でのビジネスチャンスなど最新情報が学べる各種セミナーに加え、「Medtecイノベーション大賞」の発表などを予定している。

同時開催は「医療用エレクトロニクス展」、「医療 ICT・在宅医療展」、「メディカルシティ・災害医療・防災安全展」、「検査キット 完成品&開発展」の4つ。

【政府】春に新型コロナを五類感染症へ見直しの方針

岸田文雄首相は23日、通常国会にてその年の内閣全体の基本方針を示す「施政方針演説」を行い、その中で原則この春に新型コロナを「新型インフルエンザ等」から外し、五類感染症とする方向で議論を進めると発表した。

また、これに伴う医療体制、公費支援など様々な政策・措置の対応について段階的な移行の検討・調整を進めると述べた。

マスクの着用についても五類感染症への見直しと併せて考え方を整理していき、まずは今一度「原則、外ではマスク不要」といった現在の取扱いについて、周知徹底を図るとした。

なお、20日の会見で岸田首相は具体的な日にちについて、「現場の準備等にも関わる話ですので、調整を引き続き行ってできるだけ早いタイミングで、日にちについても確認したいと思っています。これから来週に向けて感染症部会も開催されます。その中で確認していきたい」と述べている。

「日経メッセ」2023年は1016社が出展 家具見本市も初開催

日本経済新聞社は、これからの日本の街づくり・店づくりを支える様々な製品やサービス、ソリューションが集まる「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」を2023年2月28日から3月3日までの4日間、東京ビッグサイト東・西展示棟で開催する(フランチャイズ・ショーは3月1日からの3日間)。

同展は「JAPAN SHOP」、「建築・建材展」、「ライティング・フェア」、「IFFT 東京国際家具見本市」、「リテールテック JAPAN」、「SECURITY SHOW」、「フランチャイズ・ショー」の7展で構成される。このうち「IFFT 東京国際家具見本市」は日経メッセでの開催は初。また、オンライン展示会「日経メッセ Online」を2月14日から3月10日までの期間、同時開催する。

日経メッセは1972 年の初開催から数えて50年以上の歴史を持つ、日本有数の産業展示会。今回の全体開催規模は1016社・団体、2815小間(2023年1月20日現在)となっており、小売・流通・建築・デザイン・情報・通信・飲食店関係者などのビジネスユーザーへ向け、ニューノーマル時代の街づくり・店づくりに不可欠となる新たな顧客体験を創出する流通DX から、空間デザイン、家具・インテリア、照明、建材、セキュリティ、フランチャイズ加盟募集まで、課題解決につながる最新の技術や製
品、サービス、システムの情報を提供する。

一昨年より開催し、好評の「日経メッセ Online」では、時間や場所を問わないオンライン上でのビジネス・コミュニケーションの場を提供し、ニューノーマル時代の新しい情報交流とビジネスチャンスの拡大を促進する。

国内最大級のホテル・レストラン展「HCJ 2023」708社1885小間規模で開催へ

日本能率協会(JMA)は、ホテルやレストランなどホスピタリティとフードサービス業界における国内最大級の商談専門展示会「HCJ 2023」を2月7日から10日までの4日間、東京ビッグサイト東展示棟で開催する。

長引くコロナ禍を乗り越え、観光需要の本格的な回復が期待される2023 年は観光産業にとっては再スタートの年となる。また、水際対策緩和により多くの訪日外国人観光客が再び訪れることが想定されている。日本が観光立国を実現するために、コロナ禍で加速した人手不足の解決、2030年までに達成すべきSDGsへの対応、政府が促進する富裕層旅行者の誘致に向けて観光サービスの高付加価値化などに取り組んでいく必要がある。

HCJ 2023は、日本の観光産業が進化していくための情報発信、ビジネスマッチングの創出を目的に開催。「第51回 国際ホテル・レストラン・ショー」「第44回 フード・ケータリングショー」「第23回 厨房設備機器展」から構成され、708社、1885小間が出展予定となっている。

今回、各種テクノロジ―による顧客体験価値向上と生産性向上をサービス業界に向けて提案する「サービス業×テクノロジーEXPO」、空前のブームを迎えているサウナ文化を牽引する製品を多数展示する「テルマエJAPAN」など、多様な企画を実施。また、各業界の第一人者による講演会やセミナー、サステナブル食材をテーマに、ライブキッチンステージで調理したメニューの試食・試飲などを展開する。

今週の展示会スケジュール(1/23~1/29)

1/23~1/29 開催の展示会

▽東京

1月24日(火)~25日(水)
東京都産業貿易センター台東館
第8回 サイクルパーツ合同展示会
https://www.cycleparts-jex.com/

1月25日(水)~27日(金)
東京ビッグサイト
第15回 オートモーティブ ワールド -クルマの先端技術展-
・第15回[国際]カーエレクトロニクス技術展 (カーエレ JAPAN)
・第14回 EV・HV・FCV技術展(EV JAPAN)
・第13回 クルマの軽量化 技術展
・第11回 コネクティッド・カー EXPO
・第9回 自動車部品&加工 EXPO (通称:カーメカ JAPAN)
・第6回 自動運転 EXPO
・第3回 MaaS EXPO -統合型モビリティサービス [開発]・[活用] 展-
https://www.automotiveworld.jp/tokyo/ja-jp.html

1月25日(水)~27日(金)
東京ビッグサイト
第37回 ネプコン ジャパン -エレクトロニクス 開発・実装展-
・第37回 インターネプコン ジャパン -エレクトロニクス 製造・実装展-
・第37回 エレクトロテスト ジャパン -エレクトロニクス検査・試験・測定展-
・第24回 半導体・センサ パッケージング展 (通称:ISP)
・第24回 電子部品・材料 EXPO
・第24回 プリント配線板 EXPO (通称:PWB)
・第13回 微細加工 EXPO
https://www.nepconjapan.jp/tokyo/ja-jp.html

1月25日(水)~27日(金)
東京ビッグサイト
第9回 ウェアラブル EXPO -ウェアラブル [開発]・[活用] 展-
https://www.wearable-expo.jp/ja-jp.html

1月25日(水)~27日(金)
東京ビッグサイト
第2回 スマート物流 EXPO
https://www.smart-logistic.jp/tokyo/ja-jp.html

1月25日(水)~27日(金)
東京ビッグサイト
FACTORY INNOVATION Week 2023
・第7回 ロボデックス -ロボット [開発]・[活用] 展-
・第7回 スマート工場 EXPO -IoT/AI/FAによる製造革新 展-
・第1回 グリーンファクトリー EXPO
https://www.fiweek.jp/tokyo/ja-jp.html

▽神奈川

1月25日(水)~27日(金)
パシフィコ横浜
SC BUSINESS FAIR 2023
https://www.scbizfair.com/

▽大阪

1月24日(火)~25日(水)
OMMホール
チャイルドケア
https://www.tvoe.co.jp/cc/

1月25日(水)~26日(木)
インテックス大阪
FOOD STYLE Kansai 2023
https://foodstyle.jp/kansai/

1月25日(水)~26日(木)
インテックス大阪
ラーメン産業展 in Kansai
https://ramenexpo.jp/

2023年の展示会情報誌「見本市展示会総合ハンドブック2023」発売

「見本市展示会総合ハンドブック2023」表紙

展示会とMICEの専門出版社であるピーオーピーは、2023年の展示会情報をまとめた「見本市展示会総合ハンドブック2023」の販売を開始した。

同誌は2023年に開催を予定している国内展示会約850件を、北は北海道から南は沖縄まで収録。展示会は生産財19業種、消費財22業種に分類されており*、「4月」「10月」といった会期や「東京」「大阪」のような」開催都市に加え、50音順で展示会を探すことも可能。

展示会の情報は会期オンライン会期会場出展物出展料金募集小間数予定出展者数来場者数主催者企画前回実績(小間数・出展者数・来場者数)などを収録している。

そのほか付録として「海外展示会約1,500件」の会期・会場や、国際会議や就活などを会場ごとにまとめた「イベント情報」、東京ビッグサイトや幕張メッセやインテックス大阪など全国の「主要MICE会場スペック」、施工やディスプレイなど「展示会サポート企業一覧」も収録。1冊で展示会でのマーケティングに必要なあらゆる情報が得られる仕様となっている。

価格は税込9,900円。サイズはA4判で本文は約400ページ。現在キャンペーンを実施中で、2023年1月31日までの購入で送料385円が無料となる。公式ホームページのほかAmazonでも購入が可能。

 

*展示会の業種分類
<生産財>
工業全般・異業種交流、金属加工・工作、印刷・コンバーティング、食品加工・包装・物流、縫製・クリーニング、プラスチック・セラミック加工、機械要素・部品・工業素材、製造・設計・制御、自動車整備・部品、化学・製薬・バイオ、計測・分析・科学・検査、磁気・光学・画像処理、エレクトロニクス・電子部品、通信・放送・映像、総務・経理・人事、IT・AI、環境・エネルギー、海洋・航空・交通、建設・土木、農水産・畜産
<生産財>
住宅・建築設備・建材、不動産・金融・投資、流通・店舗・商材、ホテル・レストラン・厨房、食品・飲料、マーケティング・イベントツール、病院・医療、介護・福祉、美容・健康、安全・防災、家具・インテリア、ギフト・生活雑貨、DIY・ペット・ホビー、教育・文具、玩具・アニメ・ゲーム、スポーツ・レジャー、自動車・二輪車、ファッション・革製品、眼鏡・宝飾品・カメラ、花き・園芸・エクステリア、観光・物産、陶芸器・工芸品

「スーパーマーケット・トレードショー2023」2046社3271小間で開催へ

全国スーパーマーケット協会は2023年2月15日から17日までの3日間、千葉・幕張メッセ全館でスーパーマーケットを中心とする食品流通業界に最新情報を発信する商談展示会「第57回スーパーマーケット・トレードショー2023(SMTS2023)」を開催する。

主催者企画「食のトレンドゾーン」では、今注目のカテゴリー「冷凍×食」ゾーンを新設。58 社・団体134小間の冷凍関連事業者が出展するほか、同ゾーンに設置する主催者企画展示では「『冷凍×食』ライブステージ」、「全国スーパー冷凍PB 試食体験」、「『冷凍×新商品』ピックアップ展示」などさまざまな体験提供と情報発信を行う。さらに「冷凍×食」ゾーンのアンバサダーとして、“冷凍王子”の愛称で各メディアにて活躍中の西川剛史氏を起用する。

「SMTS・DTS オンラインセミナー」では、同協会会長の横山清氏による「SMTS スピークス」のほか、30 名以上の講師によるセミナーをオンラインで聴講可能。その他、継続企画として「てづくりNIPPON」「ビジネスマッチング@SMTS2023」「ジェトロ視察型オンライン商談会 in 『SMTS2023』」等を実施する。

SMTS2023は出展者数2,046社・団体、3,271小間(2023年1月15日現在)規模での開催。全国各地から自治体や地方金融機関等の取りまとめにより、1,400 社以上の地域産品メーカーが出展する。海外からも16カ国から95社・団体、104小間が参加する。

【JNTOデータ】12月の訪日外客数は137万人 前月比の約 1.5 倍

日本政府観光局(JNTO)は1月18日、12月の訪日外客数などを発表した。

<発表の要点>

●10月より⽇本政府が個人旅⾏の受⼊れや査証免除措置の再開等を実施したことを受け、12月の訪⽇外客数は1,370,000人と、前月934,500人から約 1.5 倍となった

●東アジア地域においては韓国からの訪⽇外客数が前月から大幅に増加したこと、その他の地域においてもタイや米国等からの訪⽇外客数が回復基調にあることが今月の訪⽇外客数の押し上げ要因

●2022 年の年間訪⽇外客数は、3,831,900人。6 月10 ⽇より観光目的の⼊国受⼊れ再開や段階的な水際措置の緩和がなされ、10 月以降顕著な回復傾向が⾒られたが2019 年比では10%程度となっている

中国については帰国時の入国制限※の継続等があり、訪日外客数は33,500人(対2019年同月比4.7%)となっている。

※日本政府は2022年12月30日以降、日本への入国については陰性証明書の取得、入国時検査を求めることとした。

※自国民の日本からの入国については、2023年1月7日までは陰性証明書の取得及び原則として5日間の施設での隔離、3日間の自宅での健康観察、複数回のPCR検査等が求められていたが、1月8日以降は、陰性証明書の取得のみが求められる。

天津~成田の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にある。なお、2023年1月以降、中国側の航空便の運航規制※1は撤廃されたが、2023年12月以降、日本側の航空便の運航規制※2が実施されている。

※1航空便数について、1航空会社1か国、1路線、1週、1便に限定する「5つの1政策」を実施。

※2中国と日本の間の直行便については、到着空港を成田、羽田、関西、中部の4空港に限定し、増便を行わないよう関係する航空会社に対して要請。

発表の中で日本政府観光局は、「観光⽴国の復活に向けて観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ⼒」を⾼めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進しつつインバウンドの V字回復を図る必要があり、個人旅⾏の再開や⼊国手続き等の実用情報の的確な発信と併せ、これからの訪⽇観光の柱となるサステナブル・ツーリズム等の情報発信やMICE 誘致等の取組を強化していくことが求められる」と述べている。

【博展】「サステナブル・ブランド国際会議2023 東京・丸の内」を2月にハイブリッド開催

博展は2023年2月14日(火)〜15日(水)、日本において7回目の開催となる「サステナブル・ブランド国際会議2023 東京・丸の内」をリアルとオンラインのハイブリッド形式で開催する。

同イベントは、国内外の企業・団体・自治体などのサステナビリティに関する最新の取り組みや潮流を知り、各業界の第一線で活躍するイノベーターとネットワーキングができるアジア最大規模のコミュニティ・カンファレンス。

2030年に向けたSDGsの達成、持続可能な社会の実現に向けてサステナブル・ブランド のコミュニティの裾野を拡大していくことが重要であるとし、4年ぶりの東京での開催を契機に初めて、エリア型コミュニティ・カンファレンスとして開催される。

エリア内のビジネスコミュニティと連携し、東京・丸の内からサステナビリティへのムーブメントを巻き起こすことを目指すという。

なお、今月1月23日には「2023年 押さえておくべき サステナビリティトレンドとは?」と題し、サステナブル・ブランド国際会議のプロデューサーが事前に見どころを解説するセミナーを、オンライン配信にて実施する(参加は事前登録制)。

「サステナブル・ブランド国際会議2023 東京・丸の内」

会期:2023年2月14日(火)・15日(水)
(現地参加 or オンライン参加のハイブリッド方式で開催)
主要会場:
・東京国際フォーラム
・丸ビルホール&コンファレンススクエア(千代田区丸の内2-4-1丸ビル7階)
・JPタワー ホール&カンファレンス(千代田区丸の内二丁目7番2号 KITTE 4階)
(丸の内のビジネスパーソンを対象に一般向け(無料)オープンセミナーも開催予定)

開催内容:基調講演、セッション、ワークショップ、ネットワーキング企画など
主催:株式会社博展 / Sustainable Life Media, Inc. (米国)
参加費:有料(事前登録制)

●登壇者の一部紹介(クリックで拡大、変更の可能性あり)

博展は2030年に向けてSDGs達成への機運が高まる中、イベントやメディアを通じて日本市場にサステナビリティの考えを広めることが企業責任であるとし、2015 年より米国サステナブル・ライフ・メディア社と提携し、日本におけるサステナブル・ブランド・コミュニティ活動に取り組んでいる。

今回のイベント開催においてもサステナビリティの実現に向け、東京観光財団の「TOKYO MICEサステナビリティガイドライン」などに沿い、社内教育・会場・環境負荷低減・廃棄物などについて様々な取り組みを実践している。なお、詳細は「第7回サステナブル・ブランド国際会議 2023 東京・丸の内」HPにて説明されている。

[インタビュー]回復するドイツ見本市とシステム部材のこれから – 独・オクタノルム社

八角形のポール(柱)とビーム(梁)をテンションロックで接続するアルミシステム部材である「オクタノルム」は利便性や環境性に優れ、それゆえ世界中の見本市で普及している。今回、パートナー企業への訪問のため来日した独・オクタノルム社のハンス・ブルーダーCEOとベンジャミン・ブルーダーCEOにオクタノルム社およびオクタノルム製品の誕生秘話や今後の展望、さらに今年2月に出展する「ユーロショップ2023」について話を聞いた。
(本紙=ピーオーピー、通訳=オクタノルムジャパン)

*本記事は2023年1月1日発行の『見本市展示会通信』第889号で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

世界中に浸透するオクタノルム

―オクタノルム製品の誕生秘話は

ハンス・ブルーダー氏

ハンス・ブルーダー(以下、ハンス) 1960年代後半、オクタノルム社の創業者であるハンス・シュテーガーは、創業前は展示施工会社を経営していた。そのような中、顧客からは展示台などの什器を購入ではなく、レンタルできないかという要望が増えていた。それまでは展示会ブースの什器は木工製作が主流で、会期終了後に廃棄されることが多かったのだ。
そこで彼は展示会用に素早く組立・解体が可能で、強度もあって使い回せる部材の開発に着手し、八角形のアルミポールとテンションロックを使ったシステム部材を考案した。そして1968年12月6日、自社工場内で主催する記者会見で製品を紹介したのだが、そのときの会場である部屋そのものをオクタノルムの製品で設えた。そしてプレゼンテーション後、ランチを終え、記者がもとの会場に戻ってきたときには、その部屋はなくなり、工場内には工作機械が置いてあるだけだった。つまり1時間の間に記者会見場を解体・撤去してみせたのだ。そのパフォーマンスが大きなインパクトとなり、多くのメディアがオクタノルムを取り上げた。製品に対する施工会社からの反応も良く、問合せが増えたころにオクタノルム社を創業した。
それからの普及は早かった。というのも彼はオクタノルムの開発以前にガラスショーケースのシステムを開発していたため、すでにオーストラリアやアメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国などに代理店や販売会社が存在していた。ゆえに世界中とのコンタクトがスムーズに行えたのだ。

1968年12月6日に行われた記者会見当時のようす

―なぜ世界中に受け入れられたか

ハンス OSPI(Octanorm Service Partner International)というメンバーシップを1984年に設立したことが大きい。これによって出展者、とりわけ国際的に活躍する出展者は安価でブースを作れるようになった。
OSPIのコンセプトは“Designed Here. Built there.”(ここでデザインし、現地でつくる)。オクタノルムの施工会社ネットワークを世界に広げ、部材の長距離輸送を不要とすることで環境にやさしく、コストも抑えられるようになった。
かつては国際的な見本市の多くはドイツで開催されていた。それが次第に分散化し、あらゆる国で大規模な見本市が開催され、人を集めている。そのような中で出展者が安心して外国の施工会社に依頼できる仕組みであるOSPIが受け入れられた。同じ部材を持ち、世界中のネットワークを有するグループは他にはない。現在、パートナー125社が50カ国にあり、およそ78カ国で施工ができる。また2年に1度は世界各地でOSPI会議を開催している。パートナー同士で意見や情報を交換し、協力しあえる環境を整えている。

―日本市場をどのように捉えているか

ベンジャミン・ブルーダー氏

ベンジャミン・ブルーダー(以下、ベンジャミン) われわれにとって非常に興味深い。今回、東京ビッグサイトで開催された「JIMTOF2022(日本国際工作機械見本市)」を見学したが、システム部材が多く活用されていた。ドイツよりも多いのではないかと感じるくらいだ。耐久性やリサイクル性、素早く組立・解体しなければならないという日本の環境にマッチしているのだろう。
また街中で内照式LEDサインであるオクタルミナを活用する店舗も見学したが、普及が進んでいるようだ。数十年使えるオクタノルム製品は、展示会と店舗内装の2つの市場においてまだまだ可能性を秘めていると考えている。

―日本は独自の基準やサイズ、デザインで運用しているが問題点は

ハンス 施工会社にとっては大きな問題はないだろう。アルミはフレキシブルにカットできるからだ。しかし出展者にとっては不利かもしれない。世界基準としては一般的な2500mmのグラフィック(ファブリック)は、2700mmが普及している日本でだけ使えない。外国の企業が日本で出展しようとすると新しいものをつくらなければならないし、ブースデザインも日本の場合のみ、高さを変更してデザインし直す必要があるだろう。
また日本ではあまり見かけないが、天井吊りや床上げは欧米では一般的で、ブースデザインの観点から考えても優位性がある。

ベンジャミン 日本でシステムブースが多いと感じたのは、もしかしたらファブリックが少ないからかもしれない。最近ドイツではファブリックでシステムを隠すという手法が多用され、実際はシステム部材を多く使っていてもそう感じさせない。

―模倣品への対応は

ベンジャミン 独・フォルクスワーゲンの社長が「良いものは必ずコピーされる。とても良いものはさらにコピーされる」と言ったことがある。
われわれは細心の注意を払って調査を行い、ときには法的措置を取るよう動くこともあるのだが、コピーと戦うという意味では、新しいものを開発し続けるという姿勢も大事だ。イノベーションを通じて常にコピー品の先を行き、コピーできないほどクオリティの高い製品を開発していくことに注力したい。

ドイツの見本市事情

―コロナ禍でのドイツの見本市の状況は

ベンジャミン 前回の「ユーロショップ2020」の頃からパンデミックが始まったことで、ドイツでは開催件数がゼロになり、見本市を生業にする企業は苦しんだ。政府からの補助金は出たものの、それだけでは足りず、絶えず人が辞めていくような状況で仕事が必要だった。そんな中でワクチン接種会場やPCR検査会場へ当社は積極的にシステムを提供し、施工会社は設営することで仕事を何とか生み出すことができた。
本格的に見本市が戻ったのが今年の3月。ドイツの場合は0か100かがはっきりしているため、開催すると決めたら完全に動かす見本市が多かった。ただし施工会社の数は減ってしまったため、需要が供給を上回りブース施工費が高騰するという現象が起きている。
コロナ禍はオンライン見本市も行われ、ストリーミング配信の際の背景に壁やブースを建てていたが、見本市が本格的に戻ってからは減った。

ハンス 本格的に開催が始まっても、ドイツの見本市は国際展が多いため、感染状況や世界情勢によって来場者が減ってしまっている事実はある。中には30%ほど来場者が減った見本市もある。ただし、一方で専門的な来場者、すなわち本気度の高い来場者の割合が高まったという報告もあり、出展者の満足度は高いようだ。人は少なくなっていてもビジネスは成立しており、このまま順調に復活するだろう。

―コロナ禍を経て、ブースに変化は

ベンジャミン 最近の傾向としてはシステムブースが増えていると感じる。システムブースに比べて木工ブースは手間がかかるため、人手が足りない状況では難しい。さらに木材の値段が上がっていることも理由のひとつだ。出展者も施工会社も経済的に余裕がないところが多いのだ。もっともアルミニウムや鉄も同様に高騰しており、製造や輸送の時間は以前よりもかかるため、納期に間に合わせられる企業が利益を得ているという状況である。

注目集まるユーロショップ2023

「ユーロショップ2020」オクタノルム社ブース

―今年開催されるユーロショップ2023の見どころは

ハンス 2月26日から3月2日まで開催される、施工会社や見本市関連会社のための見本市である。会場はメッセ・デュッセルドルフの全ホールを使用するが、今回オクタノルム社はホール1へ移動した。メインエントランスから入ってすぐのホールだ。

ベンジャミン ブース面積は327㎡で、今回のスローガンは「Gate to the future」。先進的・未来的という言葉が似合うブースデザインを計画しているので楽しみにしてほしい。
また現在開発中の新製品も展示する。われわれは3年に1度のユーロショップに向けて一丸となって製品を開発している。それほど特別な見本市だ。ぜひとも日本からの多くの来場者に見てもらい、多くの情報を持ち帰ってもらいたい。