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[展示会フォトレポート]100 INSPIRATIONS ISHIKAWA

11月9日・10日の2日間、WITH HARAJUKU(東京・渋谷区)で「100 INSPIRATIONS ISHIKAWA(ハンドレッド・インスピレーションズ・イシカワ)」が開催された。主催は石川県、石川県繊維協会、繊維リソースいしかわ、石川県織物構造改善工業組合。アパレル関係者や商社など約600名が来場した。

石川県は繊維工業が主要産業の一つであり、地元企業は自社製品の販売と販路拡大に取り組んでおり、毎年、東京で展示商談会を開催し、アパレル商品企画責任者やデザイナーに石川県産の生地を直接触れられる機会を提供している。本展示会は持続可能な素材や製品の展示と提案がテーマで、参加者は新しいアイデアや製品を発見し、業界関係者とのコネクションを深めることができる。

日本アパレルファッション産業協会のクリエイターとのコラボレーション製品も展示された。

繊維リソースいしかわ・西村氏は「石川県(北陸)の合成繊維は世界的に見ても技術力が非常に高く、ファッションやスポーツの世界市場で多くの素材が使用されている。今後は国内市場を盛り上げつつ、海外市場を視野に入れた販路拡大を目指していきたい」と述べた。ハンドレッド・インスピレーションズ・イシカワは来年度も開催を予定している。

海外ブースの“おもてなし”から学ぶ、日本ブースの未来像 – 東京造形美術

本記事では、国内外の展示会におけるブースデザインのトレンドを比較し、成功する出展のための戦略を探るべく、国内外の展示会出展サポートを手がける東京造形美術の本沢クリスチアーノ氏に話を聞いた。

本沢クリスチアーノ氏(右)

――海外と日本の展示会での出展ブースにはどのような違いがありますか

海外の展示会で特に印象的だったのは「おもてなし」の概念です。来場者が気軽に立ち寄れる空間が提供されています。具体的には、コーヒーやワインを用意し、リラックスした雰囲気で製品やサービスを紹介するスタイルが主流です。対照的に、日本の展示会では繁華街のように客引きが行われるケースが多く、おもてなしは日本を象徴する文化の一つだと思っていましたが、展示会においてはまるっきり薄れているように感じます。
展示手法においても地域や文化による違いは顕著です。例えば、発展途上国も含むアジア圏では、商品の数や種類で勝負するケースが多いです。一方、先進国の欧米では、展示する製品数を絞り、その他のスペースをおもてなしの場として活用します。このようなアプローチは、より質の高い商談を促す効果があるでしょう。

――「おもてなし」の出展のために出展者が押さえておくべきポイントは何でしょうか

前提として、ブースに立つ説明員が商材やサービスに精通し、言葉に堪能でなければなりません。加えて、出展までの準備期間も十分に確保する必要があり、最低でも半年前から出展プランニングを開始すべきです。会期中は、ブーススタッフが持つそれぞれの役割を明確にし、誰もが準備を怠らないようにすることが大切です。
せっかくの海外出展の機会なので、出展者はできる限り多くの商品やサービスを展示したいと考えがちです。ですが最終的な評価は、出展者と来場者の間で良い商談ができたかどうかです。そのためには来場者に楽しんでいただける、話しやすい環境を作ることが重要なのです。

――日本の展示会において、今後ブースデザインが進化するなら、どのような方向性になると予測しますか

今後はリアルとデジタルの展示が並行して行われると考えています。デザインの進化については、単なる機能性よりも、ストーリー性やカスタマージャーニーを考慮した「顧客ベースデザイン」が求められると予測します。このようなアプローチで、より来場者のニーズと感情に寄り添った展示を目指すべきだと思います。

――東京造形美術の具体的な戦略は何でしょうか

世の中でSDGsに対する意識が高まる中、各企業は経済活動をしっかりと行い、なおかつSDGsにも貢献している点を強調することが大切です。当社が導入した「beMatrix(ビーマトリックス)」はそのような要求に応えられるシステム部材であり、展示に活用することで、経済活動とSDGsへの貢献を同時に実現可能です。
また、日本の展示会で特に考えるべきは、人手不足と職人の高齢化という問題です。これらは表面的には出展者や主催者に直接関わりがないように思えますが、実は業界全体に大きな影響を与えています。展示会やイベント業界が衰退していくことはすなわち、最終的には日本経済に悪影響を及ぼします。この問題に対処するべく、我々はデザイン性も生産性をも高めることにも向いているbeMatrixを導入しました。出展者にデザインの魅力を、人手不足の業界には効率的な生産を提供し、さらには環境にも配慮したサービスを実現しています。これにより、全ての関係者が共に利益を享受し、相互に価値を高めることができると確信しています。

「第911号 見本市展示会通信」発行しました


 

 

展示会やMICEなどに関する最新ニュースを伝えるタブロイド判の業界紙「第911号 見本市展示会通信」を発行しました。

主な記事
・一面のニュース:第58回スーパーマーケット・トレードショー 前回から出展規模を拡大して開催、来年10月に大阪で開催決定 MICE業界の強化を目指す Japan MICE EXPO 2024 ほか

・〈インタビュー〉世界から見た日本の展示会 RX CEO ヒュー・ジョーンズ氏
・注目の出展者「iwasemi」(ピクシーダストテクノロジーズ)他
・〈連載〉「米国流の展示会ビジネス実践法⑨」管埜寛之氏
・事務所・一般ニュース

発行について:第911号 2023年(令和5年)12月1日

☞「見本市展示会通信」の詳細はこちら<

【新施設】長崎スタジアムシティが2024年10月14日に開業

ジャパネットグループでスポーツ・地域創生事業を担う株式会社リージョナルクリエーション長崎は14日、長崎スタジアムシティの開業日を2024年10月14日(月)と発表した。

「長崎スタジアムシティ」はジャパネットグループが民間主導で開発している、サッカースタジアムを中心にアリーナ・オフィス・商業施設・ホテルなどを含んだ大型複合施設。

当日は出店予定のテナントや温浴施設についても発表された。

【オンラインセミナー】イベントのプロが語る!効果の出るハイブリッドイベントの作り方 – トーガシ


 
年間3000件のイベントを手掛け、イベント全般をトータルでサポートするトーガシは、12月6日(水)にオンラインセミナー「イベントのプロが語る!効果の出るハイブリッドイベントの作り方」を開催する。参加費は無料。

 

無料オンラインセミナー
「イベントのプロが語る!効果の出るハイブリッドイベントの作り方」

日時:2023年12月6日(水) 15:00-16:00

費用:無料

LIVE配信:Zoomウェビナー(下のボタンよりお申し込みください)

詳細・オンライン参加申し込みはこちらから

オンライン/オフラインのメリットを理解し、効果的なイベントの作り方を解説

ハイブリッドイベントの時代において、オンラインとリアルの両分野に詳しいプロフェッショナルが集まり、オンラインとオフラインのイベント形式の違いと各々の利点を深掘りする。
さらに、具体的な成功事例と失敗事例を交えた実践的な知見の獲得と、イベントの成果を最大化する戦略を学ぶ。

このような課題をお持ちの方におすすめ

●イベントの成果を感じられていない

●開催はしているがアップデートしていきたい

●ハイブリッド開催の手順が知りたい

 

プログラム(予定)

① ハイブリッドイベントのトレンドと変容
② リアルとオンラインそれぞれのメリット
③ イベントの効果を最大化させるには?

 

登壇者・プロフィール

岡 慶彦 氏/bravesoft株式会社 
Event Experience グループ account development部 部長

1981年生まれ、東京都出身。趣味は釣り、キャンピングカーの旅、ウイスキー、バスケ。金融・イベント・IT業界を経験。新規開拓やマーケティングを軸に経験を積む。イベント業界では、当時馴染みの無いインサイドセールスチームを1から立ち上げ、売上拡大に大きく貢献、ITでイベントの価値を証明する為にbravesoftへ入社、イベントDXプラットフォーム「eventos」のグロース責任者を担当、現在に至る。

山﨑 一徳 氏/株式会社トーガシ
事業戦略本部 Meeting&Event事業部 部長

1985年東京生まれ。大学在籍時から、トーガシでアルバイトの経験ののち、2012年入社。現場施工の部門を経験し2014年より営業部へ配属。その後、プレーヤー、チームリーダーを経て、東京営業部の責任者として3年間にわたり50名ほどの部署を統括しながら、トーガシのサービスを本業のディスプレイ業務からイベント全体のプロデュース業務へと拡大させることに努める。今年よりMeeting&Event事業部を設立し、展示会の主催代行や企業の周年事業を手掛けている。

金丸 玄樹 氏/株式会社トーガシ
クリエイティブ本部 広報・マーケティング課 サブマネージャー(モデレーター)

無料オンラインセミナー
「イベントのプロが語る!効果の出るハイブリッドイベントの作り方」

日時:2023年12月6日(水) 15:00-16:00

費用:無料

LIVE配信:Zoomウェビナー(下のボタンよりお申し込みください)

詳細・オンライン参加申し込みはこちらから

「JAPANTEX 2023」と「Japan Home & Building Show 2023」が開幕

永嶋元博会長

中村正己会長

2023年11月15日、東京ビッグサイトで「建築+インテリアWEEK 2023」が幕を開けた。

「建築+インテリアWEEK」は日本インテリア協会(NIF)が主催する「JAPANTEX 2023」と日本能率協会(JMA)が主催する「Japan Home & Building Show 2023」から構成され、合同開催は今回で10回目を迎える。

「JAPANTEX 2023」の今回の見どころである主催者企画「Interior Trend Square」には、国内外ファブリックメーカーの新作が一堂に集まり、最新のデザインやアイデアなどを披露する。「Japan Home & Building Show 2023」では建築業界向けの約50のセッションや、学生プロジェクトデザインコンペティション、「みらいのたね賞スペシャルトークセッション」などが実施される。

開会式に登壇したNIFの永嶋元博会長は「国内企業・団体はもとより、国際色豊かな多数の出展者が新製品や最新トレンド情報を発信する。未来に向けて活発なビジネス交流が実現し、グローバルレベルでの高品質な住・生活環境の創造・発展に寄与することを目指す」と発言。JMAの中村正己会長は3展合同の出展者600社に感謝の言葉を述べた後「今回の展示会でしっかり見て、触れて、感じて、商談をしてほしい」として、リアル展の良さを強調した。

また、開会式には高円宮妃久子さまもご出席し、日本の住環境の発展に貢献する同展に対し期待の言葉を述べた後、テープカットを行った。

高円宮妃久子さまによるテープカット

「建築+インテリアWEEK 2023」は11月17日までの開催。

 

「第910号 見本市展示会通信」発行しました


 

 

展示会やMICEなどに関する最新ニュースを伝えるタブロイド判の業界紙「第910号 見本市展示会通信」を発行しました。

特集
大阪ディスプレイ協同組合(ODA)創立60周年

主な記事
・注目の出展製品・サービス
・業種別開催データ(2023年12月~ 2024年5月)
・〈寄稿〉万国博覧会・国際博覧会を知ろう 桜井悌司氏
・一般ニュース

発行について:第910号 2023年(令和5年)11月15日

☞「見本市展示会通信」の詳細はこちら<

今週の展示会のスケジュール(11/13~11/19)

▽千葉

11/15(水)~11/17(金)
幕張メッセ
Inter BEE

▽東京

11/15(水)~11/17(金)
東京ビッグサイト
Japan Home & Building Show
第45回ジャパンホームショー
第18回ふるさと建材・家具見本市
第9回店舗・商業空間デザイン展
第9回トイレ産業展
第7回団地・マンションリノベーション総合展
第2回解体総合展
第2回リノベ展
第6回イノベーションオフィス総合展

11/15(水)~11/17(金)
東京ビッグサイト
第8回アジア・ファニシング・フェア2023

11/15(水)~11/17(金)
東京ビッグサイト
ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO 2023

11/15(水)~11/17(金)
東京ビッグサイト
第42回 JAPANTEX 2023

11/19(日)~11/20(月)
東京ビッグサイト
東京ネイルエキスポ 2023

▽神奈川

11/15(水)~11/17(金)
パシフィコ横浜
EdgeTech+2023

▽大阪

11/15(水)~11/17(金)
インテックス大阪
第11回[関西]PV EXPO
第10回[関西]二次電池展
第10回[関西]スマートグリッドEXPO

11/15(水)~11/17(金)
インテックス大阪
第8回[関西]総務サービスEXPO
第8回[関西]オフィス防災EXPO
第8回[関西]HR EXPO(人事労務・教育・採用)
第8回[関西]働き方改革EXPO
第8回[関西]会計・財務EXPO
第7回[関西]福利厚生EXPO
第5回[関西]法務・知財EXPO
第3回[関西]PR EXPO
第2回[関西]健康経営EXPO
第3回[関西]脱炭素経営EXPO

▽香川

11/17(金)~11/18(土)
サンメッセ香川
建設フェア四国 2023 in 高松

▽福岡

11/14(火)~11/15(水)
マリンメッセ福岡
FOOD STYLE Kyushu 2023

▽沖縄

11/16(木)~11/17(金)
沖縄コンベンションセンター
沖縄大交易会 2023

【フォトレポート】JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)

日本自動車工業会は6日、2023年10月26日(木)から11月5日(日)まで(一般公開は10月28日(土)から)、東京ビッグサイト(江東区・有明)を中心に開催した「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー)」の来場者数について、1,112,000人となったことを発表した。

今回は写真でプレスデーの日の会場の様子を伝える。

【東展示棟】

【西展示棟】

【南展示棟】

国立劇場が10月でいったん閉鎖 2029年向け建て替え

「国立劇場 国立演芸場 閉場記念式典」が10月29日、国立劇場で開かれた。伝統芸能の拠点である国立劇場は、開場から55年以上が経過し施設の老朽化が著しいため、令和5年11月から令和11年秋ごろまで建て替え工事を行う。

新たな国立劇場では、伝統芸能と人との何気ないふれあいや人と人との出会いの場を設けるとともに、客席での鑑賞だけではない新しい鑑賞・体験・参加の機会を提供、劇場を飛び出して、様々な機関と連携し活動の場を広げることも試みるという。

以下、独立行政法人日本芸術文化振興会 資料「未来へつなぐ国立劇場プロジェクト~新たな国立劇場がめざすもの~」より新事業の概要。

【事業の実施プラン】

1 地域環境と調和した魅力あふれる文化観光の拠点として

新たな国立劇場は、民間企業が経営する施設を併設し相乗効果を発揮して、魅力あふれ賑わいのある文化観光の拠点となることを目指す。

皇居の緑につながり四季折々の顔を見せる前庭、スムーズなアプローチ、多機能なオープンスペースを持つ劇場に加えて、レストラン、カフェ、ホテル等が一体となり、多様な文化観光ニーズに対応。

観劇や観光、ビジネス等で訪れた方々、地域の方々など多くの人々が集う開かれた場は、緑豊かな環境と調和し、思い思いの時を過ごせる魅力的なランドマークとなり、周辺地域と連携して賑わいを生み出す。

2 伝統芸能の伝承と創造の拠点として

(1)ふれあいと交流の広場

愛好者だけでなく、これまで伝統芸能に触れた経験のない方や少ない方、例えば、青少年・親子・社会人・外国人・障害者など、多様な人々が伝統芸能を介して出会い、楽しみ、学び、交流することのできる、ふれあいと交流の広場を創設。公演のない日でも、食事や喫茶の目的だけでも、あまり時間がないときでも、いつでもだれでも気軽に立ち寄れる空間。

この広場では、見て・聞いて・触って遊べる体験型・体感型・参加型の展示のほか、調査研究や資料収集の成果を展覧する様々な企画展示を行う。また、図書・資料の閲覧や公演記録映像の視聴等ができるレファレンスサービスを提供するほか、ミニパフォーマンスやコンサート、ライブビューイングなどを開催。あわせて、ガイド付き劇場ツアーや XR などのデジタル技術を活用したイベントなども実施する。

(2)多様な伝統芸能を未来へつなぐ公演

伝統芸能の上演に最適な舞台・楽屋設備、最新の安全な舞台機構、快適な客席やホワイエを備えた新たな国立劇場は、大劇場・小劇場・演芸場の三劇場において、歌舞伎・文楽・日本舞踊・邦楽・雅楽・声明・民俗芸能・琉球芸能・大衆芸能など多ジャンルにわたる、良質な主催公演を企画、開催する。

それによって、実演家やスタッフが技芸や技術を継承する機会を確保し、そのジャンルの最高峰の公演実施を目指すと同時に、新進実演家の技芸向上の機会である若手主体の公演やコンクール等も継続、拡充していく。

一方、愛好者から伝統芸能に全く触れた経験のない人たちまで、多様な人々の伝統芸能へのアクセシビリティ向上を目指し、公演形態・内容の多様化を図り、伝統芸能への興味や関心を喚起して、鑑賞と出会いの場を提供する。

歌舞伎・文楽においては、作品そのものをより深く楽しめるように、起承転結を備えた通し狂言の上演を主としつつ、文楽では、有名作品の一部を並べて上演する見取り形式の公演も開催。

日本舞踊・邦楽・雅楽・声明・大衆芸能などのジャンルでは、多種多様なテーマ設定や公演内容により、古典作品の鑑賞機会の充実、技芸の継承も推進。

現地でしか見られない民俗芸能や琉球芸能についても、ふれあいと交流の広場からの情報発信や地域との連携などに努め、それぞれの芸能の伝承と普及に資する公演を着実に実施していく。

初代国立劇場では、歌舞伎・文楽を中心に、その芸能の特徴やあらすじの分かりやすい解説を付けて有名作品を上演する鑑賞教室公演を実施し、好評を得てきた。

次のステップとして、名作ではあっても鑑賞教室では取り上げない古典作品の世界へ、工夫を凝らした解説でご案内する入門公演の充実を図る。

日本舞踊・邦楽・雅楽・声明・大衆芸能などのジャンルにおいても、様々な角度から、より楽しめる入門公演を企画、実施し、観客層の拡充に努める。

また、外国人の鑑賞の利便性を向上させるため、音声や字幕による多言語化を一層推進し、さらに、社会人や観光客などの来場しやすい時間帯の設定など、鑑賞機会の増加を図る。

あわせて、国立の劇場として公的式典などの利用にも供する。

(3)舞台芸術の未来を担う多様な人材の育成

国立劇場では開場直後から、伝統芸能の伝承者養成事業を実施し、その後、新国立劇場では現代舞台芸術の実演家の研修事業を行ってきた。

伝統芸能の分野では、研修修了者が現役の歌舞伎俳優の3割以上、歌舞伎音楽竹本演奏者の9割以上、文楽技芸員の5割以上、寄席囃子演奏者の9割以上を占めるなど、養成事業は伝統芸能の伝承において極めて重要な役割を果たしている。

現代舞台芸術の分野では、世界の優れた指導者や次代を担う若手芸術家が集い、高い技術と豊かな芸術性を備えたオペラ歌手・バレエダンサー・俳優等を輩出し、質の高い舞台づくりに貢献している。

新たな国立劇場では、両分野の実演家の養成・研修を行っている強みを最大限に活かすため、伝統芸能の伝承者の養成所と現代舞台芸術の実演家等の研修所を一体的に設置。

両分野共通のカリキュラムなどを通して、講師や研修生が交流し相互に理解を深めることで、広い視野と教養を身につけた舞台人、日本
の文化に根差しつつ世界的にも活躍できる人材を育成する。

また、社会に開かれた施設として、各地の文化施設や学校等と連携し、研修修了者等によるワークショップなどを実施することで、舞台芸術の普及はもとより、養成研修への理解や支援の広がり、そして志望者の増加を図る。

さらに、舞台芸術を支える公演制作者や舞台技術者等の人材養成のため、大学・専門学校等のインターンの受入れ、全国の劇場・音楽堂等の職員を対象とした実地研修等の実施、伝統芸能舞台技術の普及のための仕組みづくりについて検討を進めるなど、国立の劇場としての使命を果たしていく。

(4)伝統芸能の継承・発展を支える調査研究とデジタルアーカイブ化の推進

新たな国立劇場では、主催公演や伝統芸能全般について各種の調査研究と芸能資料の収集、デジタルアーカイブ化を推進し、その成果を公演や演技・演出の向上のために活用するとともに、より多くの人々が快適で便利に利用できるように、伝統芸能の情報発信機能を強化する。