出展者不在の「PHASE」が示す新しい展示会の形

展示会のブースデザインを手がけるSUPER PENGUINは6月1日から5日まで、東京・有明のSMALL WORLDS TOKYOで出展者不在、来場者のみの半リアル展示会「[PHASE] in SMALL WORLDS TOKYO」を開催している。SMALL WORLDS TOKYOは6月11日オープン予定の最先端テクノロジーを使ったミニチュアテーマパーク。

今回、新型コロナウイルスの影響で展示会の中止・延期が相次いでいることを受けての試験開催となった。形式の工夫により、人が密集できない状況でも展示会を開催できる方法を探る。オンラインとリアルの中間の位置づけであり、出展者は不在だが、気になる商品があればオンライン会議ツールZOOMや電話で商談が可能。

石川・金沢市でアパレルの企画・縫製・販売を行うヒロの大沼洋美社長はタブレット端末越しの取材に応じ、「カメラの前にいろんな人が訪れるのが楽しい。新型コロナウイルスでは金沢も酷い打撃を受けており、第二波なども懸念される昨今、こうして遠隔地から参加できる機会は非常にありがたい」と語った。ヒロは85年以上の歴史を有する会社で、これまでにもビジネスガイド社が主催する「東京インターナショナル・ギフト・ショー」などに出展している。今回の出展では一寸法師をモチーフにした針山など、スモールワールズの名に沿った展示で世界観を表現した。

会場内は新型コロナ対策として展示台形状を工夫し、一人で見る形式が取られていて、展示台は2m間隔で設置。受付での体温チェックや除菌スプレーなどによる、徹底した感染防止対策も行われている。

主催のSUPER PENGUINは出展者が遠隔参加するメリットとして、「コストを抑えつつ、日本全国や世界中、どこからでも同じ立ち位置で参加できる」ことを挙げる。アフターコロナ時代における展示会の在り方については「より参加しやすく、より結果が出る」ことが重要だとした。

会場には文具・雑貨メーカー12社が出展し、店舗バイヤーや問屋、展示会関係者が来場対象。入場料は無料となっている。