【博展】カーボンニュートラルなイベントとは?【社内イベントでゼロ・エミッション型イベントのモデルケース示す】

株式会社博展は10月、環境負荷の低減への取り組みとカーボンオフセットを実施したカーボンニュートラルな全社キックオフイベントを開催した。

まずは社内イベントから”ゼロ・エミッション型”イベントのモデルケースをつくり、顧客へのサービス開発を推進していく。

※ゼロ・エミッション
人間の活動から発生する排出物を限りなくゼロにすることを目指しながら最大限の資源活用を図り、持続可能な経済活動や生産活動を展開する理念と方法

イベントの開催は、開催地や関係者に直接的・間接的な経済効果や好影響を生み出す一方で、一時的に多くの資源が消費されることから、環境に対してマイナスの影響を与える側面もあることが、業界における長年の課題として存在していた。

今回の社内イベントで博展は、ゼロ・エミッション型イベントの実現に向けて以下の5点について主に取り組んだ。

1.サステナビリティに配慮した会場選び

2.廃棄物量の削減

3.イベントでのCO2排出量の算定

4.カーボンオフセットの実施

5.社員に向けたコミュニケーション

1.サステナビリティに配慮した会場選び

 
イベントを企画するにあたり、環境負荷低減への取り組みに積極的であること、また移動におけるCO2排出量の削減を考慮し、博展の本社オフィスに近接した会場を選定した。


実施会場:東京ポートシティ竹芝 ポートホール(東京都港区海岸1-7-1)

ゼロ・エミッション型のイベントの実現には、開催する会場の協力が欠かせない。

東京ポートシティ竹芝 ポートホール/ポートスタジオはサステナブルなイベントの実施に向けて積極的に取り組んでおり、今回はCO2排出量の算定に不可欠なデータ(電力・水の使用量、廃棄物の排出量・処理方法)の提供を受けた。

2.廃棄物量の削減

 

・使い捨てカトラリーの削減、脱プラスチック
懇親会では使い捨てプラスチック削減のため、陶器のお皿やシルバーのカトラリーを採用した。

・フードロス削減のための適正量の発注、呼びかけの実施
参加予定人数に対して80%程度の人数分でのケータリングを発注するとともに、懇親会の終了前にフードロスの削減の呼びかけを実施した。


・リサイクル率向上のための分別の徹底、種別ごとの廃棄物量の把握
開催終了後、リサイクル率の向上のためプラスチックの分別を徹底し、種別ごとの排出量を計測した。

3.イベントでのCO2排出量の算定

 
CO2排出量の算定範囲については電力使用量の算定だけでなく、環境省が発行する「会議・イベントにおけるカーボン・オフセットの取組のための手引き(Ver.1.0)」に基づき、対象範囲を以下のとおりに設定した。

・算定対象(スコープ範囲)

※来場者の出発地は各事業所の最寄り駅として設定。水道は上水道利用が対象。食事については、飲み物を含めた金額より算定。

・開催後にCO2排出量を算定

<結果>
合計排出量:5,859.4(kg-CO2)
一人当たりの排出量:17.9(kg-CO2)※312名の参加

<考察>
「移動」による排出量は、最も社員数の多い東京 築地オフィスからの移動が往復3.8kmの在来線であったことと、関西・中部の社員も、航空機ではなく新幹線の利用であったため、できる限り低減できた。

排出量が多かった「食事」に関する排出量は金額ベースでの算定であったため、今後は細分化した分析や、地産地消の食材の調達、ビーガンフードの採用などを検討していく。

4.カーボンオフセットの実施

 
削減しきれなかった約6(t-CO2)の排出量に対して、長野森林組合への植林(カラマツ)24本分のクレジットを購入し、カーボンオフセットを実施した(博展の事業において木材利用が多いことから)。

5.社員に向けたコミュニケーション

 
ゼロ・エミッション型イベントの実現に向け、全社員の意識変容のために方針の共有や取り組みの紹介を、様々な形で実施した。

 

博展は「すべての人が笑顔になるゼロ・エミッション型イベントの実現」を目指し、今後も様々な社内イベントで同様の取り組みを通したナレッジを蓄積し、顧客へのイベントのサステナビリティのサービスを開発していくという。

また、一企業では達成困難なサステナビリティ課題に対して業界他社にもノウハウを共有し、イベント業界全体として取り組みを促進していく方針だ。