【政府】アフターコロナの観光政索「インバウンド消費5兆円、国内旅行消費20兆円」めざす

政府は31日、観光立国推進閣僚会議で令和5年度からの新たな「観光立国推進基本計画」を閣議決定した。

大阪・関西万博も開催される2025年に向けて、コロナ禍以前の基本計画を見直し、観光立国の持続可能な形での復活に向けて観光の質的向上を象徴する、「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」の3つのキーワードに特に留意し、観光政策を推進するとしている。

観光立国推進基本計画

基本的な方針
(1)持続可能な観光地域づくり戦略
■観光振興が地域社会・経済に好循環を生む仕組みづくりを推進する
■観光産業の収益力・生産性を向上させ、従事者の待遇改善にもつなげる
(「稼げる産業・稼げる地域」)
■地域住民の理解も得ながら、地域の自然、文化の保全と観光を両立させる

(2)インバウンド回復戦略
■消費額5兆円の早期達成に向けて、施策を総動員する
■アウトバウンド復活との相乗効果を目指す
■消費額拡大・地方誘客促進を重視する

(3)国内交流拡大戦略
■国内旅行の実施率向上、滞在長期化を目指す
■旅行需要の平準化と関係人口の拡大につながる新たな交流需要の開拓を図る

計画期間
令和5年度から令和7年度までの3年間(2023~2025年度)

目標
■早期達成を目指す目標:インバウンド消費5兆円、国内旅行消費20兆円
■2025年目標(質の向上を強調し、人数に依存しない指標を中心に設定)

主な施策
■観光地・観光産業の再生・高付加価値化
■観光DX、観光人材の育成・確保
■持続可能な観光地域づくりのための体制整備等

■コンテンツ整備、受入環境整備
■高付加価値なインバウンドの誘致
■アウトバウンド・国際相互交流の促進

■国内需要喚起
■ワーケーション、第2のふるさとづくり
■国内旅行需要の平準化

岸田首相は会議で「各大臣におかれては、ただ今了承した新たな観光立国推進基本計画に沿って、持続可能な観光地域づくり戦略、インバウンド回復戦略、国内交流拡大戦略の3つの戦略を推進してください」と述べ、「また、観光需要を効果的・持続的に根付かせるには、ビジネスや学術分野など、広い分野で取組を深化させる必要があり、地方、デジタル、環境といった切り口が重要です。こうした観点を取り入れ、今回の計画に基づいたインバウンド拡大を図る、新時代にふさわしいアクションプランを、6月の骨太方針までに、策定してください」と指示した。