AIはイベントをどう変えるのか?
〜MICEや展示会への影響は〜

人間のように自然な会話ができる人工知能(AI)、「ChatGPT」がリリースされてから世界に与えた衝撃は大きく、ChatGPTのユーザー数は1億人を越え、急速に人々のAIへの関心が拡大している。

本特集では「AI」「ChatGPT」はイベントをどう変えるのか、以下の項目を追いながら、予想していく。

「AI」の急速な発展
「ChatGPT」はこれまでのAIと何が違うのか?

 
近年のAIの急速な発展を支える技術が「ディープラーニング(深層学習)」だ。

ディープラーニングとは、簡単に言うとコンピュータが自動で大量のデータを学習し、データ内から特徴を見つけ出す技術のことを指す。

去年から話題になっている「画像生成AI」も、この技術を使用している。

ChatGPTは、Web クロールなどから収集したペタバイト単位のテキストデータ(内容は公開されていない。信頼性が高く偏りのない情報と言われている)を、ディープラーニングの技術を使って学習している。安全性や利用目的を限定しない汎用性の高さが特徴だ。

なによりChatGPTが画期的だったのは、自然な会話を行えるよう、見事に調整されているという点だ。使いやすさも相まってChatGPTは一気に利用者を増やした。

またAIを幅広いビジネスで活用できる見通しが立ったこともあり、現在、AIは非常に注目される分野となっている。

AIはイベントをどう変えるか

 
近年のAIの急速な発展を支えるディープラーニング(深層学習)は、大量のデータを使ってパターンを学習し、その知識を新しいデータに適用するのが得意だ。

イベントやMICE、展示会では、どのような領域でAIの活用が可能か予想してみよう。

来場者の行動分析

イベントや展示会での顧客の行動パターンを理解し、より効果的なレイアウトやプロモーションを設計する。ビジターの動きを追跡するセンサーやカメラのデータを利用して、どのブースが人気があり、どのタイミングでどの場所が混雑するかなどを予測できる。

チャットボットやデジタルヒューマン

ChatGPTなどを活用。参加者との対話を通じて、より良いイベント体験を提供できる。

AIマッチメイキング

参加者が興味を持っている可能性が高い他の参加者を発見し、会話ができるようにマッチングを行う。時間の節約や潜在的なニーズの発掘につながる。

AIカメラ

AIを活用した顔認識技術は、イベントの入場管理やセキュリティチェックの強化、人流分析や来場者数のカウント、リーフレットの配布数計測などが可能だ。

パーソナライズされた体験の提供

AIを活用して個々の参加者の好みや興味を予測し、それに基づいてパーソナライズされた情報やスケジュールを提供する。

AR/VRなどのXR

これまでになかったAR/VRの体験を生み出せる。たとえば事前にプログラムされた動きに制限されない、プレーヤーのアクションに応答するショーやデジタルなキャラクターを提供できる。

デザイン

過去の展示会などのデータから学習し、来場者の興味を引く展示デザインを提案することができる。

イベントDX

イベント管理ツール(リアル&オンライン開催)の活用、データの蓄積・活用(ユーザーの行動ログや興味を持っているコンテンツなど)による業務の効率化・生産性アップ、オンライン化、今までには考えられなかった新しいアプローチなど。

AIを活用したイベント関連のサービス紹介・比較

 
イベスコ

提供会社:博報堂プロダクツ
問い合わせ:https://www.h-products.co.jp/solutions/evesco/

リアルイベントの来場者分析ソリューション。イベント会場内に設置するクラウドカメラの映像データをAIで解析することで、これまでのリアルイベントでは測ることの難しかった、「来場者数」「来場者属性」「関心度(滞在時間)」を判別/計測するソリューション。これにより、イベントの来場者総数という結果だけではなく、エリア毎の関心度の比較検討が可能になり、イベントの詳細な成果分析や、改善点の発見などを、客観的なデータをもとにして行うことができる。

 
デジタルヒューマン

提供会社:デジタルヒューマン
問い合わせ:https://www.digitalhumans.jp/

AIを搭載しており、ブランドアンバサダーや、見かけがそっくりのデジタルツインとして、人間に代わって24時間接客・業務をおこなうことができる。4月に日本電気(NEC)と「デジタルヒューマン協議会」を設立した。

 
Cvent

提供会社:Cvent
問い合わせ:https://cvent.saaspresto.jp/

イベント管理プラットフォーム。AIライティングアシスタント機能を実装しており、そのアルゴリズムは利用者が想定するイメージ(フォーマル、熱狂的、陽気、簡潔、冗長、など)に応じた、ブランドのトーンに沿ったコンテンツを生成する。