東京ドームシティ、大型LEDビジョン・モニター群「東京ドームシティビジョンズ」で新たな体験を提供

東京ドームシティ(TDC)は2023年から2024年にかけて大規模リニューアルを進めている。新施設の開場だけでなく、新たなランドスケープ計画に基づいた環境整備の一環として、TDC内に新たに7つの大型ビジョンを新設し、8月1日より稼働を開始。各駅からのアプローチ動線や各広場空間に特徴的な大型LEDビジョン・モニター群「東京ドームシティビジョンズ」を設置し、東京ドームで開催されるイベントとの連動や映像演出を行う。

プリズムホール塔体ビジョン

これまで屋外広告ビジョンは他メディアの映像が流用しやすいよう16:9の定型が主流だったが、東京ドームシティビジョンズでは来場者の体験価値を最大化するため、定型にとらわれずそれぞれの空間や建物に合わせた多様な形状のビジョンに挑戦。長年のエンターテインメントシティ運営で培ってきた知見を活かし、ビジョンを使用して様々なイベントやプロモーションが展開できるよう、音響や電気設備の設置や空間作りを行う。

通常の屋外広告ビジョンでは、あらかじめ決めたコンテンツを順番に放映する1周6分~30分程度の「ロール」を1週間ほどの期間で切り替えながら運用するのが一般的だ。東京ドームシティビジョンズでは、その日の開催イベントに合わせて複数のロールを時間単位で切り替えたり、コンテンツを差し替えたり、時にはライブ映像を流したりといった、その日その時間の街の様子や雰囲気に合わせたダイナミックな放映管理を行っていく。

TDCアトラクションズをはじめ東京ドームシティ各所のリニューアルは、来場者の非日常感の醸成や期待感の高揚、滞在快適性と回遊性の向上等を図り、「街」としての一体感と、より魅力的な空間を創出すべく2024年夏の完成を目指す。

ビジョンの整備(東京ドームシティビジョンズ)について

TDC全域に渡って計画された多様なサイズ・形状の大型LEDビジョン・モニター群。全長122mのロングビジョン「アベニュースーパーリボンビジョン」(TDCでは全長100mを超える帯状のビジョンを「スーパーリボンビジョン」と呼ぶ)は隣接する芝生広場と合わせ、自然とデジタルが融合したユニークな空間として、来場者に多彩な体験価値を提供する。基盤配信システムの企画・開発やオペレーション設計、DOOH(デジタル屋外広告)の広告販売ソリューションをジェイアール東日本企画と一体となり進めてきた。

アベニュースーパーリボンビジョン

大規模地震発生時など災害時の情報発信により防災・防犯機能を向上させるとともに、行政と連携した地域の魅力向上のための情報発信や東京ドームシティ アートプロジェクトとのコラボレーションを行うことで、賑わいの形成や社会基盤としての役割も担う。

形状の異なる多様なビジョンにおいて、東京ドームシティにおける多彩な体験イメージを、先進的で変化に富んだデザイン性の高い映像で表現すべく、ビジュアルコミュニケーションデザインスタジオ「&Form(アンドフォーム)」をパートナーに選定。常設ビジョンとしては日本初となる無数のビジュアル表現を生み出すオリジナル映像生成システム『アダプティブアイデンティティシステム』を開発導入した。朝の通勤・通学の時間帯はポジティブになる映像とBGMを放映し、人々の一日をビジョンを通して応援するなど、多彩な映像演出を行える。

企業のブランド表現としてこのような大規模で広範囲なビジョンへのデザインシステムの導入・運用事例は世界的にも稀であり、TDCのアイデンティティである唯一性や世界観をアナログとデジタルの境界を越え、印刷物を含む様々な媒体や空間、マテリアルなどに柔軟に適応することが可能。システムは&Formと共に、開発チームとしてデジタルコンテンツシステム開発のスペシャリストaircordが協業で実装し、一貫性のあるビジュアル表現と、東京ドームシティのエンターテインメント性を一層向上させる映像演出で施設全体を彩っていく。

ビジュアル表現と連動するBGM制作は原 摩利彦(はら まりひこ)氏が担当。フィールドレコーディングにより収音した東京ドームシティや隣接する小石川後楽園にて感じられる様々な音を音源とした、美しく、ストーリー性のあるオリジナル楽曲も楽しめる。