【環境省】候補地を3か所選定 国立公園での滞在型・高付加価値観光

環境省は8月4日、「宿舎事業を中心とした国立公園利用拠点の面的魅力向上に向けた取組方針」(令和5年6月29日公表)に基づき、「国立公園における滞在体験の魅力向上のための先端モデル事業」の対象とする国立公園を選定した。

利用拠点において、地域協働実施体制の構築、利用拠点マスタープランの策定、自然体験アクティビティと連携した国立公園ならではの感動体験を提供する宿泊施設の誘致など、保護と利用の好循環の仕組みづくりを行い、利用拠点の魅力向上に取り組む。

<選定された国立公園>

名称 選定のポイント
十和田八幡平国立公園(十和田湖地域) 利用拠点の再生による新たな魅力づくり
中部山岳国立公園(南部地域) 山岳地域の利用の高付加価値化を含めた広域連携
大山隠岐国立公園(大山だいせん蒜山ひるぜん地域) 日本の伝統的自然観や歴史文化を踏まえた自然体験の拠点づくり

 

環境省ではインバウンド需要が急速に回復する中、国立公園の美しい自然の中での感動体験を柱とした滞在型・高付加価値観光を推進することとし、「宿舎事業を中心とした国立公園利用拠点の面的魅力向上検討会」で国立公園の利用の高付加価値化の方向性と、国立公園ならではの感動体験を提供する宿泊施設を中心とした利用拠点の面的な魅力向上に取り組む先端モデル事業の進め方を検討してきた。

今回、有識者等を含む専門委員会(非公開)の意見も踏まえつつ、環境省として政策的な観点から、国立公園における滞在体験の魅力向上のための先端モデル事業の対象とする国立公園を選定した。

対象公園の選定にあたっては、取組方針における対象公園の選定の考え方(①広域的な利用推進の観点があること、②国が取組を調整・実施する意義や効果が見込まれること、③地域の合意形成の枠組み、利用の行動計画、環境省の体制等の基盤があること、④滞在型・高付加価値観光を行う具体的な利用拠点の候補を含むこと)を踏まえ、将来的な他地域への展開も見据えて選定された。

今回選定した対象公園において今年度中に検討を行い、推進体制の構築状況や国立公園としての滞在型・高付加価値観光を進めるポテンシャルなどの観点から実現可能性などを検討し、利用拠点を合計1~2か所選定する予定だ。