【取材レポート】モビリティショー開幕 豊田会長「夢と感動を届け、人が集まる場所に」

「JAPAN MOBILITY SHOW2023(JMS)」が開幕した。「東京モーターショー」から名称を変更し初の開催となった今回、東京ビッグサイトを全館を使って10月26日から11月5日まで開催される。(一般公開は28日から)

25日には報道陣向けに一足先に公開された。
豊田章男会長

開幕に先立ち行われたオープニングセレモニーでJMSを主催する日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長はモビリティの考え方について「ムーブという言葉には移動という意味だけではなく、感動という意味ある。移動することは生きることそのもので、人は自分の意思で自由に移動したいという根源的な欲求を持っている。移動によって色々な風景や人、物と出会い、刺激の中で心まで動かされる。私は感動が人生を豊かにし未来をつくる原動力になると思っている。これからのモビリティは街や人とつながり、心をもつなげ、心と心、共感によってつながった多くの仲間がこれまで以上の感動を生み出す。これが自工会の提案するモビリティ社会」と語った。

 

また今回のショーについては「会場にはオールジャパンの技術を結集したモビリティの未来があり、そこには誰のための未来を作りたいのかという明確な意思がある。みんなで未来をもっと良くしたいという共感がある」とショーのキーワードである未来について強調し、「規制や外部の圧力によって作られた未来と今を生きる大人たちが未来を託す子どもたちのために仲間を信頼し共感して作る未来は違うものになると信じている。テーマである『乗りたい未来を探しに行こう』という言葉に、未来はみんなで作るもの信頼と共感で作るものという思いを込めた。前回の東京モーターショーの時に出会った『人が集まる九か条』という言葉のなかに『人は夢が見られるところに集まる』『人は感動を求めて集まる』という項目があった。ジャパン・モデリティショーが多くの人々に夢と感動を届け、人が集まる場所となってほしい」と続けた。

自工会の総裁を務める三笠宮家の瑶子女王殿下(中央)によるスイッチオンによって開幕した

ショーは25日から報道関係者向けに公開がされており、東展示棟で展開された各メーカーのブースはショーのコンセプトの一つである未来を意識したモビリティが一足早く公開された。

スバルは新型SUV「レヴォーグ レイバック」といった事前発表のあった車両展示に加え、極秘開発していたエアモビリティのコンセプトモデルを世界初公開した。

日産は架空のキャラクターを使うことで未来のクルマの在り方を提案。それぞれのキャラクターの価値観や生活に合った新しいモビリティのひとつとしてEVコンセプトカー「ハイパーフォース」を発表した。

ハイパーフォース
日産のプレスカンファレンスの様子
レクサスは「LF-ZC」を世界初公開
マツダは「MAZDA ICONIC SP」を世界初公開

西展示棟では「Tokyo Future Tour」と題して“モビリティが変える未来の東京”をコンセプトにした企画を展開している。LIFE、EMERGENCY、PLAY、FOODという4つの切り口から、ショー仕立てで提案を行う。

ショーの様子

Tokyo Future Tourの「エマージェンシー& モビリティ」エリアでは、11月3日に全国ロードショー予定の映画「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」とスペシャルコラボレーションし、ゴジラが破壊した街をモビリティや新しいテクノロジーがどのように活躍し、復興させていくのかをショー仕立てで見せ、有事でもモビリティが活躍する未来を見せた。

ゴジラに襲われた街で人命救助のために、パワースーツでがれきを取り除く人と自動で到着した担架