万国博覧会・国際博覧会を知ろう① 寄稿・桜井 悌司(元ジェトロ監事・展示事業部長)

◆国際博覧会の性格と種類
国際博覧会を理解する上で、知っておかねばならないことは、国際博覧会条約の存在である。1928年に締結され、同年、この条約に基づき、国際博覧会事務局(BIE)がパリに設立された。現在BIE加盟国は、181か国で、今年になって、北マケドニアとトリニダード&トバゴが加盟した。国際博覧会の開催地は、加盟国の投票によって決定される。
現在の博覧会条約は、1988年に改正が行われた。その背景には、1960年代から80年代にかけて、不規則に乱立して開催されたことにある。国際博覧会は、主催するにせよ、参加するにせよ巨額の経費がかかる。そこで、BIEは、「登録博覧会」と「認定博覧会」という考えを導入した。
「登録博覧会」は、従来の一般博覧会と特別博覧会のカテゴリーを一本化して、会期が6ヶ月以内の国際博覧会をいう。5年に1回開催される。原則、主催国が参加国にパビリオン建設地を無償で提供し、参加国が自分たちの経費でパビリオンを設計し、建設する。ただし、発展途上国は合同館等を設置し、そこに展示する。テーマは普遍的なもので、会場面積は無制限となっている。

「認定博覧会」は、5年間隔で開催される「登録博覧会」の間に、1回に限り開催が認められる国際博覧会で、会期を3か月以内、会場の総面積を25ヘクタール以内として、展示館の建物は開催国が建設し、各参加国には、最高1000平米を限度として原則無償でスペースを提供することを義務付けた国際博覧会を言う。テーマは専門的なものが多い。

今まで、「万国博覧会」と「国際博覧会」という言葉を使用してきたが、条約や博覧会事務局(BIE)では、「国際博覧会」という言葉を使用している。したがって、「国際博覧会」の中には、「万国博覧会」と「国際博覧会」の2つの博覧会が含まれると理解できよう。最初の「万国博覧会」は、後述する大型の一般博覧会(現在の登録博覧会)でその他の小型の特別博覧会(現在の認定博覧会)を「国際博覧会」(名称は博覧会によって異なる)と考えるとわかりやすい。

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