イベントを演出する映像は、本番に立ち会うオペレータだけではなく、「映像会社のバックオフィス」からも支えられて成り立っている。そこでEventBiz では日本映像機材レンタル協会(JVRA)と協力し、彼らの仕事にスポットを当てた特別座談会を開催。日々の役割と業務の課題、昨今の労働環境の変化について語ってもらった。
[登壇者]
森川 美咲さん/エージーエーコーポレーション
鈴木 克典さん/映像センター
野仲 千枝さん/銀座サクラヤ
水野 正崇さん/シグマ映像
[コーディネーター]
占部 吉直さん 光響社
-イベントを支える映像の、そのまた後ろ-
占部 今日はイベントを支える映像の、さらにその後ろで事業を支えている皆さんに集まっていただきました。普段はどんなお仕事をされているんですか? またどんなときにやりがいを感じますか?
水野 イベントで必要な機材を会社で保有する在庫から確保したり、足りない機材を他社から借りる手配をしたりしています。営業部とイベントの現場をつなぐサポートですね。営業や現場の人の困りごとを、自分の技術で解決できるとやりがいを感じます。最近はバックオフィスの環境を整備する、インフラ業務も増えています。IT機器や社内ネットワークの整備、プログラムの構築で業務の効率化を図っています。
野仲 主な仕事は水野さんと同じく、在庫管理や不足品の手配です。ほかには新しい機材の管理コードの登録や機材の発送、カタログの作成と幅広く携わっています。やりがいといいますか、関わっているイベントが無事に終わったという報告を聞くと安心します。
鈴木 大きく占めるのは機材の手配です。東京・名古屋・大阪と拠点があり、拠点間で機材のやりくりをしていることが特徴でしょうか。各拠点で持っている機材のラインナップが違うため、地方のイベントで東京の機材を使う場合など、その調整を行っています。名古屋の拠点にいたころは、見積書作成から機材確保、機材やケーブルの準備、車両への積込、運搬まで自身で行っていました。こうした仕事が東京の拠点では分業化されています。分業であるがゆえに、セクションごとのコミュニケーションの重要性を感じています。
現場はイベントの終了と共に解散し、また次に向かう一連の流れがあります。しかしバックオフィスは仕事に区切りがなく、やりがいを感じにくい面もあるのではないでしょうか。そんな中でイベントの現場や営業部からの感謝の一言には、いつも救われますね。頼ってもらえることがモチベーションになっています。
森川 基本は事務作業が多いです。在庫の確保と見積りも行います。私たちのオフィスには在庫の手配をサポートしてくれる部署がなく、自分の持ってきた案件の対応を自分で管理しています。バックオフィス兼フロントオフィスでもありますね。事務作業の効率化が大好きで、より早く作業が進むショートカットやパソコンの設定をいつも探しています。自分が磨いている技術が役に立つ瞬間は特に嬉しいです。
占部 僕の仕事は営業で、フロントオフィス側の人間です。皆さんに助けられている部署ですが、お互い近くにいるからこそ、ちょっとしたぶつかり合いもある。営業の立場から、皆さんの「これだけは言っておきたい」を聞いていければと思います。
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