東京都は19日、築地市場跡地の再開発「築地地区まちづくり事業」の事業予定者を決定したと発表した。
グループ名:
ONE PARK×ONE TOWN
構成員:
三井不動産株式会社(代表企業)、トヨタ不動産株式会社、株式会社読売新聞グループ本社、鹿島建設株式会社、清水建設株式会社、大成建設株式会社、
株式会社竹中工務店、株式会社日建設計、パシフィックコンサルタンツ株式会社、株式会社朝日新聞社、トヨタ自動車株式会社
今後、都、外部の有識者、事業予定者で協議を行い、事業者が提案した計画をブラッシュアップしていく。
【今後の予定】
2024年度末:都と事業予定者等による基本協定の締結
2025年度 :先行にぎわい施設の着工
2026年度末:定期借地権設定契約の締結
2032年度 :第一期建築工事の完了
2038年度 :第二期建築工事の完了
以下は事業予定者の提案の概要。(デザインを含め今後の協議等により変更になることがある)
<提案のポイント>
〇 人々が憩い、集う場所となる広場や水辺空間
• 東京湾や隅田川の水辺から訪れる人々を出迎える、水辺の玄関口となる景観を形成
• こどもからお年寄りまで多くの人が集い、憩いやアクティビティ、イベント利用が可能であり、災害時の一時滞留空間としても機能
• こどもにとって魅力的なまちにするため、水辺に遊び場をつくるキッズパークプロジェクトを実施
〇 世界中の人々を迎賓する陸・海・空の広域交通結節点
• 地下鉄新駅なども見据え、バス、自動運転車等の陸上交通機能が乗り入れる交通広場を整備
• 舟運利便施設を整備するとともに、隅田川と東京湾に面する築地の立地を生かし、東京の観光地を船でつなぎ、にぎわいを活性化
• 築地川沿いに新たな船着場を整備し、チャーター・不定期船の運航など多様な利用方法を実現
• ヘリポートや空飛ぶクルマのポートを整備し、東京臨海部を中心とした周辺地域の活性化に寄与
〇 多彩なスポーツ・文化・芸術イベント、大規模展示を開催可能な収容人数約5万人の全天候・超多機能型施設
• 世界選手権をはじめとした各種スポーツ大会、コンサート、大規模展示会等の開催を想定
• 可動席などを組み合わせることで、臨場感を損なうことなく、感動・楽しみが最大化される空間を提供
• ラウンジやスイートルーム、貴賓室等のホスピタリティエリアは、東京にこれまでなかったスケールで充実
• イベント時以外はコンコースの一部を開放し、ウォーキング・ジョギング等、多くの人がコミュニティスペースとして活用
• 屋上の緑と浜離宮恩賜庭園の緑が連続して見渡せるビュースポットなど、ここにしかない空間体験も提供
〇 周辺地域のMICE施設の結節機能となり、築地にふさわしい会議・催しを開催するMICE施設
• 1,200人規模のボールルーム等を中心に、エリア内の各機能を活用することで、国際学会から数万人規模のイベントまで対応可能
• 東京ビッグサイトや東京国際フォーラムといった国内有数の展示場の中間に位置する築地に総合MICE機能を備え、施設の一体運用に
より、これまでにない大規模な国際複合コンベンション(文化・芸術・スポーツ・ライフサイエンス分野等)の誘致・開催が可能
• 大規模集客・交流施設や観光利用の舟運ネットワークやナイトクルーズに加えて、浜離宮恩賜庭園や築地場外市場といった魅力ある
周辺資源等のユニークベニューにより、築地ならではのアフターMICEを提供
〇 歴史ある「食」を堪能できるにぎわいの空間
• 築地場外市場とも連携し、世界に誇る日本食をはじめとした美食を提供することで、江戸前の伝統的な食文化を国内外にアピール
• 最先端の食の研究を含む、一流シェフの料理への想いや経験を学ぶ機会等、日本の食産業・文化の発展を促すフードイノベーション
拠点「築地クリナリーセンター」を創設
• プロムナードの両側に、商店街が続くように店舗を連続的に配置
〇 築地らしい文化・芸術を発信する水辺に開かれたシアターホール
• 舟運利便施設に整備する「シアターホール」(収容人数約1,200人)は、文化・芸術の発信拠点となり、季節ごとに変化する
エンターテインメントの提供やイベントの実施により、まちの魅力を継続的に向上
〇 近接する医療機関等と連携した
ライフサイエンス分野のイノベーションを生み出す拠点
• 健康長寿社会の研究都市を目指すため、ライフサイエンスやバイオテクノロジー、AI等の先端研究機能と関連オフィスを導入
• 国立がん研究センター隣接エリアにライフサイエンス分野を牽引するラボやインキュベーション施設等を配置。最先端の情報や人材、
技術を集積して、創薬等の研究開発における相乗効果を最大化
• 小児がん患者等とその家族が治療を受けながらも一緒に日常生活を送ることのできる滞在施設を整備
〇 環境配慮の取組
• 街区全体で省エネルギー化を図りながら、先行にぎわいの創出時からまちづくりの全ての段階でCO2排出実質ゼロを実現
• 隅田川の河川水熱を利用した熱供給施設を設けるなど、再生可能・未利用エネルギーの活用による省エネを推進
• 夏の卓越風を通す「風の道」をつくる配置・デザイン
• 大規模な緑化により緑被率40%を確保、国産木材活用による自然との共生と炭素固定の促進
• 都民に種の採取、育苗、植林、間伐等を体験してもらう環境学習の機会を提供
〇 にぎわいの先行的な創出
• 波除神社の隣接地に「波除広場」やフードホール等の施設を一体的に整備し、年間を通じて様々なイベントを企画・開催
• 築地場外市場と連携し、本設まちづくりへの期待感を醸成する新たなにぎわいを早期に創出
• 地元との連携や、オーバーツーリズムの緩和に資する取組、こどもが訪れたくなる企画等により、幅広い層に愛される場所を目指す