ふしぎな石ころで共鳴体験を生み出す大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「Better Co-Being」

宮田裕章プロデューサー

2024年9月10日、2025年日本国際博覧会協会は都内の会議室で、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)において宮田裕章プロデューサー(慶應義塾大学医学部教授)が手掛けるシグネチャーパビリオン「Better Co-Being」の展示企画概要を発表した。

「Better Co-Being」は屋根や壁がなく、万博会場中央にある静けさの森と一体となったパビリオン。敷地面積は約1,634㎡で、設計はSANAA。文明の転換をもたらす技術の本質が「共鳴」であるという考えのもと、アートを通じた体験や、人工的な虹を作り出す体験により、来場者が未来社会に思いを馳せる仕掛けを作る。

パビリオンは3つのシークエンスで構成。シークエンス1は「人と人との共鳴」、シークエンス2は「人と世界の共鳴」、シークエンス3は「人と未来の共鳴」がテーマとなっている。

シークエンス1「人と人との共鳴」©SANAA

共鳴体験の鍵となるのが2つのキーマテリアルだ。大林組が開発した「Better Co-Beingアプリ」は来場者の共鳴体験をサポートするWebアプリで、万博期間中に来場者の体験をアーカイブし、他者の多様な視点・価値観への気づきを促す。村田製作所が開発した「echorb (エコーブ)」石ころのような形状をしており、 振動などによって触覚を再現する3Dハプティクス技術の応用により、来場者同士の共感性を高める。

ふしぎな石ころ「echorb」©Better Co-Being

宮田裕章プロデューサーは「このパビリオンでのDX体験は、大阪・関西万博後には街にも広まっていく」と語り、echorbを未来につながるアーティファクトと位置づける。