【レポート】「X Games Chiba 2024」が開催 アクションスポーツとストリートカルチャーの魅力を幕張メッセから発信

組織委員会は9月20日から22日の3日間、「X Games Chiba 2024」を幕張メッセで開催した。「X Games」はスケートボードやBMX、Moto X (フリースタイルモトクロス競技) をはじめとしたアクションスポーツの国際大会だ。
今回の千葉退会では世界からトップクラスのアスリートたち約80人が集結し、スケートボード、BMX、Moto Xの3競技から11種目を行った。

◆コースデザイン
コースデザインを手掛けたのはオリンピックのコース設計も担当したカリフォルニアスケートパーク社で、上の席からも下のスタンドからも見やすい構造とした。禅寺や四季の移り変わりを表現したほか、樹齢200年の盆栽をあしらうなど、日本らしい風情を演出している。

プレスビューではケビン・ペラザ 選手(BMXストリート)、 アリサ・トルー 選手(女子スケー トボード パーク)、 赤間凛音選手 (女子スケートボード ストリート)、 白井空良選手(男子スケートボード スト リート)、 ナイジャ・ヒューストン選手 (男子スケートボード ストリート)の5名が登壇した

◆9月19日 メディアプレビュー
千葉市・神谷俊一市長は「今年から幕張メッセに会場を移し、天候に関わらず選手と観客の皆さんが競技に集中できる環境となった」とイベントの変更点について触れた。また大会開催に合わせた千葉市の取組みについてもPR。「選手の学校訪問プロジェクトではスケートボードの四十住さくら選手にご協力いただいた。生徒にとって世界で活躍する選手と身近に交流できる素晴らしい機会となった」話した。

主催者 X Games・CROのエリック・ジョンソン氏は「日本での大会開催により、才能豊かな日本のアスリートたちにスポットライトを当てられて非常に嬉しい。X Gamesの理念は、世界中のアスリートやファンを集めて、ファッションやアイデンティティを共有しながら互いに楽しむ場を提供すること。すべての皆さんにとって忘れられない体験になることを楽しみにしている」と期待を述べた。

いままで25回もの X Gamesに参加し、15枚もの金メダルを獲得しているスケートボードのナイジャ・ヒューストン選手は日本のアクションスポーツについて「スケートボードをはじめ日本のアスリートたちが大きく盛り上げてくれている」と述べ、「東京のストリートには滑るのに良いスポットがあるが、規制が少し厳しい。こうした場所をスケーターが楽しめるようになればスケートやカルチャーがもっと盛り上がるし、僕らにとっても嬉しい」と話した。

千葉市・神谷俊一市長と X Games・CROのエリック・ジョンソン氏

◆競技レポート

©Brett Wilhelm/X Games

男子スケートボードストリートの決勝では、金に白井空良選手、銀に根附海龍選手、銅メダルを小野寺吟雲選手が獲得し、表彰台を日本人選手が独占する形に。最後のランまで白井選手と根附選手の接戦が繰り広げられ、会場内の観客も熱を持って試合を見守っていた。

男子スケートボードストリート ベストトリックでは、X Games初出場の池慧野巨選手が大技を披露し金メダルに輝いた。続いてコルダノ・ラッセル選手が銀、ナイジャ・ヒューストン選手が銅メダルとなった。また男子スケートボードバートではギー・クーリー選手が金メダルを獲得。最後のランではこれまでの大会で成功したことのない技「ボディバデリアル900」を決めた。
女子スケートボードパークではアリサ・トルー選手が5つ目の金メダルとなり、3大会連続で優勝を果たした。

BMXパークベストトリックも次々と大技が繰り出される非常にレベルの高い展開となり、ダニエル・サンドバルが金メダル、ジェレミー・マロットが銀メダルに輝いた。二人は互いに親友でトレーニングパートナーでもあるという。

©Brett Wilhelm/X Games
©Brett Wilhelm/X Games
©Brett Wilhelm/X Games

大会クライマックスのMoto Xベストトリックでは、強風により当初予定していた21日から22日に延期し実施。21日は集まった観客のために、日本人ライダーである東野貴行選手と渡辺元樹選手がデモとしてテクニックを披露した。ライダーたちがジャンプ台から飛び出し、技を決める度に観客からは大きな歓声が上がった。
競技結果は前大会で銀メダルだったロブ・アデルバーグ選手が優勝し、ジャクソン・ストロング選手が続いた。日本のFMXの実力を示してきた第一人者、東野貴行選手は11年ぶりのメダル獲得となった。金メダルに輝いたロブ・アデルバーグ選手は優勝の喜びを問われると「とにかく日本の皆さんが楽しんでくれたことが嬉しい」と語った。

©Yoshio Yoshida/X Games
©Yoshio Yoshida/X Games
©Yoshio Yoshida/X Games

◆Xフードフェス
「Xフードフェス」では世界中から人気のストリートフードが集結し、ワンハンドメニューやスパイシーメニュー、スイーツ、限定ドリンクなどを販売した。なお「Xフードフェス」のみの入場は500円で、すべての飲食店はオールキャッシュレスを採用した。

◆メインステージでのイベント
会場内のステージではジャパン・アクション・スポーツ表彰式やブレイキンエキシビジョンバトル&ショーケース、内野洋平氏によるBMXショーケース、音楽ライブといった、複数の切り口からストリートカルチャーを発信する企画を行った。

◆千葉市関連コーナー・企画
千葉市は来場者や子どもたちに向け、スケートボードとBMXの体験コーナーを設置した。また千葉ゆかりの食をPRするキッチンカーも出展した。
脱炭素に向けた取組みも会場内の各所で実施し、メルセデスベンツジャパンとの協力で電気自動車の展示したほか、会場内で出た割り箸のごみを回収。チップ化をしてボイラー用の燃料として活用する。

◆競技結果(敬称略)
[男子スケートボード]
・Vart
1.ギー・クーリー
2.猪又湊哉
3.トム・シャール

・Vart ベストトリック
1.ギー・クーリー
2.柴田モト
3.猪又湊哉

・Park
1.トム・シャー
2.キーラン・ウーリー
3.ギャビン・ボッガ-

・Street
1.白井空良
2.根附海龍
3.小野寺吟雲

・Street ベストトリック
1.池慧野巨
2.コルダノ・ラッセル
3.ナイジャ・ヒューストン

[女子スケートボード]
・Park
1.アリサ・トルー
2.スカイ・ブラウン
3.ヘイリ・シルビオ

・Street
1.クロエ・コベル
2.伊藤美優
3.赤間凛音

[BMX]
・Park
1.ローガン・マーティン
2.中村輪夢
3.マーカス・クリストファー

・Park ベストトリック
1.ダニエル・サンドバル
2.ジェレミー・マロット
3.クリストファー・マーカス

・Street
1.ギャレット・レイノルズ
2.デボン・スマイリー
3.カレッジ・アダムス

[Moto Xベストトリック]
1.ロブ・アデルバーグ
2.ジャクソン・ストロング
3.東野貴行