菊地 次はBarco のビデオプロセッサー➌「Encore 3」です。会員の皆さんも気になっている機材の一つではないでしょうか? InfoCommとISE、いずれのツアーでも皆さんかじりつきだったとか。これは木村さんにお聞きしましょうか。ポイントはどこだとお考えですか?
木村 今まで使っていた機材からインターフェースはそのままに、ネイティブ4K の映像を制御・管理できます。今は4K 映像を使う機会が多いのですが、将来的に8K の映像を扱うことになっても引き続き使えるくらいのスペックであるところがポイントですね。
菊地 次はおなじみ、➍ Roland ブースですね。ストリーミングビデオスイッチャー➎「V-80HD」も全員が興味ありという機材です。会場で実機が展示されていましたね。石丸さんもイチ推しでした。
石丸 そう、好き! この製品はリアの真ん中にLAN(RTMP/SRT)のハブが初めて搭 載されています。
今まで配信でスイッチャーを使うときは、USB を使っていました。配信時にパソコンを介して使う。これにはデメリットがあり、パソコンの性能に依存することで、パケットロスや遅延の問題を含む小さなストレスがありました。ダイレクトにLAN の入出力ができるようになったことで、この小さなストレスが解消されました。
透過型ディスプレイ、透過型LED が再びトレンドに
菊地 Samsung の ➏「Transparent MICRO LED」は木村さんのご紹介ですよね?
木村 はい。この製品を含め会場では「トランスペアレント」という言葉を多く見かけました。透過や透明という意味なのですが、それをウリにした商品が多かったですね。業界内でLED やパネルを含め透明なソリューションがトレンドのようで、ガラスの間に映像を挟み込むソリューションもありました。
菊地 Muxwave 社の透過LED パネル ➐「Holographic Invisible Screen」も透明さが特徴の製品です。これは会場でも存在感があって、ISEチームもInfoComm チームも気になったようです。これは2023 年に東京ビッグサイトで開催された「LIVeNT」でも実機が展示されました。現場での使い勝手はどうなんでしょうね?
石丸 この製品は高さに制限があって、14m が限界だったかな。横は広く使えるようです。これのすごいところは、透過LED でありながら、僕らが良く知っている透過LED と違って、コンテンツの後ろや端にフレームや電源ユニットが見えないところです。
透過率とヌケ感、映像のコントラストに加えて、後ろに邪魔なものがなにも見えない点もすごい。こうした映像演出ができる機材はレンタルで運用できるのが理想なのですが、この大画面を毎回展示会で扱えるかというと実際は難しい。
菊地 国内の展示会でも是非見たいですよね。
石丸 見たい見たい。JVRA のメーカー会員でLED を作っている企業に、もう少し硬い素材でもいいので、似た演出や使い方ができる製品の開発をお願いしたいです。積み重ねたりぶら下げたりする形で設営しやすく、丈夫でレンタル向きで、映像を縦に大きく作れるものがあったら嬉しいです。
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