2024年も残すところわずかとなった。
そこで今年1年の展示会・MICE業界の主なニュースを振り返ってみたい。
1月
能登半島地震が発生
1月1日に石川県能登半島で最大震度7の地震が発生。大きな被害が出た。金沢市にある石川県産業展示館は一次避難所や支援物資の物流拠点として利用された。
日展協新年会で新会長の堀正人氏が挨拶
2023年12月に死去した日本展示会協会(日展協)越野滋夫前会長に代わり、イノベントの堀正人氏(イノベント 取締役代表執行役社長)が会長に就任。1月11日に行われた新年懇親会で挨拶をした。活動方針として①次世代に向けた未来、②開かれたオープンな業界づくり、③課題解決に向けた迅速な行動という3つを掲げた。
2月
MICE4団体による初の合同交流会が開催
2月14日に日本コンベンション協会(JCMA)、日本展示会協会(日展協)、日本イベント産業振興協会(JACE)、MPI Japan ChapterのMICE4団体による、合同交流会が東京・港区のアクアシティお台場で開催された。ARを使った競技「HADO」でチーム対抗戦を行い、その後は会場をカフェに移し交流会を実施。若手を中心に約50社から200人近くが参加した。
「東京ゲームショウ2024」が幕張メッセ全館使用を発表
コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が9月開催予定の「東京ゲームショウ2024」について、4年ぶりに国際会議場やイベントホールを含めた幕張メッセ全館を使用すると発表した。
3月
ポートメッセなごやが2026年の貸し止め期間を発表
愛知・名古屋市のポートメッセなごやは、2026年に「第20回アジア競技大会」「愛知・名古屋2026 アジアパラ競技大会」で使用されることから、同年4月から12月までの期間、一部の会場貸出を停止することを発表した。
「GREEN×EXPO 2027」公式マスコットキャラクターのビジュアルを発表
2027年国際園芸博覧会協会は3月19日、「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園
芸博覧会)」の開催3年前記者発表会を開き、公式マスコットキャラクターのビジュアルを発表した。
自工会がB to Bイベントの開催を検討
日本自動車工業会(自工会)は3月22日の記者会見でB to Bイベントの開催を検討していることを明らかにした。2023年にはリニューアルした世界最大級の自動車展「JapanMobilityShow(旧:東京モーターショー)」を開催しており、隔年開催のため従来であれば展示会のない年になるはずだった。
東京ビッグサイト周辺で「フォーミュラE」が開催
3月30日・31日に東京ビッグサイト周辺で「電気自動車のF1」とも呼ばれる「Formula E 2024 Tokyo E-Prix (フォーミュラE東京大会)」が開催された。また、それに合わせて関連イベント「E-Tokyo Festival 2024」が東京ビッグサイト東1~3ホール、西1~4ホール、西アトリウムで行われた。
4月
JCDの新社長に藤原卓行氏が就任
4月1日付で、「nano tech 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」などの展示会を主催するJTBコミュニケーションデザイン(JCD)の新社長に藤原卓行氏が就任。藤原氏は2022年よりJTB 執行役員ツーリズム事業本部 仕入商品事業部長を務めた。
JCMAが観光庁に提言を提出
日本コンベンション協会(JCMA)は4月11日、観光庁に「次のステージへ MICEの産業化へ向けた提言」を提出した。提言では①「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」に沿った取り組みを強力に推進、②MICE産業全体の底上げ、③産業育成の観点から、省庁横断でMICEの活用を積極的に推進、④政策実現のためのMICE関連予算の拡充、の4点について強く訴えた。
大阪・関西万博1年前
4月13日に「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」開催1年前となった。これに伴い大阪と東京を中心に関連イベントが次々に開催された。
5月
「JAPAN MOBILITY SHOW」と「CEATEC」の併催が発表
日本自動車工業会(自工会)は5月23日の記者発表会で、2024年10月に「JAPAN MOBILITY SHOW」と国内最大級のIT・エレクトロニクス展「CEATEC」を幕張メッセで併催すると発表。同時に2024年はB to B 、2025年はB to Cといったように、B to B(プロセスイヤー)とB to C(ショーイヤー)を交互に回していく方針であることを明らかにした。
札幌市が計画中の新展示場整備事業について札幌展示場PFIと契約
札幌市は2027年9月に豊平区・月寒グリーンドーム跡地にオープン予定の新展示場について、5月27日に大林組グループが代表を務める特別目的会社(SPC)札幌展示場PFI(代表:川村 彰)と整備事業を締結した。札幌展示場PFIは2042年まで展示会場と付帯施設の施設整備、維持管理、SPC運営管理を行う。
JCMAが関西支部の立上げを発表
日本コンベンション協会(JCMA)は6月12日の「第9期(2023年度)社員総会」で、設立10種年を迎える2025年に初めて大阪で社員総会を開催予定であり、それを機にJCMA関西支部を立上げることを発表した。
6月
「第10回JACEイベントアワード」最優秀賞が決定
日本イベント産業振興協会(JACE)は6月14日、「第10回JACEイベントアワード」表彰式を東京・港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで行った。191作品の中から最優秀賞・経済産業大臣賞(日本イベント大賞)に「柏の葉イノベーションフェス―RALKINGU CITY―」が選ばれた。
「GREEN×EXPO 2027」公式マスコットキャラクターの名前を発表
2027年国際園芸博覧会協会は6月22日、「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園
芸博覧会)」が開催1000日前を迎えたことから記者発表会を開き、一般公募の結果、公式マスコットキャラクターの名称が「トゥンクトゥンク」に決定したと発表した。
東京ビッグサイトの新社長に前田信弘氏
6月25日付で東京ビッグサイトの代表取締役社長に前田信弘氏が就任。前田氏はこれまで東京都の副知事などを務めた。
7月
インテックス大阪の新理事長に北岡均氏
7月1日付で大阪国際経済振興センター(インテックス大阪)の理事長に北岡均氏が就任。北岡氏は2020年6月から4年間、専務理事として務めた。
日展協が韓国・釜山の視察団と会合
日本展示会協会(日展協)国際交流委員会は7月3日、東京・千代田区の東京国際フォーラムで韓国・釡山の「グローバルMICE視察団」と意見交換を行った。視察団は釡山コンベンション産業協会、学界、釡山市および釡山経済振興院関係者、現地運営会社から構成。両国の展示会産業の現状や、安全・安心、サステナビリティ、人材教育および確保といった課題について話し合った。
東京ビッグサイトで「LIVeNT 2024」が開催
7月3日から5日まで、東京ビッグサイト南展示棟でRX Japanが主催する「LIVeNT(ライベント)2024」(構成展:「ライブ・エンターテイメントEXPO」「イベント総合EXPO」)が開催され、3日間で26,701人が来場した。また、2025年は会期・会場を変え、1月22日から24日まで幕張メッセで開催することも発表された。
8月
MICE4団体合同モルック大会が開催
8月6日、東京・千代田区にある御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで、日本コンベンション協会(JCMA)、日本イベント産業振興協会(JACE)、日本展示会協会(日展協)、MPI Japan ChapterのMICE4団体が合同で「モルック大会」を開催。モルックとは木の棒(モルック)を投げて倒れた木製のピン(スキットル)のスコアを競う、フィンランド発祥のカジュアルスポーツ。若手中心に70人以上が参加し、交流を図った。
「JAPAN MOBILITY SHOW」B to Bイベントの名称が決定
日本自動車工業会(自工会)は8月20日、10月に開催する「JAPAN MOBILITY SHOW」B to Bイベントの名称を「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK」に決定したと発表した。
八芳園がリニューアルプロジェクトを発表
東京・港区白金台にある八芳園は8月22日、2025年に行うリニューアルの内容を発表した。2025年2月〜9月の期間全館休館し、10月1日にグランドオープンする。150人以上対応の会場の空きが少ないことから、大人数対応に対応するほか、庭園を見下ろす5〜6階を対象に改修を進め、会員限定のクラブフロアも設ける。
Aichi Sky Expoが開業5周年を迎える
愛知・常滑市にあるAichi Sky Expo(愛知県国際展示場) が8月30日で開業5周年を迎えた。
9月
MICE関係者のためのサステナビリティガイドブックが完成
イベントMICEサステナブル運営コンソーシアム(構成団体:2025年日本国際博覧会協会、日本イベント産業振興協会、日本コンベンション協会、日本ディスプレイ業団体連合会、日本展示会協会、大阪観光局)は9月20日、「イベントMICE関係者のための使いやすいサステナビリティガイドブック」完成記者発表会を開催した。特に注力するテーマとして「環境(脱炭素、資源循環)」、「人権(労働安全衛生、DE&I)」、「社会貢献」の5つが設定されている。
「[九州]半導体産業展」初開催
9月25日と26日の2日間、マリンメッセ福岡B館で「[九州]半導体産業展」が初開催された。運営はイノベント。半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に半導体工場を建設することが決まったことを受けての開催だった。
「東京ゲームショウ2024」過去最高規模に
9月26日から29日まで幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2024」は出展者数985社、出展小間数3,252小間と、いずれも過去最大規模を記録。来場者数は前年から31,501人増の274,739人だった。
東京ディスプレイ協同組合が60周年記念事業を開催
東京ディスプレイ協同組合(東デ協)は9月27日と28日に東京・千代田区の東京ミッドタウン日比谷で60周年記念イベント「超・文化祭」を開催した。
10月
「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK」が初開催
10月15日から18日まで幕張メッセで「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK」が初開催された。併催は25周年を迎えた「CEATEC」。会期中には「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」を東京ビッグサイトを中心に、2025年10月30日から11月9日までショー形式(B to C)で開催することも発表された。
「Japan MICE EXPO」がインテックス大阪で開催
Japan MICE EXPO 2024実行委員会(大阪観光局、大阪国際会議場、大阪国際経済振興センター)は10月17日と18日にインテックス大阪で「Japan MICE EXPO 2024」を開催した。「Japan MICE デスティネーションEXPO」「MICE 開催支援EXPO」の2展で構成され、MICEのサプライヤーや全国の自治体・コンベンションビューローなどが出展した。
幕張メッセ開業35周年の式典を開催
幕張メッセ10月21日、国際会議場コンベンションホールで開業35周年記念パーティー「ありがとう!祭り」を開催した。式典には進藤孝生会長や今清水浩介社長に加え、熊谷俊人千葉県知事、神谷俊一千葉市長も出席。オープニングパフォーマンスでは八千代松陰高校書道部による演舞が行われた。
11月
JIMTOF過去最大規模で開催
日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは11月5日から10日まで、東京ビッグサイト全館で「JIMTOF 2024(第32回日本国際工作機械見本市)」を開催した。出展規模は過去最大の1,262社5,743小間で、12万9,018人が来場。海外からの来場者は1万423人と、前回の4,815人から3倍近く増加した。
12月
JNTOが2023年の国際会議統計を発表
日本政府観光局(JNTO)は12月13日、2023 年に日本で開催された国際会議の統計を発表した。開催件数は1376件となり、前年比2.5倍。参加者総数は101万6,000人(うち外国人参加者数12万9,000人)で前年比3.1倍を記録し、2022年から大きな回復を見せた。