【特集 2025年、経営者の視点】
「コンサル型」アプローチで課題を解く
【シムディレクト・長崎 英樹 代表取締役】

展示会・イベント業界は、変化する市場や社会のニーズに応える柔軟性と革新性が求められている。本特集では業界を牽引する経営者たちに、2025年に向けたビジョンや挑戦、重要テーマを語っていただいた。

(※本記事は新聞「見本市展示会通信」(2025年1月15日号)に掲載された「特集 2025年、経営者の視点」から転載しています)

 

――シンユニティグループは、タケナカやSWAG(スワッグ)などさまざまな企業で構成されていますが、その中でシムディレクトが担う役割は

シムディレクトは、タケナカから派生した会社なので、プロジェクションマッピングや空間演出を得意としています。特にデジタル演出の会社というイメージは持たれていると思います。

スワッグはクリエイティブ分野に強く、将来的にはスワッグがクリエイティブの中心となり、グループとしてトータルコーディネートできるようになるといいと思います。そうなるとシムディレクトは今よりさらにもう一段上の領域を広げていかないといけないと考えています。

――「一段上の領域」とは

クリエイティブはあくまで一部分でしかなく、マーケティングや分析なども含めた、コンサルティングのような立ち位置を目指しています。実際、今もオフィスエントランスやテーマパークなどで演出を手掛けていますが、もっと手前の段階から「集客したい」「ブランドを高めたい」などの相談を受けられるようになりたいと思っています。デジタル演出は大事ですが、それだけに留まらず、根本的な課題解決を総合的にサポートできる会社へシフトできるよう、強みを活かしながら発展させていきたいと考えています。

――クライアント側が課題を明確にしていない場合もありますが、その際のアプローチは

やはり「経営視点でどんな成果を望んでいるのか」を想像しながら提案することが大切です。担当者が気付いていない部分も、経営者は見えているかもしれない。そのギャップを埋めるのが我々の役割ですね。

例えば予算のわりに得られる価値が大きいイベントなら、もう一歩踏み込んだ演出を提案し、投資に見合うリターンを得ましょうと言えるかどうか。それで実際に予算が倍になることもあれば、逆に縮小されることもある。けれども常に、クライアントの最終的な目的に寄り添うよう努めています。

――今年、公式HPをリニューアル予定と伺いました。狙いをお聞かせください

デジタル演出=シムディレクト、だけではなく、企画やブランディング、コンサルティング面も含めて対応できる会社だという点をしっかりアピールするためです。実際にクライアントと話してそのように思ってもらえても、現状のHPではデジタル演出の部分がまだ前面に出ている。我々の姿勢が広く認知されるには時間がかかると思います。だからこそ今から「シムディレクトは課題解決型のプロ集団だ」というイメージを打ち出していきたい。HPのリニューアルも、その第一歩になるはずです。