みやぎ産業交流センターは2月18日、夢メッセみやぎ(宮城県仙台市)で「第15回 夢メッセみやぎ講演会」を開催した。本講演会ではシャベリーズ代表取締役・丸山久美子氏が、展示会での集客を成功させるための手法を紹介した。講演には出展者から業界関係者まで幅広く集まり、参加者は実践的なアドバイスに熱心に耳を傾けた。
来場者視点で考えるブース設計
丸山氏はまず「展示会での集客は来場者の視点に立つことが重要」と述べた。多くの出展者は、自社の商品やサービスを中心に考えてブースを設計しがちだが、来場者がどのようにブースを認識し、どこに視線を向けるのかを考慮することで効果的な集客が可能になるという。「出展者はブース内側に立つことが多いため、視点が固定されがちです。しかし来場者は通路からブースを眺めるため、見え方が異なります。設営時には通路に出てブースを外側から見直すことが重要です」(丸山氏)。
続いて「来場者に声をかける際の第一声の重要性」についても強調した。よくある「こんにちは」「いらっしゃいませ」といった一般的な挨拶は、来場者が無視しやすいNGワードだと指摘。その代わりに、来場者が見ているものを端的(3~5秒程度)に説明すること。さらに、イエス・ノーで答えられる簡単な質問や選択肢を提示する質問を組み合わせることで来場者の関心を引き、より効果的な会話につなげることができると解説した。
名刺交換で「見込み客」を見極める
展示会の成果を左右する要素のひとつとして、丸山氏は名刺交換の質を挙げた。ただ名刺を集めるだけでなく、見込み客かどうかを見極めることが重要で、「名刺交換はできるだけ早い段階で行うべきです。理想は会話の3往復以内。早めに交換することで相手の会社名や役職、部署などが分かるため、商談の可能性を見極める大きな手助けになります」と述べた。
講演では、実際に展示会で成果を上げたテクニックが多数紹介され、参加者が積極的にメモを取るようすが見られた。また、講演後のアンケートでは「ブース装飾に関する内容がすぐに実践できると感じた」「悩んでいたことが解決できそうな気がした」「対応できそうなことが学べた」といった声が寄せられ、具体的かつ丁寧な内容が参加者から高く評価された。