熱気にあふれた沖縄観光&MICEコンテンツフェアin東京

 

1月29日、「展示会とMICE」記者の宇部は東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪に行ってきました。沖縄キックオフプロジェクト2013『沖縄観光&MICEコンテンツフェアin東京~オールおきなわ大博覧会』が開催されるからです(寒風吹きすさぶなか、暖かい沖縄気分に浸りたくて取材にきた私の動機は不純ですか?「取材にきませんか」とお声がけいただいた主催者の沖縄県と沖縄観光コンベンションビューローのみなさんにはとても言えませんが)。

気を取り直して、マジメにいきます。この催しは県内の観光資源や施設またMICEサプライヤーのみなさんがブース出展し、沖縄で提供できる新たな観光やMICEメニューを提案するといったものです。旅行会社をはじめ企業や団体またMICEプランナーなど関係者との商談と情報交流を通して、沖縄MICEのブランド確立と需要喚起を図るためにここ数年、毎年この時期に開催されています。

さて、13時の開場です。主催者のあいさつに続き本日の目玉企画、琉球王朝の時代劇ドラマ「テンペスト」に出演した俳優の谷原章介さんが登壇し、ビューローの安里繁信会長とトークセッションを行ないました。もちろん会場は満員。谷原さんは沖縄ロケ中に見つけた沖縄の魅力について語りましたが、私の記憶に残ったのは「うちは5人家族だから、家族で自炊できるコテージを利用したい」と言っていたこと。いい人なんだな~と素直に思いましたね。すかさず安里会長。「ちょうどこの春から3世代家族向け商品をプロモーションしますよ」 さすが会長、PRを忘れない。

今年のフェアはキーワードに「Be Innovative! OKINAWA」を掲げて、オール沖縄体制で「新しい沖縄の魅力」を発信するため、新たな取組みをしている企業・団体が出展していました。会場内は“地域観光紹介エリア”(17団体出展)、“観光特設エリア”(21社・プロジェクトが出展)、“MICE紹介エリア”(30ブース)の3ゾーンで構成。3月に開港する新石垣空港の紹介、新たな修学旅行体験メニュー、離島の自然を活かしたMICEベニュープログラム、沖縄独自の文化との融合を図るMICEまた食との融合を図るMICEの提案、アーバンまたリゾートホテルの紹介など盛りだくさんの内容です。「会場を回る時間が足りないよ」との来場者の声も拾いました(どうだ。さすがプロの記者。取材が細やかでしょ)。

主催者への取材も忘れません。ビューローの国内プロモーション課・照屋依子さんは「来場していただいた方々には沖縄の進化を感じていただけたと思っています」とコメントしてくれました。ちなみに会期中の取材だったので正確にカウントできていないが、来場者数は600人ぐらいだろうとのことで、この数字に不満はないとの自信を滲ませていました。

 

 

そしてこの後、18時から会場を移して飛天の間で行なわれる「沖縄ナイトin東京」にはなんと約1500人もが集うとのこと。そう、沖縄ナイト。宇部は昨年、美味しい沖縄料理の数々を目の前に、取材熱心のあまりオリオンビール1杯しか口にできませんでした。今年こそは沖縄の牛肉や海ぶどうなどにありつくぞと一大決心をして取材にのぞみました(料理をとるのにカメラがジャマだなぁ)。

沖縄ナイトでは最初に、仲井眞弘多沖縄県知事が「昨年は日本復帰40周年でした。今年も新たなスタート切ります。これまで日本政府また日本国民みなさまのおかげで沖縄の観光産業が成長でき、わが県の産業も生活も見違えるようにかわりました。ありがとうございます」と頭を垂れました。心にしみいる深い言葉でした。

そのあと、有名人のあいさつ・トークオンパレードが最後まで続きました。なにしろ登壇者が多いですから全部は紹介しきれません(けっして料理をとるのに忙しかったわけではありませんので勘違いしないように)ので、多少、急ぎ足で紹介します。まず、沖縄担当大臣の山本一太氏。「沖縄が(日本発展の)フロントランナーになる」と力説しました。

また、元巨人軍の篠塚・駒田選手が登壇して、沖縄のプロ野球キャンプの楽しみ方を話しました。吉本興業所属で沖縄出身の漫才コンビスリムクラブと宮川たま子さんが沖縄国際映画際の魅力を、笑いとともに伝えました。もっともっと多くの方々が登壇して沖縄ナイトを盛り上げたのですが、宇部の一身上の都合で紹介しきれないことをご了解下さい。

最後に、石垣市長の中山義隆氏が「ちばりょー」(ウチナーグチ=沖縄弁)と中締めの発声をしました。

 

この文章の結びに、今回の東京開催のなかで特に印象に残ったことを書きます。ビューローの安里会長の言葉です。

「青い海、燦々と輝く太陽が沖縄の魅力ですと来沖する修学旅行生に話しています。でも、それだけではない。この国の矛盾がすべて沖縄に凝縮されているんだよとも話します」

そうですね、戦争時代、戦後のアメリカ時代、復帰、いや日本ではなく中国の顔を見ていたテンペストのような時代もある。いまでは、基地問題、オスプレイ…etc.

輝く沖縄、その一方ではどう解決していけばいいのかわからない数々の問題が横たわっていますね。安里会長は「沖縄の魅力は人の温かさ」とも言いました。「相互扶助の精神『ゆいまーる』が沖縄の本当の財産なのだ」と。私たちが沖縄に行きたいと思うのは、整備された立派なハードではなく、“ゆいまーる”のようなヒューマンウェアを、そうとは気づかずに心の底で感じ取っているからなのかもしれません。

 

フェアとナイト、終わってみれば沖縄の力強い息づかいが伝わってくるイベントでした。この文章を綴っている本日1月30日は、同様のプロジェクトを大阪のザ・リッツ・カールトン大阪で開催しているはずです。沖縄のみなさん、体調を崩さないように、沖縄をプロモートして下さい。

(展示会とMICE 編集記者 宇部芳彦)