「美ら島セミナーin東京」 沖縄Cの魅力~世界遺産“首里城”でのパーティ開催も~

2月22日、六本木のザ・リッツ・カールトン東京で、沖縄での会議開催の魅力を語る『美ら島セミナーin東京』が開催されました。

さっそく「展示会とMICE」編集部の沖縄MICE特別取材班(といってもわたしくし宇部の1人ですが)は、沖縄の熱い息吹を伝えるべく会場へ向かいました。

ちなみに「美ら」を正しく読めますか。 ビラ?ミラ?うつくしら?…、どれも不正解。

答えは“ちゅら”です。ウチナーグチ(沖縄方言)で「清らしい」という意味ですね。あのジンベイザメで有名な「沖縄美ら海水族館」の「美ら」です。

 

このセミナーは沖縄県、沖縄観光コンベンションビューロー、沖縄コングレが主催し、沖縄のMICE、そのなかでも特にC(会議・コンベンション)に的を絞り込んで、沖縄のMICE開催への支援制度や開催メリット、また伝統芸能などを体感してもらえるような構成で展開しました。参加者は沖縄で会議を開催したことのない学会キーパーソン50人、つまり学会の主催者すなわち先生方です。沖縄未体験の方々にわかりやすくその魅力を伝えるという隠れたミッション(何も隠しているわけではありませんが、こう書くと文章の格調が高まるでしょ!)があります。

 

開会に先立ったオープニングでは、琉球古典舞踏の「四つ竹」が華やかに繰り広げられました。琉球王朝時代に首里城などでお祝い事の際に、歓迎の意を込めて舞われたのだそうです。

セミナーは、ビューローの比嘉徹専務理事の開催あいさつでスタートし、沖縄コングレの武内紀子社長、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の森田洋平副学長代理、東京大学生産技術研究所の藤井輝夫教授の講演と続きました。

 

武内さんは、沖縄の交通アクセスの利点、空港での歓迎セレモニー演出が可能なこと、沖縄コンベンションセンターなど大型学会を行なうのに不足ないハードが整っていること、美しいサンセットを見ながらのパーティ演出ができることなどリゾート型コンベンションの魅力をプレゼンしました。そして、「沖縄コングレは地元沖縄とのネットワーク網をきちんと張っているからしっかりと運営をサポートできます。また親会社のコングレも東京でみなさまの相談窓口になれます」と、さりげなくコングレグループをPRしました。

ちょっと一休み。みなさんは「ウチナータイム」(沖縄タイム)という言葉をご存じですか?南国気質というのでしょうか、沖縄に流れる特有の時間のことで、物事に動じることなく人々はのんびりしているのですね。それが沖縄の人々の温かさを醸し出す一方、急を要する場合には相手がじれったくなるときもあります。それを称してウチナータイム。ウチナータイムにも対応して開催をしっかり支援しますよと武内さんは言いたかったのかもしれないと思うのは、宇部の勝手な思い込みですが…(知ったかぶりをしたかった宇部の沖縄ミニコラムを終わります)。

 

次にプレゼンしたのは、OISTの森田副学長代理。「どうして、学問の最高機関がMICE?」と思いませんか。森田氏によるとOISTは「世界最高水準の研究・教育(を実現する)とともに、沖縄の経済発展に寄与する」という目標を掲げているとのこと。「人の行き来がおこって、新たな研究へのヒント、アイディアが生まれる」と強調していました。具体的には、同通ブースや無線LANなど最新設備を備えた500人収容の講堂が昨年4月に完成。そのほかにも50人規模を収容するセミナールームなども数々あるとのこと。ですからOISTを、会議や講演会などMICEのCに利用してほしいということだったわけです。講堂の利用料金も8時間で7万5000円と格安。ここまでの説明を聞いて、宇部はやっとOISTが、MICEと係わることの意味を納得しました。なるほど。

 

そして、最終講座。沖縄でのコンベンション開催の経験を藤井輝夫教授が語りました。「µTAS2012」という国際会議を、主催メンバーの一員となって昨年、開催した体験談です。

全体講演、受賞講演、特別セッション、ポスターセッションなどで構成され、内外から約1000人が参加したとのことでした。

「ポスター600枚を会期中常時貼り続けておける場所があるか、33の展示ブースを常時設置できるか」など事前には数々の心配ごとがあったと言いますが、「沖縄コンベンションセンターがある」ということで解決したそうです。またコンベンションセンター内ではサーターアンダギーを提供するなど、参加者に沖縄の食にも触れてもらったとも言います。

さらに、バンケット(パーティのことです)は首里城で実施したそうです。世界遺産である首里城をパーティ会場に利用することにはさまざまな苦労があったそうですが、「関係各機関の支援をいただき、やっとレストハウスの芝生広場で実施することができました」と。会議の役員には、“かりゆし”を着てもらい、また同時にお土産に持ち帰ってもらった。海外からの参加者にはサンシン(三線)弾きを体験してもらうなど、とても好評だったと。

藤井教授は沖縄での会議開催の魅力を「アジア各都市からのアクセスのよさ。沖縄コンベンションセンターの存在。文化的・歴史的魅力。海の魅力。食事の魅力」と簡潔に述べ、「機会があれば、ぜひまた沖縄で国際会議をやりたい」と結びました。

以上が、当日のセミナープログラムですが、チョットしたおまけがありました。終了後に、泡盛マイスターが泡盛の古酒(クース)をサーブしてくれました。参加者にまぎれて宇部も一口。「うまい!さすが泡盛マイスターだぞ」

泡盛のおかげで、帰り路はぽかぽかと体が暖かくなりました。沖縄は現在、気温が20度あるそうです。東京で沖縄に触れても暖かくなるから不思議ですね。

(展示会とMICE編集記者 宇部芳彦)