MICEの実践的処方箋 ~観光庁MICE強化委最終とりまとめ~

6提言4テーマ17アクション掲げる

観光庁は6月14日に「第3回MICE国際競争力強化委員会」を開催。世界に遅れを取る、我が国MICE ビジネス復活を図る施策の最終とりまとめを行なった。

開会に先がけて井手憲文長官は、6月14日に閣議決定された日本の新たな成長戦略に「国際会議等(MICE)誘致体制の構築・強化」が盛り込まれたことに触れ、MICEの実践的というべき最終とりまとめの意義と、具体的なアクションプログラムへの移行や閣僚会議や他省庁への働きを強めていく旨を語った。

最終とりまとめでは日本のMICEについて、1991年に50%以上だったアジア域内の国際会議シェアが約20%に低下しているなどの具体例をあげ、アジア太平洋域内のMICE誘致競争の激化にともない日本の地位が低下していると現状を分析。海外と比べ日本の意識が低い、重点目標設定やライバルとの差別化などマーケティングの視点が弱い、潜在需要の掘り起こしができていない、国内MICE関係者の連携不足、MICE誘致の体制や予算の不足など、業界関係者からの指摘についても明らかにした。

都市、コンベンションビューロー、ホテル、会議運営者事業者、旅行業者、運輸事業者などMICEの運営に携わる事業者をMICEプレイヤーと捉え、1)行動基準のグローバルスタンダード化、2)MICEマーケティングの高度化、3)チームとしての協力・連携の推進、4)顧客視点のソリューション提供ビジネスの強化、5)組織強化と人材育成への対応、6)MICEの戦略的活用
といった6つの提言を行なった。

また、国が支援すべき4つのテーマと17のアクションを提言。
1)都市の誘致競争力の強化
・グローバルMICE戦略都市の育成
・コンベンションビューローと民間事業の連携促進・情報共有の強化
・ユニークベニューの開発・利用促進
・MICE視点での都市機能の強化(エリアマネジメント組織との連携等)
・出入国手続きの迅速化・円滑化

2)MICEプレイヤーの強化
・コンベンションビューローの組織強化への取組支援(民間的手法の活用等)
・MICE関係事業者の組織化支援
・研究者等のMICE誘致環境の改善
・MICE分野の人材育成

3)チームジャパンの誘致体制の構築

・MICEアンバサダープログラムの導入
・日本の新しいMICEブランドの構築・強化
・「日本の顔」の育成(海外ネットワークの強化)
・政府の横断的体制の構築
・在外公館や関係府省との連携
・MICE相談窓口の設置

4)国・都市の戦略実現ツールとしてのMICEの活用

・成長分野をターゲットとしたMICE誘致・開催に向けた連携
・MICEを活用した日本の情報発信・ブランディング活動の展開

今後 MICEアンバサダープログラムの策定やユニークベニュー推進競技委員会の設置など、具体的な推進活動に移行していく。