田中旅日記 どさんこーれ札幌 その5

札幌/北海道MICEコンテンツ・マートにおうかがいしたのが今年2月末。最後の旅日記が2か月前の4月17日。長い沈黙を破り、田中旅日記札幌編最終回でございます。

なぜ急に一度限りの再開をしたかと言いますと、冒頭に書きましたように皆さまがこのメールをお読みになるころには、タイに旅立っております。旅立つ前にやり残したことを終わらせておきたいという、非常に個人的な事情によります。

どうしても書いておきたかったのは、お世話になった北海道の皆さまへの感謝の気持ちと好意的にお考えいただければなによりです。

◆札幌コンベンションセンター
展示商談会が行なわれた大ホールの管理を担当した雄鹿さんとセミナーやシンポジウムの会場となった特別会議場や中ホールを担当された岩本さんにお会いしました。

新卒2年目の雄鹿さんが担当した展示会場では4つのテーマゾーンの展示、MICE関連企業など80社・団体の出展ブースが立ち並びました。牡鹿さんが苦労したのは安全面の確保、出展企業や来場者に危険が及ばないかどうか、施設の設備や備品の破損がないかなど、さまざまポイントで目を光らせていました。

この仕事のむずかしさは、利用者からのさまざまな要望にどう対応するか。会場保全の問題だけでなく、安全面、衛生面さまざまなしばりがあるなかで、「できません」とだた断るのではなく、利用者の意図に沿った代替案の提示に頭を悩ませているとのこと。イベント運営にも興味があり、将来的にはお客さまのお手伝いや自主企画などにも調整したいということです。

◆JTB元代表取締役社長、日本観光振興協会副会長の船山龍二さん(船は舟へんに公)。
「日本MICEの現在と未来」をテーマに特別講演をされました。MICEと観光の今日的意義、その市場、課題と提言、仕事としてのMICEなどをさまざまな切り口でお話していただきました。就職フェアの一環としての位置づけでしたが、MICE関係者にも役立つお話でした。
そんなビッグな方とも単独インタビューができました。「学生にMICEの話をすると反応がいいですよ。新鮮でやりがいがあると良い印象をもってもらっています。観光は現在の日本でとても重要な分野です。そのなかでもMICEのビジネスは非常大きな可能性をもっていますが、それが花開くかどうかは、我々の関係者の強い意志と行動次第です。自然に良くなるものではないので、これからの取組みが大切ですね」と訓示をいただきました。重みのある発言です。

◆札幌国際ブラザ
企画事業部長の根子俊彦さんにコンテンツ・マートの取組みについておうかがいしました。今回特長的だったボランティア講座との同時開催については、札幌国際プラザ設立から掲げる3C哲学(コンベンション、コミュニケーション、シチズン)のなかで取り組んでいるもの。市民参加・市民理解を旗印にMICE関連事業の多くにボランティア関連のものを取り入れています。また就職セミナーについては、札幌国際プラザが「さっぽろ雇用創造協議会」の構成員ということやMICEが雇用を創出するツールだということから、実際に企業がMICEに取り組む姿を、学生やMICE関連に就職・転職を希望する人たちに実際に見せことが近道という考えだそうです。
「旅行業自体は厳しいかも知れないが、MICEに目をむけたら可能性があることを見せる場としたい、将来的にはMICEサミットを札幌で開催したい」ということでした。さっぽろMICE推進委員会に参加しており、札幌国際プラザも会員となっているNPO法人コンベンション札幌ネットワークについては「札幌・北海道のMICEを振興するためのしかけですが、この地域だけでなく日本全国で同じような動きを起こすきっかけになるのでは」と期待ものぞかせていました。

◆アクセスサッポロ
いつもイベントスケジュールを送っていただいているアクセスサッポロにもおじゃましました。5000㎡の展示スペースをもち、展示会を中心に大規模な催事の会場となっています。屋外展示場があるのでさまざまな使い方ができそうです。入口と展示場を結ぶグリーンホールは「緑と光」をテーマにしたトロピカルな空間。大きなガラスを100枚も使い太陽光をふんだんに取り込みまたベンジャミーナという木が繁っていて、商談での疲れをいやす憩いの場となっているそうです。こういう会場ごとの個性って素敵ですね。

 

 

さて唐突に再開した北海道編ですが、この1回で終了となります。そして私は心置きなくタイで取材してまいります。(たなか)