連載:経営視点から見る展示会活用法
第7回
アフターフォロー ~マーケティングからセールスへ その1~
柴崎 智弘氏(船井総合研究所)
みなさん
こんにちは。船井総合研究所の柴崎です。
経営視点からみる展示会の活用を考えて、これまでは、展示会そのものを成功させるためのノウハウについてお伝えしてきました。
いかがでしたでしょうか?
さて、展示会においては、展示会が盛り上がったとか、展示会で名刺を沢山獲得することができた!
というところでは、最終的な成果とは言えません。
会社によっては、マーケティング担当の方は、展示会終了時点が最終的なゴールになるかもしれませんが、会社として、企業として、展示会の成果を計るためには、ここで終わりにはできません。
もちろん、重要なのは、これをどうやって売上、粗利に結びつけるかということです。
まさに、マーケティングからセールスへ、という考え方です。
今回と次回は、そのために何をしたらいいのか?
実際に成果をだしている企業は何をしているのか?
というところをお伝えさせていただきます。
まずは結論、展示会後の流れからお伝えします。
展示会→名刺のランク分け→お礼メール→アポ取得→訪問(デモ)→成約
以上のような流れで成約までもっていって、実際の数字に結び付けたいですね。
今回は、その前半部分の名刺のランク分けと、御礼メールという部分についてお伝えしたいと思います。
まず、名刺のランク分けですが、ランク分けというと聞こえが悪いように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、要するに優先順位をつけることが重要です。
展示会で数百枚の名刺を獲得して、いきなり全社に同じようにフォローはできません。
もしフォローしたとしても、成約チャンスのあるところを失ってしまうことになります。
ですので、これは、名刺を獲得した当日に必ず行なって欲しいのですが、獲得した名刺の裏に、A・B・C・Dというように、ランク分けして欲しいのです。
これは、展示会ブースでは、デモ担当、説明担当者の役割です。
その際、きっちりランクの意味を、会社として、決めておくことが重要です。
たとえば…、
Aは、3か月以内に成約の可能性あり
Bは、6か月以内に成約可能性あり
Cは、成約時期は未定だが、自社の商品サービスに興味あり
Dは、情報収集、同業者のため、特にフォローの必要なし
といった具合です。
これは、まとめてやってしまうと大変なので、その都度名刺を獲得して、説明を行なった方が、実施してください。
そして、当日の終礼では、各ランクごとに名刺の枚数がわかるようにしておけると、成果につながるでしょう。
そして、多くの企業ができていないのが、この名刺の先に対して、「当日に御礼メールを出す!」ということです。
多くの企業は、展示会が終わってから、一斉に出したりとか、一週間後に送っています。
私のところにもよく届きます。
しかし、それでは、まったく意味がありません。
多くのメールに埋もれてしまうからです。
ではどうしたら良いのか?
実際には、当日に送られてきたメールしか覚えてもらえません。
ではその文面は?
基本的には、全社一緒で良いと思います。
そして、ポイントは、
1.来場の御礼
2.今後とも情報提供させていただきます、というアナウンス
3.何かあったら連絡ください、という窓口のご連絡
以上の3点を抑えておけば問題ありません。
何よりも大切なのは、スピードです。
当日に送らなくては意味がありません。
これをやるかやらないかで、成果が出るかでないか決ってきます。
この後のセールス活動に影響してくるからです。
それでは、この後のセールス活動については、次回お伝えします。
では、また次回!
連載:経営視点から見る展示会活用法(全10回)バックナンバー
第3回:コミュニケーションの重要性~成功している会社のルールとは?~
第5回:第5回 オペレーション~成功するオペレーションと、失敗するオペレーション~
第6回:ブース内へ呼び込む方法と効果的なノベルティとは?~お金をかければ良いというものではない!~
Profile
柴崎 智弘
船井総合研究所
大學卒業後、大手金融機関にて営業を担当。
2006年より、インサイドセールスの部署の立ち上げに参画。
上場企業や中小企業を常時600社担当し、会わずしてキーマンとの関係構築をし、案件を引き出すという、法人営業、特に金融サービスとしては新しい試みを担当。
2011年10月船井総合研究所に入社。
IT企業ビジネスコンサルティングチームにて、展示会で集客した後の、電話営業でクロージングさせる営業の仕組みを得意とする。
特に、展示会のオペレーションには、成果に直結すると定評があり、展示会をテーマに、約30社のコンサルティングの実績がある。