展示会認証制度改正-利用促進目指す

日本展示会認証協議会(JECC)は8月22日、「展示会統計に係る第三者認証制度」の調査方法および認証マーク使用期間について、9月1日から現行制度の一部を改正することを発表した。

展示会統計に係る第三者認証制度は、国内外の事業者に対して、透明性・信頼性の高い展示会統計情報を提供するため、展示会主催者が公表する数値(来場者数、出展者数、出展面積)がガイドラインで定めた定義と指標に基づいていることを証明する制度として、平成24年度から運用が開始された。

しかし、初年度で4社8件の認証にとどまっており、 同制度の利用促進をはかるため、協議会はヒアリングを実施、会期中調査にともなう主催者の負担が大きい、 認証申請料(30万円※税別) が高いなどの意見を集約した。また、日本展示会協会(日展協)も今年2月に調査手続きの簡便化と認証申請料の軽減などをまとめた改善要望を経済産業省へ提出していた。こうした意見・要望を受けて、協議会は認証制度を設計した経済産業省と調査機関の窓口である日本公認会計士協会東京会と協議を重ね、現行制度の一部改正をまとめた。

主な改正点は、会期中調査実施にともなう主催者負担の解消と認証マーク使用期間を延長したことである。

これまで会期中の調査において、会期当日に主催者側は、多くの必要書類の提出や、調査への同行、あるいは調査員への説明などを行なわなければならず、大きな負担となっていた。今回の改正では、調査の質を変えることなく、会期中調査と後日調査の配分を見直し、「出展者リストと会場配布案内図の照合」や「展示会場における受付方法や来場者のカウント方法の視察」といった会期中でなければ実施困難な項目以外は、 後日調査で実施することとし、会期中調査実施にともなう主催者側の対応・説明は不要とした。これにより会期中調査実施にともなう主催者の負担は解消される。

また、認証マークの使用期間は、これまで次回開催の最終日までだったものを、「毎年開催の展示会については、次々回開催期間の最終日」と改正される。これにより、2年に1回認証申請をする場合は、認証申請料が実質的に半額となる。

経済産業省商務情報政策局生活文化創造産業課の佐藤慎思係長(写真:左)は、「展示会統計に係る第三者認証制度は、 標準化による統計の正確性確保と展示会産業の経済効果の的確な把握、展示会への信頼感増進と出展および来場の促進、グローバル社会における日本の競争力強化など、極めて大きな意義を有しています。今回の改正を機に、展示会産業の関係者の皆さまには、この認証制度がわが国の展示会産業をさらに発展させ、新たな価値創造に向かうための重要な一歩であることを改めて認識していただき、この認証制度を積極的に利用していただきたいと考えています」と語った。

詳細については、日本展示会認証協議会のウェブサイト(http://www.jecc-ninsho.jp/)を参照すること。