IT活用進む台湾MICEの取組み紹介

日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)産業部会は10月1日、日本政府観光局(JNTO)会議室で、「平成25年度第1回JCCB産業部会主催MICE技能研修会(産業部会MICEセミナー)」を開催。会員企業・団体などから約50人が出席した。

研修会では“台湾のMICE事情とIT事例の紹介”と題して台湾貿易センター(TAITRA)本部の副秘書長(副代表)葉明水氏が講演。国際会議協会(ICCA)のベスト・マーケティング・アワードを受賞するなど、国をあげてMICE振興に取組むTAITRAの活動を紹介した。

講演で葉氏は、国際会議の開催件数117件でアジア7位、展示会は62.9万m2でアジア6位、インセンティブツアーでは2010-2012年のMICEイベントでの来訪者45万人のうち約20万人が報奨旅行によるという統計結果を明らかにした。

展示会部門では大型化、専門化、科学技術化、統合マーケティング化、精密化、グリーン化、グローバル化を世界の展示会産業のトレンドと分析。台湾全体で121件のBtoB見本市があり、そのうちTAITRAが32件を主催し、展示面積の42%を占めているとした。また台湾北部のが95展と78.5%と大部分となっている現状を説明した。

また、台湾ではMICEを輸出競争力強化や雇用の増加、潜在力向上のツールと捉え、サービス業の10大重点項目の一つにあげ、政府が全面的に支援していることのほか、産業の集積地であることや、国際的なアワードを首相していること、産業の集積地であること、多くの国際認証の取得者CMPやCMEといった資格所有者が多いこと、マーケティングの成功などを台湾MICEの」有利な点としてあげた。

IT化については、デジタルサイネージや展示会・国際会議のアプリ提供、情報の電子書籍化など環境負荷の低減に貢献するものや、モバイル化、SNSの活用、HP活用などの取組みを解説。とくにモバイル化が近年のキーワードとなっており、アプリにより参加登録、入場管理、支払いなどオペレーションを一括するほか、会議参加者情報やイベントスケジュールの提供、スマートフォンを利用した名刺交換の普及などを紹介。イベント産業IT化の3台キーワードとして、クラウド、SNS、モバイルとした。台湾では現在すでに主なコンベンション施設でフリーWiFIが整備されているほか、台北市全域にフリーWiFiを整備する計画が進んでいるという。

そのほか国際的な協力関係構築の重要さを語り、東京ビッグサイトや日本能率協会とのMOU締結の効果を説明したほか、今後のPCOやPEOなど日台民間企業間の提携の可能性を示唆した。

セミナー終了後には意見交換会が行なわれ、TAITRA関係者とJCCB会員が親睦を深めていた。

なお、JCCBでは11月に台湾視察ツアーを企画しており、会員内外に参加者を広く募集している。
ツアーに関する記事は下記URLから
http://www.eventbiz.net/?p=28529

 

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