たなか旅日記(京都での過ち)前編

とある事情で京都に2度ほど行ってまいりましたので、突発的にたなか旅日記をおおくりします。

■国立京都国際会館(ICC Kyoto)
日本初の国立国際会議施設として、1966年5月に開館した由緒ある施設です。1957年に主要な国際会議を日本へ誘致するため、京都市を東京都と並ぶ開催地とするという閣議方針が決定。2年後に、日本庭園的な典雅な美しさを有する宝ヶ池に施設を建設することが閣議決定された。という筋金入り(?)の国際会議施設なわけです。

京都駅から地下鉄烏丸線で20分、その名も国際会館駅を降りてすぐ。乗り換え不要なので、方向音痴のワタクシおよび初めて訪れる外国の方でも迷子なし、楽々アクセスでございます。

車で敷地内に入りますと万国旗が掛かるポールがあり、グランドプリンスホテル京都を右手に見ながら進むと会館が見えてまいります。建築デザインはこれまた日本初の設計協議方式(コンペですな)で応募作品195点から選ばれた大谷幸夫氏によるものです。(丹下健三先生のお弟子さん。沖縄コンベンションセンターも設計。)日本古来の伝統的形質と現代的建築様式の融合ということで、日本の近代建築20選にも選ばれております。なんか要塞みたいでカッコいいと思っていました。申し訳アリマセン。

現在2014年秋のリニューアルに向けて鋭意工事中ですので、写真にはズーンとアームを伸ばしたクレーンがそそり立っております。

会館に入りますと受付脇に、京都議定書(COP3)関連の展示があります。議定書採択の際に使われた木槌にはミーハー心が疼いてしまいます。

メインホールの横には、窓がたくさん付いてます。これは会議中に居眠りせずにマジメにやっているかを見張るものではなく、9か国語対応の同時通訳ブース。政府系の会議なんかは微妙なニュアンスが後で大問題になる危険性あるので、英語でドバっとやっちゃえとはいかないんでしょうね。(個人の感想です)今回のリニューアルで、多彩な照明演出が可能になる演出バトン増設、大型スクリーン常設化、高速無線LANの常設などさらに充実した施設・設備になるそうです。

そして国際京都会館のウリはなんと言っても風光明媚なところです。宝ヶ池の景色や日本庭園、茶室、そして比叡山を借景にしている日本庭園でパーティを行ない、花火や伝統芸能などのアトラクションを加えたら、もう敵なしです。(個人の感想です)

■京都文化交流コンベンションビューロー
国際観光コンベンション部の新戦力、ジェームズ・ウィッドグレンさんをご紹介。ニューヨーク生まれでハワイ大学卒、京都大学での留学経験を活かして、欧米のほか英語圏の方に京都の魅力を伝えるにはうってつけの経歴でございます。オリンピックの招致活動の報道で明らかなったように、イベント・MICEを国内にもってくるには人的なネットワークが欠かせません。語学だけでなく、欧米・日本の双方の文化やコミュニティに詳しいジェームスさんが、海外プランナーとの人脈を構築し、京都に数多くの国際会議などMICEがくることを期待しちゃいます。

 

■京都市産業観光局 観光MICE推進室
担当部長九鬼さんに取材してまいりました。
ヨーロッパのネオバロック的伝統様式と東洋的な建築様式を融合させた、モダンな市役所の庁舎。学校の教室を思わせるたたずまいの廊下を進むと、観光MICE推進室がありました。

京都市では2011年3月京都市MICE戦略を構築。昨年4月に観光部を観光MICE推進室として設置するなど、積極的にMICE推進を手がけています。その成果もあり昨年度は過去最高189件の国際会議を開催し、また、観光庁のグローバルMICE戦略都市にも選ばれています。九鬼さんは「MICEは観光という側面がある一方、産業発展を導く都市戦略の1つという意味合いもある。庁内ではMICEに対する理解が深い。2010年から5か年計画で、訪客数中心の誘致から、観光消費を高める質の向上へとシフトする。MICEはまさにその良い例となる」と語ってくれました。観光資源のほか大学も多く、国際会議誘致の武器が多くある京都市、積極的なMICE誘致策がさらにその勢いを増してくれそうです。