MPIリレー連載9   森本 福夫さん/“テーマパーティメニュー”で 提案型の営業

週刊ホテルレストラン × 展示会とMICE 
週刊ホテルレストラン×展示会とMICE 合同企画

MPIリレー連載 

第9回 森本 福夫さん 

MPIジャパンチャプター
イベントサービス 代表取締役 森本 福夫 氏

【略歴】
森本 福夫(Lucky Morimoto)
旅行会社でインバウンド・アウトバウンド業務に16年、ビジネスホテル/ホールの運営に5年携わったあと、1981年、インセンティブイベント企画・運営に特化した㈱イベントサービスを設立、国内外のホテル、コンベンションセンター、ユニークベニューで数多くの企業の表彰式・パーティ・チームビルディングなどのインセンティブイベントを手がける。2012年、優秀なインセンティブイベント会社に贈られるSITE Master Motivator Awardを受賞している。

~インバウンドインセンティブグループに~
‘テーマパーティメニュー’で提案型の営業

 

会場はホテルが優位

1981年から、企業の主催するインセンティブイベントの企画・運営の仕事を国内・海外の両方で行なってきました。表彰式とガラディナーが多く、会場はコンベンションセンター、ホテル、その他のいわゆるユニークベニューですが、実績が多いのは何と言っても宿泊するホテルです。宿泊するホテルは利便性の面でも優れており、移動費・移動時間も掛からない、バンケットルームに既設の音響・照明・映像設備やステージがあり外部から持ち込まなくとも良い、外部ケータリングではないので品質・サービス・価格などの面でも優れていて安心である、などが、ホテルが選ばれている理由です。インバウンドのインセンティブトラベル・イベントのヘビーユーザーは、コンベンションセンター・ホテルは月並みだ、として美術館・博物館・歴史的建造物・和風の会場などユニークベニューの提案を頻繁に求めてきますが、公的施設の開放と利用条件の緩和が遅れている日本では、結局、民間の和風会場などになるか、最終的には総合的な費用面の制約からホテルに落ち着くケースが多いように思います。

 

ガラディナーはテーマパーティが主流

表彰式は式典ですから、主催者によって表彰の方法、装飾や演出、エンターテインメントの程度の違いはあるものの、セレモニーとしての流れはあまり変わりません。インバウンドの場合、何種類も提案を求められるのはガラディナーで、それもテーマパーティが大部分です。テーマパーティは、一つのテーマ、たとえばSAKURA NIGHTのように、さくらをテーマにして全てが構成されたパーティです。中国では<主題派対>(派対=パーティの当て字)と言われており、中国語圏からの問合せでは<主題派対>の提案の要求がほとんどです。SAKURA NIGHTの場合、サクラをテーマにした入口の装飾から始まり、ステージセット、Props(立体の飾り物)、空間装飾、照明、エンターテインメントなどを全てテーマに沿って構成します。もちろんホテルの飲食もテーマに配慮してお願いすることになります。

 

テーマパーティメニューの制作を

海外のホテルの場合、バンケットセールスにはホテルが薦める<テーマパーティメニュー>をあらかじめいくつか用意している所があります。もちろん、これはフードのメニューを指すのではなく、前述のような一般的なテーマ、例えばアメリカではHollywood, Las Vegas, Wild Wild West(西部テーマ)、Silver & Goldなどのテーマを装飾・音響/照明・エンターテインメント・FB(飲食)をパッケージ化して写真は勿論客単価も添え、クライアントに選びやすくしてあります。テーマパーティには抽象的なテーマ、例えばPassion(情熱)とか、See & be Seen(見たり、見られたり)、Black & White(色のテーマ)もありますが、これらは例外と言えるでしょう。日本のホテルでも、一般的なテーマ、例えば<Japan>、<Four Seasons>、<Bon Festival>、<Mt. Fuji>, <Cool Japan >,<Sakura>、などの各種のパッケージを用意、提案を行なうと歓迎されることと思います。