京都市は二条城をMICE会場として開放する事業を開始する。
二条城は築城400年を超え、大政奉還の舞台となるなど歴史的・文化的な価値が高く、平成6年12月、世界遺産に認定されている。MICE誘致を観光振興とあわせて最重要施策の一つに位置付け、全国で初となる「京都市MICE戦略」を策定し、MICEの振興に取り組んでいる京都市は、世界遺産・二条城のさらなる活用とMICE戦略の一層の推進のため、二条城を舞台に観光MICEの振興と文化財の保護・活用を融合させた、「世界遺産・二条城MICEプラン」事業を実施する。
世界遺産・二条城を会場として、MICE利用を希望する企業・団体等を誘致し、一般観光客に影響のないエリアや時間帯において、会議、研修、レセプションや展示会、イベント等の会場として開放し、京都ならではの「おもてなし」を提供する。
現在、企画・運営を行なう事業者を募集しており、事業者が決定次第、利用希望の受付を開始する。なお、会場の使用料は本格修理事業の経費に充てるという。
二条城では、これまで京都市の主催事業としてコンサート、イベントなどの会場となっており、その実績を踏まえ、「二の丸御殿台所」「香雲亭(二条城の庭園にある茶室)」「清流園」などが利用可能になる。
< 二条城(正式名称:元離宮二条城)の概要 >
所在地:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
総面積:27万5,000m2
全域:世界遺産および史跡
貸出可能会場:二の丸御殿台所、香雲亭、和楽庵、清流園、二の丸御殿中庭、
二の丸御殿台所前庭、緑の園、桜の園、東南隅櫓前庭
二条城は、1603年(慶長8年)、徳川初代将軍家康が、京都御所の守護と将軍
上洛の際の宿泊所として造営し、1626年(寛永3年)に完成したもので、家康
が建てた慶長年間の建築と家光がつくらせた絵画、彫刻など、いわゆる桃山文
化の全貌を見ることができる。1867年(慶応3年)十五代将軍慶喜の大政奉還により、二条城は朝廷のものとなり、1884年(明治17年)離宮となった。その後、1939年(昭和14年)に京都市に下賜され、1994年(平成6年)にはユネスコの世界遺産に登録された。
【本格修理の内容およびスケジュール】
●平成23年度~平成26年度(4年)
唐門・築地、東大手門、番所 8億円
●平成27年度~平成30年度(4年)
二之丸御殿(白書院他2棟)、溜蔵・二階橋廊下 25億円
●平成31年度~平成33年度(3年)
本丸御殿(玄関他3棟)、指定文化財(西南隅櫓他7棟)15億円
●平成34年度~平成42年度(9年)
二之丸御殿(遠侍他2棟)、指定文化財(東南隅櫓他6棟)52億円
計100億円
本件に関する問合せは京都市文化市民局元離宮二条城事務所(TEL:075-841-0096/Email: nijojo@city.kyoto.jp)まで