五輪施策推進で外客2000万人超へ~東京観光財団会員情報交換会

東京観光財団は2月19日、品川プリンスホテルで講演会と賛助会員相互の交流を目的に「平成25年度会員情報交換会」を開催した。

講演会の第一部では、みずほ総合研究所の調査本部経済調査部長を務める矢野和彦氏が「2020東京オリンピック・パラリンピックの経済効果と観光振興・都市競争力強化策」をテーマに語った。矢野氏によると2020年東京五輪の直接効果は施設整備費が4,554億円、大会運営費、2,050億円、観戦客消費2,074億円、その他家計消費1,346億円の合計約1兆円の新規需要を見込まれるという。また一次波及の所得増を通じた消費増などによる、生産誘発効果を含めると2兆5,000億円と推計。所得誘発は6,000億円、雇用誘発が21万1千人に達するという。またアジアの中間所得層の増大の見通しから、五輪に向けた施策推進を実行することで2020年の訪日外客2,000万人超えも可能との考えを明らかにした。

第二部では、東京都知事本局外務部国際共同事業担当課長の川那子進一氏が「2012年ロンドンオリンピック体験談~現地で感じたこと」と題して登壇。東京と同じく先進国での開催となったロンドン五輪の様子をレポート。開催準備経費が90億ポンド(現在のレートでおよそ1兆5,000億円)となったことや、そのうち67%が政府負担、20%が宝くじ、10%がロンドン市が拠出したことや、準備経費の約75%がロンドン東地区の再開発へとあてられたことなどを説明。交通混在を避けるための施策により、移動はスムーズだったものの、期間中の外国人訪問者の減少や市内のレストラン売上げの減少を引き起こしたという。また、ロイズTSB銀行が発表した2005年から17年までのGDP165億ポンド増加しそのうち観光産業が12%をしめること、6万人以上の効用創出のほか、幸福効果1人あたり165ポンドという指標も説明。また英国政府が発表した2020年までの経済波及効果が280から410億ボンドという数字も紹介した。

講演会の後には懇親会が開催され、賛助会員や観光・コンベンション関係者が親睦を深めていた。

 

 

写真左:懇親会のようす 右:乾杯の挨拶は舩山龍二副理事長が務めた。(舩は舟へんに公)