日本最大級の人事・経営者フォーラムが盛況のうち閉幕 ~HRサミット2014


6月3日~6日の4日間、東京スクエアガーデンで「HRサミット2014」の東京開催が行なわれた。

HRサミットは日本最大級の人事・経営者フォーラムで、2012年から開催されている。今回は“パラダイムシフト2020 経営を変える、攻めの人事へ”をテーマに、各業界から人事部門の第一線で活躍するリーダーたちの講演を実施。人口減少、産業構造の急速な変化、グローバル経済競争、社員の高齢化、進まぬ助成活用、雇用関係の本質的変化など、企業が抱える課題について語られた。

(株)LIXILグループ取締役代表執行役社長兼CEOの藤森義明氏、(株)ジェイティービー常務取締役の川村益之氏など大手企業の実務者が経営戦略にもとづいた人材活用の事例を紹介するほか、慶應義塾大学商学部教授の清家篤氏や中央大学大学院戦略経営研究科客員教授の楠田祐氏など、教育・研究機関から企業戦略・商学研究の第一人者が課題解決へのアイデアを提供した。

講演は、人材開発、採用、労務、システム、グローバル、調査、適性など人事・経営に関わるさまざまな分野にわたって行なわれた。研修に関連するものも、(株)ネットマン代表取締役永谷研一氏による「研修効果を飛躍的に高める行動定着手法とは~これからの時代の人材育成の仕組み作り~」、ソフトバンクモバイル(株)人事本部人材開発部島村公俊氏の「ソフトバンク流研修内製化の秘訣~内製化の3つの壁とその解決策についてHR総研主任研究員松岡仁氏の「次世代リーダー育成に特効薬はあるのか?」など多数組まれた。

永谷氏は講演のなかで、研修の行動習慣化プログラムをPDCAにフィードバックを加えたPDCFAサイクルとし、目標を立てる(P)、行動を続ける(D)、振り返る(C)、人から吸収(F)、行動を変える(A)という、自著でも紹介した5つの技術について解説した。
また、PDCFAを取り入れた研修は、受講生にとって自分で考えて行動し続ける力を養成する、研修企画担当者にとっては職場での行動に着目した研修をつくる、経営者にとっては組織を超えた人的ネットワークを活かす、といった3つのベネフィットがあると持論を展開した。

 

グローバルナレッジマネジメントセンター(株)は、武田薬品工業(株)コーポレート・オフィサー人事部長の半田純一氏の講演を提供。半田氏は「グローバル製薬企業タケダへの覚悟」と題して、海外企業との世界規模での知的資産獲得競争や急速な成長のためのM&A展開のなかで、従業員の7割が外国人と多国籍化した同社の、多様性から価値を生み出す人事戦略と人財育成について語った。

会場では協賛企業によるブース出展も行なわれた。

(株)JTBコーポレートセールスは、グローバル、ホスピタリティ、モチベーション、体験型プログラムなど「旅のチカラで人を育てる会社を伸ばす~JTBの人材育成・研修プログラム~」を展示。また、「The社会人道(自衛隊元教官監修)」や「7つの習慣(R)Outdoorモニター」、PIT IN(座禅を活用したキャリア開発研修)といった同プログラムの効果を実感できる3つの研修の体験会を来場者に紹介した。また自社のサービスのほか、JTBモチベーションズの「やる気分析システムMSQ」、「新入社員診断カルテ」、JTBホスピタリティマネジメントの「管理職向けモチベーション研修」、「モチベーション診断士資格認定講座」などJTBグループの総合力を活かしたソリューションを提案していた。

人事・採用に特化した企画・制作会社(株)デイズヌーヴェルは、“採用戦略は、企業をデザインすることから始まる”という考えのもと、採用プロセスの調査・分析、採用戦略システムの構築、採用PRツールの制作、採用イベントの企画・運営、採用選考・マッチング強化、アフターフォローから改善提案と、採用に関するソリューションを一貫して提案する採用コンサルティングを前面に押し出した。ウェブプロモーション、映像ツール、グラフィックツールの制作、採用イベントのプロデュースなどを自社で制作できるのが強みとなっている。

大阪開催は6月12日・13日の日程で梅田スカイビルで行なわれた。主催はHRプロ(株)、後援は東洋経済新報社。