【好評連載】営業活動を成功させ、安定的な売上を創出
~約500社の営業コンサルティング実績から成功法則を伝授~
(株)スリーシーズ 代表取締役 畑中康彦氏
◆ 第8回 営業力の強化
株式会社スリーシーズ 代表取締役の畑中康彦です。
第8回目のコラムは、「営業力の強化」についてです。
前回のコラムでは、「トップ営業の商談の流れやトーク内容を、他の営業が出来る限り再現できるようにすることこそが、商談(営業)活動の標準化であり、商談受注率を向上させる有効な手段なのです。」と書きました。しかし、これだけでは、組織としての営業力は強化されません。
多くの営業組織では、営業メンバーに目標と商材を与えたら、あとは放置し、結果だけをマネジメントし、「あいつは売れる」「あいつは売れない」と評価していることも見受けられます。
何でも売れる才能を持った人など一握りで、どんな商材でも売れるようになるためには経験とトレーニングが必要です。短い期間でいかに多くの経験とトレーニングを積ませる環境を整えるかが、組織としての営業力を強化するための秘訣だと私は考えています。
私が今までクライアント企業の営業力を強化してきた経験の中で特に有効だと思うものを3つ挙げます。それは、「ロープレ」「成功事例の共有」「テーマを決めた勉強会」です。昔ながらの手法ですが、継続的にかつ質を重視して行えば、とても有効です。
ロープレについては、リアルなお客様のケースを設定し、3人1セットで行うのが理想的です。1人が営業役、1人がお客様役、そしてもう1人がオブザーブ役で、商談内容の改善点があれば、その場で止めて修正をする重要な役割です。
時間を決めて、決めた営業の流れ通りに、ツールやトークを駆使して行います。自分が営業を行うのも勉強になり、他人の営業を見るのもとても勉強になります。また、人にアドバイスを送る立場になると更に営業力は強化されていくのです。
2つ目は、成功事例の共有についてです。商談現場で最も有効なトークは、そのお客様と同様の企業が「なぜ導入し」「どのような結果・効果が出たのか」です。多くの営業メンバーは、自分が体験した事例しか話すことができません。皆がそれぞれ持っている事例を、他のメンバーにも共有することで、各メンバーのトークの幅が広がるのです。
最後は、テーマを決めた勉強会です。自社の強みについて、ネガティブな言葉に対する切り返し方、競合比較に勝てる方法、なるべく早く契約書をもらうには、
など様々なテーマを与え、営業メンバーに議論させ考えさせます。
最適なテーマを与え、議論の中で、メンバーに気付きを与え行動を促すことが、営業力の強化にはとても有効なことです。
企業の営業力は、「仕組み」だけでは強化されません。仕組み通りに実行する人=営業メンバーの力を最大限に引き出してこそ、組織としての営業力は本当に強くなるのです。
<アーカイブス>
==第1回== 問題を特定し、一つずつ改善を
==第2回== 営業を仕組化する
==第3回== 営業の仕組化:成功事例から学ぶ
==第4回== 営業戦略:ターゲットの考え方
==第5回== リード(顕在客)獲得
==第6回== リードナーチャリング(見込客育成)
== 第7回== 商談(営業)活動の標準化
== 第8回== 営業力強化
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プロフィール
畑中 康彦 (株)スリーシーズ代表取締役/ 顧客開拓研究家
慶応義塾大学法学部卒。
1999年リードエグジビションジャパン株式会社入社。IT系の国際見本市のプロデューサーとして、企画営業・来場者動員に従事。
2003年に営業コンサルティング分野で唯一の上場会社である、株式会社セレブリックスに入社。コンサルティング事業本部統括マネージャーとして、100社を超える顧客開拓プロジェクトを指揮。顧客3倍増など数々のプロジェクトで成功を収める。
2010年、営業ツール制作を軸とした「営業の仕組化」支援を行なう(株)スリーシーズを設立し、代表取締役に就任。
「営業の仕組化/標準化」「営業力の強化」「リードの育成」などのテーマで日々、クライアント企業に対して具体的な営業支援を提供している。
株式会社スリーシーズ http://www.salestool.jp/