2015年2月17日に「国際観光コンベンションフォーラム2015 in 金沢」が開幕した。“金沢からの提言 インバウンド2000万人を目指して 日本MICE-その課題と展望”をテーマに18日まで、石川県政記念しいのき迎賓館で実施される。
主催者と地元歓迎挨拶につづき、ドラゴンルート推進協議会会長の多田邦彦氏が特別講演を行なった。多田氏は、愛知セントレア空港から能登半島を結ぶ日本中央部を縦断するルートを、その形から登り龍に見立てて、2010年に「ドラゴンルート推進協議会」を設立。東京、富士山、名古屋、関西を結ぶゴールデンルートに次ぐ新たなインバウンドのルートとして、中国・アジア向けには昇龍道という名称でプロモーションを展開している。
昇龍道の魅力を、日本の歴史・文化、伝説が残るパワースポットを巡る「幸~縁起街道」、四季折々の風光明媚な景色を味わえる「優~昇龍古道」、豊かな自然と澄んだ空気を満喫する「健~豊潤街道」、日常から離れ贅沢な料理と癒しのスポット「贅~秀麗街道」伝統工芸や特産品のショッピングもできる「楽~有楽街道」という5つのテーマに沿ったルートと訪問スポットを紹介。講演では台湾のグループがバイクで各地を回るプロモーションビデオを上映し、その魅力を伝えた。
基調講演に登壇予定だったMPI Japan Chapter名誉会長浅井新介氏が急逝されたことで、浅井氏を偲び1分間の黙祷が行なわれた。会場には浅井久乃夫人も駆けつけ、関係者への感謝の気持ち伝えるとともに、浅井氏が抱いていた金沢への想いと期待を伝えた。基調講演に変わり、生前に録画された講演ビデオの上演について、浅井氏も画像を通してみなさまと一緒に参加している気持ちと述べ、「MICEの原点について考え明日のモチベーションにしてほしい」と挨拶した。
ビデオ講演は、“なぜMICEが必要なのか”というテーマで、日本の会議の生産性の低い理由として目的が明確に設定されていないことなどを挙げ、会議にロジックが必要だと提示。またMICEについては数年先の利用予約が入ることから未来を担保する資産にもなるという考えを提示。また15分でMICEがわかる解説のなかでは、MICE4原則として、1)目的をもつこと、2)コミュニケーションの場であること、3)情報、知見が集まる、4)良い未来をつくる、を掲げた。在りし日の浅井氏の講演が参加者にとってあらためてMICEの意義について考える機会となっていた。
基調講演後には分科会が実施され、第2分科会では「MICE誘致の潮流」と題して、JTB総合研究所の太田正隆氏をモデレーターを務め、MICE JAPAN企画営業部部長の佐藤純治氏と弊社編集部田中がパネリストとして登壇。MICE専門メディアからの視点でアジア欧米の誘致事例、誘致に必要なマーケティング、人材育成について、日ごろの国内外の識者への取材活動を通してえた知見や自身の考えについて述べ、参加したコンベンション関係者の意見も交えて議論を行なった。
※第一分科会や意見交換会、2日目のようすは後日配信予定。