【好評連載】営業活動を成功させ、安定的な売上を創出
~約500社の営業コンサルティング実績から成功法則を伝授~
(株)スリーシーズ 代表取締役 畑中康彦氏
◆ 第9回 「既存顧客から売上拡大を狙う」
株式会社スリーシーズ 代表取締役の畑中康彦です。
第9回目のコラムは、「既存顧客から売上拡大を狙う」についてです。
これまでのコラムは、新規顧客の獲得を中心に書いてまいりました。
新規顧客を獲得するというのは、企業にとっては大変な労力と投資がかかることは
言うまでもありません。
企業が売上を上げる3大要素は、「顧客数」×「取引単価」×「取引頻度」と
言われています。
つまり、企業としては、顧客数を増やすだけではなく、顧客数を維持しながら
継続的に取引を促し、取引頻度を増やすことが重要ということなのです。
図のように、取引の有無を軸としたターゲット層を4つに分類してみました。
企業が一番力を入れるべきは、(A)の既存顧客となります。
次に(B)の休眠顧客、そして次が(C)の接触有新規客、
そして最後が(D)の接触無新規客の順となります。
(A)の既存顧客にも3つの売上拡大の手法が用いられます。
・同じ商品やサービスを継続して使用してもらう方法
・違う商品やサービスを新たに取引してもらう方法
・別の担当者や部署を紹介いただき、同一顧客内で取引を拡大する方法
いずれかの方法を用いて、既存顧客の売上を増やしていきます。
この場合に企業として行う必要があるのが、
既存顧客に対する「人脈管理」と「行動管理」です。
既存顧客に対する営業活動は、顧客側のどれだけの方と自社のどれだけのメンバーが
深い接点を持ち、企業間のコミュニケーションを図れているかが勝負になります。
顧客側のキーマンを抑えられていなければ、自社のキーマンを担ぎ出し、
トップ同士の人脈を形成することが必要になるし、サービス利用部門との
接点がなければ、ユーザーインタビューを活用し、取材という名目で
接点を作るような工夫が必要になるのです。
そして、顧客の「誰に」「どのくらいの頻度」で「どのような」提案を行っているかを
上長がチェックし、継続的なニーズの把握と提案活動が行えているかを
企業として把握することが必要です。
また、(B)の休眠顧客に対するアプローチは、疎かになってしまうことが多々あります。
なぜ、取引が継続できなかったのかを上長が正しく把握するとともに、
継続的な接触をし続けることが重要です。
メルマガなどを使った継続的な情報提供や、キャンペーンなどを駆使した取引復活、
定期的な訪問活動によるヒアリングや最新情報の交換など、
休眠顧客を再度顧客へランクアップさせる仕組みを用意しましょう。
新規顧客開拓に力を入れ過ぎるのではなく、既存や休眠顧客へも
バランスよく営業パワーを配置し、安定的な売上を創り上げることをお薦めいたします。
<アーカイブス>
==第1回== 問題を特定し、一つずつ改善を
==第2回== 営業を仕組化する
==第3回== 営業の仕組化:成功事例から学ぶ
==第4回== 営業戦略:ターゲットの考え方
==第5回== リード(顕在客)獲得
==第6回== リードナーチャリング(見込客育成)
== 第7回== 商談(営業)活動の標準化
== 第8回== 営業力の強化 ==
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プロフィール
畑中 康彦 (株)スリーシーズ代表取締役/ 顧客開拓研究家
慶応義塾大学法学部卒。
1999年リードエグジビションジャパン株式会社入社。IT系の国際見本市のプロデューサーとして、企画営業・来場者動員に従事。
2003年に営業コンサルティング分野で唯一の上場会社である、株式会社セレブリックスに入社。コンサルティング事業本部統括マネージャーとして、100社を超える顧客開拓プロジェクトを指揮。顧客3倍増など数々のプロジェクトで成功を収める。
2010年、営業ツール制作を軸とした「営業の仕組化」支援を行なう(株)スリーシーズを設立し、代表取締役に就任。
「営業の仕組化/標準化」「営業力の強化」「リードの育成」などのテーマで日々、クライアント企業に対して具体的な営業支援を提供している。
株式会社スリーシーズ http://www.salestool.jp/