一般向けに「京都MICEセミナー」を開催

京都文化交流コンベンションビューローは、3月11日、キャンパスプラザ京都(京都市下京区)で「京都MICEセミナー」を開催した。今回のセミナーは、ビューロー会員だけでなく、広く一般にも参加を呼びかけたもの。京都市内から約100人が参加した。

開会のあいさつとともに、主催者の京都文化交流コンベンションビューロー・国際観光コンベンション部の赤星周平部長は、「京都市にけるMICEの現況報告」を数字データなどと合わせて解説。京都市と連携して行なっているグローバルMICE戦略としてのMICE推進の取組みについて説明した。

セミナーには、国際的に活躍し、観光庁や日本政府観光局(JNTO)のセミナー等でも講演実績がある2名の講師が招かれた。

 

 

ゲイリー・グリマー氏は、MICE業界の国際的コンサルタントであるGainingEdge社のCEO。各主要都市のMICE戦略を指導しており、日本ではJNTOの調査事業、東京観光財団の企業ミーティング・報奨旅行の誘致戦略策定事業のほか、観光庁の2013年度事業である「グローバルMICE戦略都市事業」を手掛けている。

グリマー氏は「国際都市におけるコンベンションの重要性」をテーマに講演。「ツーリズムには、レジャーツーリズムとビジネスツーリズムの2種類あり、マーケットアプローチが全く異なるという違いを理解してほしい」とし、特にコンベンションは、その分野のリーダー、企業、投資家が集まるもので、経済の変革に大きく影響しGDPへ与えるインパクトも大きいと説明した。自身が携わったメルボルンで開催した遺伝子学のコンベンションを例にし、3000人の参加者を呼び、メルボルンは遺伝子学でトップ5の都市であるということを世界に知らせたとともに、20億円の成果を上げたと説明。その後の会議開催の契機ともなり、大きな効果をもたらすなど、コンベンションは将来的な成功に重要であるとし、経済大国として3位の日本には世界のリーダーとして独自のイノベーションを発見し、独自の創造的なコンベンションを開催してほしいと期待を寄せた。

 

アダム・フルフォード氏は、Fulford Enterprise,LTDのCEOで、ランゲージコンサルタントとして翻訳、ナレーション、番組制作に携わっており、小泉元首相のプレゼン指導など多数の英語プレゼン指導実績がある。また、政府・地方自治体主催の外国人観光客向け観光ルートやツアーガイドのアドバイザーとして活躍。日本の良品を海外市場に紹介するジャパニーズグレイツ(株)の代表としても、さまざまな活動に取り組んでいる。

フルフォード氏は、MICEに限らず一般的なスキルとして「コミュニケーション・プレゼンテーションスキルアップトレーニング」をテーマに講演。はじめに、自身が前日実際に京都で撮影した写真を例に、「これは子供の心で、大人が撮った写真」だとして、観光客は年齢に関係なく、新しい発見を探しにくると説明した。受け入れる側としては、多様性をもったコミュニケーションが必要で、伝えたいことを押し付ける先生になるのではなく、相手の情報に基づき、コミュニケーションを築いたなかで伝えることが、重要だとして、「皆さんも一度子供の心で京都をもう一度歩いてみてはどうだろうか」と提案した。