MPI Japan ChapterとDMO六本木は、3月28日に六本木アカデミーヒルズでMICEセミナーを開催した。
同セミナーは、サプライヤーやミーティング・プランナーなどのMICE専門家がグローバルに活躍するMPI Japan Chapterと、六本木に位置する民間企業や団体などが提携し地域の観光マネジメントとマーケティングを一体的に行なうDMO六本木の共同企画。テーマは「インバウンドビジネスは全ての産業にチャンスがある」で、インバウンド戦略アドバイザーでもある(株)やまとごころの村山慶輔・代表取締役が講師を務めた。
村山氏は、自らも海外へ行き、現地の情報を入手しているが、最近はアジア圏に訪問することが多く、富裕層を対象とした企業や商業施設が増えてきていることを、事例とともに紹介した。
2014年には訪日外国人数が年間1341万人を記録したが、世界的にみると22番目であり、日本におけるインバウンドのマーケット市場は、まだまだ伸び代が残っており、特にアジア圏は近年活性化しているため、隣接している日本は地理的にチャンスがあると説明。
また、訪日外国人の約6割がリピーターであり、来訪者のニーズは多様化している。持続可能な取組みやコンテンツのパッケージ化など、よりきめ細やかなマーケティングが不可欠だと説いた。
今後は、施設側と提供側のミスマッチをなくしていくことや、ワンストップのサービスを提供すること、人材育成などを課題として挙げた。最後に、村山氏は「インバウンドはトレンドだと思っている。一瞬だけでなく、オリンピック後も視野にいれた長いスパンで訪日外国人を集めていくことがポイントとなる」と語った。
講演後は村山氏とMPI Japan Chapterの山本牧子会長が対談を行ない、参加者はインバウンドに対しての知識をより深めた。
2020年の訪日外国人観光客数の目標は4000万人へ引き上げられ、ますます盛り上がりをみせるインバウンド。訪日外国人のニーズは多様化しているが、さまざまな企業が連携し対応していくことで、更なる成長が期待できるマーケットに違いない。